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堕落論 の商品レビュー

3.8

51件のお客様レビュー

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2026/04/17

10年ぶりぐらいに読んだ。 昔の方が響いた気がした。それは堕落のような負の側面を肯定する文学にかなり慣れ親しんだからだろうか。 結局言いたいのは、人間は人間の本質として堕落する。それは終戦や天皇制などの政治的要因の他、いろんな理由をつけることはできるが、本質として人間だから堕落す...

10年ぶりぐらいに読んだ。 昔の方が響いた気がした。それは堕落のような負の側面を肯定する文学にかなり慣れ親しんだからだろうか。 結局言いたいのは、人間は人間の本質として堕落する。それは終戦や天皇制などの政治的要因の他、いろんな理由をつけることはできるが、本質として人間だから堕落する。美しいものは美しいまま滅びるのは確かに美しいが、人間は年老いて法廷に引かれてもその先の生に執着するものである。いや、醜いのではなく、堕ちるのが人の姿なのだ。 堕落は悪いことではない。美しい切腹ではなく、醜い生き様を晒しながら生きていく。

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2026/03/12

堕落論、と聞いて、この本では退廃的な思想を独自の観点で語られるのだろうと想像していた。 しかし全然違う。ここで語られるのは、退廃とは程遠い、良いとは言えない自分と向き合う強さである。希望、といっても差し支えない温かさがある。 坂口安吾と友達になりたい。彼はきっと、真面目で優しい心...

堕落論、と聞いて、この本では退廃的な思想を独自の観点で語られるのだろうと想像していた。 しかし全然違う。ここで語られるのは、退廃とは程遠い、良いとは言えない自分と向き合う強さである。希望、といっても差し支えない温かさがある。 坂口安吾と友達になりたい。彼はきっと、真面目で優しい心を持った、面白い人なのだろう。 夏目漱石の言う個人主義と重なるところがあるなと感じた。堕ちた自分を客観的に見て、そこから這い上がる決意っていうのが自分を動かす1番の駆動力なんだな。

Posted byブクログ

2025/12/20

描写される世界は教科書でしか見たことがないものなのに、安吾の言葉はスっと入ってくる。色褪せない名分。

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2025/12/11

▪︎堕落論 まずは堕ちるところまで堕ちて、底辺から世界全体と歴史の流れを掴め。堕落しないようにと、もがき苦しむ姿は美しさではない。堕落したところからが始まりなのだ。運命に従順な子供のように、堕ちるように堕ちろ。生まれ堕ちろ。 しかし、その堕ち方は考えろ。その過程に美しさが生まれる...

▪︎堕落論 まずは堕ちるところまで堕ちて、底辺から世界全体と歴史の流れを掴め。堕落しないようにと、もがき苦しむ姿は美しさではない。堕落したところからが始まりなのだ。運命に従順な子供のように、堕ちるように堕ちろ。生まれ堕ちろ。 しかし、その堕ち方は考えろ。その過程に美しさが生まれるはず。その中にも堕落はあるが。 自分の中に出てきた考えに対して批判的な意見を持ち、反論し続けた結果、堕落に至る過程、又は至った後の過程が大事だということに行きついた感じでしょうか。 リーガル・ハイ2の最終話で古美門が羽生に対して「人間は愚かで醜いものだがその醜さを愛せ」的なことを言ってのに通ずるものを感じました。 ▪︎続堕落論 戦時中や戦後の「贅沢は敵である」という集団心理、考えが蔓延している中でこのような内容を論じることができる安吾さんをかっこいいと思った。厭なものは厭、好きなものは好きと思える人性が人間らしさであり、その人間らしさを忘れないことが大切だという主張に、当時の戦争の犠牲者であった若者たちが勇気づけられたのも頷ける。 ▪︎恋愛論 お腹が空いたらご飯を食べるように、眠くなったら眠るように、恋に落ちたら純粋に恋をしなさい。 理性的に考える恋や、恋に終わりが付きものだと悟った大人たちは可哀想である。 恋愛に対して少し冷めた感覚で考えていた私にはハッとさせられる内容だった。

Posted byブクログ

2025/09/10

坂口安吾が好きだ。 読み終わったあと、坂口安吾を検索し、その一生涯の軌跡を読み、泣いてしまった。 太宰の行動分析を読んで、この人は心から優しい人間なんだろうと思わずにいられなかった。 暗澹、絶望、苦しみ、いつか死にゆく救いようのない運命の中に、少しの光とやさしさと希望が感じられて...

坂口安吾が好きだ。 読み終わったあと、坂口安吾を検索し、その一生涯の軌跡を読み、泣いてしまった。 太宰の行動分析を読んで、この人は心から優しい人間なんだろうと思わずにいられなかった。 暗澹、絶望、苦しみ、いつか死にゆく救いようのない運命の中に、少しの光とやさしさと希望が感じられて、安吾の死生観に救われた。 いつもなかなか寝付けないが、堕落論を読み終わったあと、ものすごく安心した気持ちで寝ることが出来た。 同じ時代に生まれてきたかった。 ─────────────────── 人はなんでも平和を愛せばいいと思うなら大間違い、平和、平静、平安、私は然し、そんなものは好きではない。不安、苦しみ、悲しみ、そういうもののほうが私は好きだ。私は逆説を弄しているわけではない。人生の不幸、悲しみ、苦しみは人生の花だ。悲しみ苦しみを逆に花さかせ、たのしむことの発見、これをあるいは近代の発見と称してもよろしいかも知れぬ。 人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。不幸なものだ。なぜなら、死んでなくなってしまうのだから。自分一人だけがそうなんだから。銘々がそういう自分を背負っているのだから、これはもう、人間同志の関係に幸福などありやしない。それでも、とにかく、生きるほかに手はない。生きる以上は、悪くより、良く生きなければならぬ。 人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又、死なねばならず、そして人間は考えるからだ。 元より人間は思い通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃げ出し、希望の多くは仇夢で、人間の現実は概ねかくの如き卑小極まるものである。けれども、ともかく、希求の実現に努力するところに人間の生活があるのであり、夢は常にくずれるけれども、諦めや慟哭は、くずれ行く夢自体の事実の上に在り得るので、思惟として独立に存するものではない。 私は風景の中で安息したいとは思わない。又、安息し得ない人間である。私はただ人間を愛す。私の愛するものを愛す。徹頭徹尾、愛す。

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2025/07/26

1900年台前半を生きた筆者の哲学。 正直よく分からなかった。 「身体と精神は常に裏切り続ける。両者の思いが一致するときはなかなかない。」 「先輩から後輩への教えとして、失敗をしないように教えるか、失敗を前提として見守ることの2つあり。恋愛は後者である。」

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2025/05/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

* 作中で規範や道徳と言われているものは、「それに従えば人として正しく美しく生きているという根拠たりうるもの、一方で人間の本性には反しているもの」であり、堕落とはその規範から逸脱することである。ただし、作者は堕落することを肯定し、美しさを失っても、自身の本心に従い、泥臭く生き抜いても良い、それが人間にとって救いになると説いている。現代では武士道や神としての天皇という価値観は薄れており当時の人々の思いを完全に理解することは困難だが、終戦直後、従来の倫理観に反して生きる必要があった人々にとってこの本の主張が救いになったであろうということは想像できる。 * 気になったこと1つ目。規則は人間の本音に反したものであるにも関わらず作られる、そしてそれがいずれ道徳となり、従うことが美しい生き方されるのはなぜだろうか?為政者など規則を作る側としては、その規則の存在が好都合だからという点に端を発しているのだろうが、従う民に何の利点があるのか?それは安心感を得られる点ではないか。宗教もそういうものだと思う。卑近な例を出すと神棚である。屋内に神棚を設置する場合、天井に「天」「雲」と書いた紙を貼るが、あれって冷静に考えたら意味不明だと思う。あんな紙っぺらで神が納得するとも思えず…。でも昔何者かが言い始めた何の根拠もないルールであっても、それに従うことが人々の精神を安定させる。実態の無い対象を自分の頭であれこれ考察する必要も無く、ただ従えば神に許されるから。その利点に人々は群がった。そして時間経過とともに作中にある通り「生き物」になり、これだけ科学が発展した今でも合理性を超越し継承される。つまり、規則を求める人間の心もまた自然であり、それ自体を否定することもできない。だから、人間は堕落し切れないと述べられているのだろう。 * 気になったこと2つ目。「美しいものも美しいままで終わらせたい」という心情は現代にも通ずる部分があると感じる。作者の若い姪が美しいまま自死したという記述があったが、これは現代人の悩みにも重なるのでは?若さを至上のものと捉えすぎているという考え。人間老いていくのが当然であり、それでもしぶとく生きてしまうのが自然だと思う。ただ一方、美しいままに若いうちに死にたいという思いは私も理解できる。もしかするとそれって無意識のうちにに社会で形成された道徳なのでは無いか?若々しくいることが美徳である、醜態を世間に晒すべきでは無いという。結局のところ人々の本性に逆らい生きづらさを生み出すような規範自体は現在も存在していると思う。ちょっと、「美しさ」を文字通り解釈し過ぎたかもしれないので、別の例を出すと、受験や就活の失敗が挙げられる。一般的には、現役で高学歴とされる大学に受かる、また一流企業に入社することが理想とされがち(ということにする)。他者がその価値観に照らし合わせて失敗者を見れば、可愛そうな人、自分はああなりたくないという対象として映るだろう。だが、そんな挫折を味わった人々にとって何が救いになるのか?それが堕落だと思う。これまで信じてきたルールに従うことをやめ、泥臭く美しくなくとも生きること。その規範に縛られ、そこから外れた自身を否定するくらいならば、その方が幸せになれると思う。 * 総じて、現代の規範や道徳とされるものが、自分自身や周囲の生き辛さに繋がってはいないかという視点を持った。規則自体は秩序や安心感のために必要であり、それらの存在を否定する訳では無い。ただし、それが人を生きにくくしているのであれば、無理にその規則に従おうとする必要はなく、そこから外れた生き方を選択するのもアリではないか、と少しだけ思えた。

Posted byブクログ

2025/05/03

確か中学一年の頃に読んだ。当時は何言ってんだと思って読んだため、内容の記憶はあまりない。また読み直したい。

Posted byブクログ

2025/02/24

坂口安吾はデカダンとか言われてるのがきっかけで読んでみたけど、暗いことが嫌いだし、厭世的な視点を持ってないから、文学に救いを求めちゃうような僕は結構叱られました。笑 少数派のためってよりも、大衆のための文学みたいな印象

Posted byブクログ

2025/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

坂口安吾のどこか潔癖症ともとれるような性格と文体がとても良い。 かなり極端な思想に走っているところもあるが、そこも含めて魅力的。

Posted byブクログ