どうすれば「人」を創れるか の商品レビュー
特に面白かったのは石黒先生がずっと同じ服を着ているというのと、アンドロイドに寄せて美容整形をされたという話。 自分をよく知るのは所詮他人というあたりや、人間は人間を最も認識しやすくできているというのも興味深かった。 アンドロイド演劇の場面はなんだかしみじみ想像出来てしまって、感動...
特に面白かったのは石黒先生がずっと同じ服を着ているというのと、アンドロイドに寄せて美容整形をされたという話。 自分をよく知るのは所詮他人というあたりや、人間は人間を最も認識しやすくできているというのも興味深かった。 アンドロイド演劇の場面はなんだかしみじみ想像出来てしまって、感動しました。
Posted by
マッドサイエンティスト ロボット学者 石黒浩は、 自分と同じアンドロイド(ヒトモドキ;人造人間)を作り、 自分とは何かを 考察していく。 それは、ロボットを作るという技術論ではなく、 自分と同じものが存在することで、自分とは何か? を客観的に見ることができるようになる。 そして、...
マッドサイエンティスト ロボット学者 石黒浩は、 自分と同じアンドロイド(ヒトモドキ;人造人間)を作り、 自分とは何かを 考察していく。 それは、ロボットを作るという技術論ではなく、 自分と同じものが存在することで、自分とは何か? を客観的に見ることができるようになる。 そして、老いていかないアンドロイドに、 どう立ち向かうのか? 結果として、5年前に作った自分の状態に戻ろうと 筋力トレーニングをして、美容整形まで受けて、 5年前の自分よりも、若返ろうとする。 自分とは何か?自分とはどうあるべきか? 自分とどう付き合うのか? その関係性を改めて捉えることで、 ロボット学の文化や哲学まで考察することになる。 モデルFと同じ アンドロイドを作り、 そして、どのような服を着せ、 その中で 美しいとはどういうことかを考察する。 平均的な顔では、人間らしく見えない。 そして、そのアンドロイドは、演劇に出演し、 詩を朗読する。そこには、透明感のある人間が、生まれた。 そして、すべて削ぎ落とした人間ロボットとは? ミニマム人間アンドロイドは、抱くと言う行為で 存在価値を増す。 2014年の出来事なので、さらに進化していることだろう。
Posted by
「アンドロイド」(人間類似型ロボット)、「サロゲート」(外部の機器を脳に直接つなぎ操作する)。アンドロイドの可能性はロボット工学にとどまらず、認知科学や脳科学や哲学とも深く結び付き、「人間とは何か?」さらには「自分とは何か?」という深い問いにつながっていくはずである。 さらに最終...
「アンドロイド」(人間類似型ロボット)、「サロゲート」(外部の機器を脳に直接つなぎ操作する)。アンドロイドの可能性はロボット工学にとどまらず、認知科学や脳科学や哲学とも深く結び付き、「人間とは何か?」さらには「自分とは何か?」という深い問いにつながっていくはずである。 さらに最終的には皮膚の触感も大切な要素である。とあるがそこまで必要かなぁ?○○産業がよだれを垂らして喜びそうな研究である
Posted by
ロボットだけれども 会話は人が担当する そんなロボットの未来が語られた本 大きな携帯としてロボットを用いるアイデア 不気味の谷の話 ロボットと恋愛できるかという話 新しいアイデアに満ち溢れた本 いずれ著者のイメージする未来が来ると予感させる
Posted by
見た目が人にそっくりなアンドロイド:ジェミノイドを作った石黒先生の本です。 技術的なことはあまり書かれていないのが残念ですが、研究を進めるなかで「人間とはなにか?」「自分とはなにか?」について、著者の発見、考察が述べられていて、とても興味深い内容でした。
Posted by
石黒先生のアンドロイド自体は前からよく見かけるなと思っていたのですが、実際どんな研究をなさっているのか知らなかったので手に取りました。 外見上精巧に見えることばかりを追及していくのではなく、人間らしさを追求する。それによってアンドロイドと相対する人間またアンドロイドを操作する人間...
石黒先生のアンドロイド自体は前からよく見かけるなと思っていたのですが、実際どんな研究をなさっているのか知らなかったので手に取りました。 外見上精巧に見えることばかりを追及していくのではなく、人間らしさを追求する。それによってアンドロイドと相対する人間またアンドロイドを操作する人間がどういった感情を抱くのか。近未来にはこういった経験が増えていくのだろうか、とわくわくと不思議な思いで読みました。 ヒトのミニマルデザイン、テレノイドの話も面白かったです。人間を人間たらしめているものは何なのか、これからも面白い発見がたくさん生まれそうで楽しみです。
Posted by
ジェミノイドの凄さは、youtubeの動画を見て是非とも確認してほしいところですが、技術的な内容はほとんどなく、他者としての認知、人間とのコミュニケーションの差異など、哲学的な、ラカンを思い出させるような、それでいて分かりやすい文体で書かれています 研究成果をこれからもフォローし...
ジェミノイドの凄さは、youtubeの動画を見て是非とも確認してほしいところですが、技術的な内容はほとんどなく、他者としての認知、人間とのコミュニケーションの差異など、哲学的な、ラカンを思い出させるような、それでいて分かりやすい文体で書かれています 研究成果をこれからもフォローしていきたいと思わせる内容でした
Posted by
人間そっくりのアンドロイドを創った研究者による研究記録。といっても専門的な話ではなく、研究の動機や、どんなことが起こったか、何をしたか、今後何をしたいか、を中心にかかれているので読みやすく、面白い。そして、ちょいちょい間にはさまれる著者のこだわりが人となりを表していて、なるほど研...
人間そっくりのアンドロイドを創った研究者による研究記録。といっても専門的な話ではなく、研究の動機や、どんなことが起こったか、何をしたか、今後何をしたいか、を中心にかかれているので読みやすく、面白い。そして、ちょいちょい間にはさまれる著者のこだわりが人となりを表していて、なるほど研究者になる人というのはやっぱりこだわりの人なんだなあ、と変なところで納得した。自分でカバンをつくれるという話や、美容整形の話。色んなことを徹底的にやってみるんですね、この著者は。 著者の究極の興味は「自分とは何か?」「人間とは何か?」ということなので、哲学的な問いも出てきます。それを頭で考えるのではなく、実際にそれを実験(?)できるようなものをつくってそこに何が起こるかによって追及していく。 アンドロイドが人間になれるか、というところ、著者はかなり実現可能だという方向で書いているけど、私は、アンドロイドが自分を自分だと自覚することはできないかぎり、無理だと思うのだけど、どうだろう。今の技術では、人間の意思を忠実に再現し、なおかつある程度はプログラミングで自動的に動くことが出来るようになる。つまり、人間的に反応できるようになる。でもそれはあくまでも「反応」であって、自発的な動きではない。動きたいかどうかをプログラミングで制御できるかもしれないけど、それは自分の意思ではない。ま、どこを目指すかというところなんでしょうけど。果たしてアンドロイドは自分の意思を持つことができるようになるのか。この著者の次作があるので、それも読んでみようと思う。 アンドロイド演劇についても少し。人間があやつるアンドロイドに演劇をさせるくだりがあって、人間を越える演技が出来た、とあった。なるほど、と思いつつ読んでいて「ん?」と思った。これって、文楽と同じじゃない?つまり、生身じゃない人形(ひとがた)には自分の心情を反映させやすいために、より真に迫ってくるっていう。能面とか。そっち方面は本題ではないけど、展開させると面白い話になりそうな気がしました。 そうだ、余談だけど、この本の割と最初に出てくる「不気味の谷」、この本を読む前に読んだ「屍者の帝国」に出てきてたのでびっくり!学術的な言葉だったんだ。変なところでまた「本のしりとり」が起こりました。
Posted by
この著者、相当な変人で、相当面白かった。 ここまで技術が進歩してるのね…!実際の人々の反応とか興味深い。 人間そのものについても考えさせられる。歳をとる(成長する)過程とか、いま普通にしてることを特別な技術の苦労や意識なくできることは、「人間」である自分だからできることだろうか。
Posted by
「自分とは何か?」「人間とは何か?」という問いをアンドロイドの研究を通して考えるというのが本書の内容である。著者自身がモデルのアンドロイド(ジェミノイドと呼ばれる)も開発してるし、奥さんがモデルのジェミノイドも開発している。他人にお願いするのは気が引けたから、というのが奥さんをモ...
「自分とは何か?」「人間とは何か?」という問いをアンドロイドの研究を通して考えるというのが本書の内容である。著者自身がモデルのアンドロイド(ジェミノイドと呼ばれる)も開発してるし、奥さんがモデルのジェミノイドも開発している。他人にお願いするのは気が引けたから、というのが奥さんをモデルに起用した理由となっているが、個人的には「よく協力するなー」と思ってしまった。奥さんがどうゆう方なのかわからないけど(専業主婦なのか研究者なのか)、自分とそっくりなものを開発するのに協力するのって勇気のいることだと思うからです。人によっては、欲しい!と思う人もいると思うんですが、僕は何か怖いなーと。それは普段自分の目で自分を見ていないからですよね。鏡に映った自分の顔は左右反対な訳だし、後頭部を見るなんて美容室で髪を切る時ぐらいですから。まあそれはいいとして。 僕は文系なので、こうゆう理系チックな本はあまり読まないので、ロボットというジャンルにも疎いんですが、技術はもうここまできてるのか!というのが正直な感想です。遠隔操作をつかって、自分と同じ動きをするジェミノイド。操作者が喋れば、ジェミノイドの口もパクパクと動くし同じ声が出るし、頭を振れば、ジェミノイドの頭も振れるというまさに一心同体なものが誕生している事実に驚くばかりです。会話ができるということなので、例えば遠方で会議かなんかがある場合はジェミノイドを現地に派遣すれば、わざわざ飛行機に乗ったりなどの手間が省ける。うわーもしこれが普及し始めたら、サミットもアンドロイドだらけになるよなー異様な光景だーなどと想像が膨らむ膨らむ。おもしろかったのが、カフェや電車内で通話していると、人は露骨に嫌な顔を浮かべたり、不快感を示すが、人と話す分には全然気にしない(声の大きさによるが)。そこで、ジェミノイドを携帯電話代わりにすればと筆者は言うのだ。いやーおもしろい。でかい携帯電話ですわ。 他にもおもしろい実験が紹介されてるし(カフェでジェミノイドを放置とか)、写真も多めに載ってるので、ジェミノイドってどうなんだろうと全く知らない方でもわかりやすい構成になってるかと思います。
Posted by