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海と毒薬 新装版 の商品レビュー

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133件のお客様レビュー

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2026/04/09

著者はキリスト教徒。本書は〈神を持たない日本人〉をテーマの一つとして書かれたものらしいが、人は神がいれば(宗教を持っていれば)道を踏み外さない…わけではない。 人を救うために医者になった者が「生体実験はゆくゆくは大勢を救う」と解釈して人を殺すように、どれだけ残忍な行為でも自分の都...

著者はキリスト教徒。本書は〈神を持たない日本人〉をテーマの一つとして書かれたものらしいが、人は神がいれば(宗教を持っていれば)道を踏み外さない…わけではない。 人を救うために医者になった者が「生体実験はゆくゆくは大勢を救う」と解釈して人を殺すように、どれだけ残忍な行為でも自分の都合の良いように解釈して正当化できてしまうという人間の恐ろしさを炙り出している。 戦争がはじまれば人はいまより簡単に人を殺す、という認識を共有するために読むべき本である。

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2025/10/07

大きな環境の津波に流されてしまう人々を観させられた。 いわゆる良くない言葉が使われているけど雰囲気が出て良いな。

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2025/09/30

キーワードは、良心とはなにか。 良心を持たないと、組織や時代によって一線を超えてしまうようなことをしてしまうって話 信仰を持たない日本人は、どう良心をもつのか。 ビジネス本に書かれている、自分はどうありたいかを持ちましょうと通ずるものを感じた。

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2025/08/12

戦争中だったから。 それだけでは済まされないあまりに残酷な行為を行ってしまった医師、看護師達の話です。 前々から読みたいたいと思っていた作品。本編、解説含めて読んで良かったと思える作品でした。

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2025/05/21

戦時下、捕虜を生きたまま解剖した実際の事件をモチーフにした小説。 葛藤し続ける勝呂に対し、良心が咎めることを知らない戸田。 決して戸田が悪いわけではない。勝呂が素晴らしいわけでもない。 何を以て「正しさ」とするのかは時代によっても社会によっても人によっても違うので、絶対的な正しさ...

戦時下、捕虜を生きたまま解剖した実際の事件をモチーフにした小説。 葛藤し続ける勝呂に対し、良心が咎めることを知らない戸田。 決して戸田が悪いわけではない。勝呂が素晴らしいわけでもない。 何を以て「正しさ」とするのかは時代によっても社会によっても人によっても違うので、絶対的な正しさなんてものはない。その中で、自分の信じるものを持てるか。自分の意志と信念を持てるのか。 そういう問いの物語。

Posted byブクログ

2025/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昔読んだ覚えがあるが、内容はあまり良く覚えていなかった。グロが苦手なので当時もちょっときつかったのは覚えている。太平洋戦争の末期に実際にあったアメリカ人捕虜の生体解剖事件をもとに創作された作品。生体解剖に参加した中の3人に焦点が当てられているが、どの人物も異常性が感じられるわけではなく、きっかけと罰せられないという環境があれば一般的な日本人は殺人にも罪の意識なく参加するのである、という作者の声が聞こえてくるようだ。 戦争だったからみんなおかしくなったのだ、とその特殊な環境に原因を求めようとしても、序盤の勝呂の「これからもおなじような境遇におかれたら僕はやはり、アレをやってしまうかもしれない」という台詞でそんなことはないとくぎを刺されてしまうのである。 登場人物たちがおかしいだけだ、と思おうとしても、今度は最後に戸田が「俺たちを罰する連中かて同じ立場におかれたら、どうなったかわからんぜ。世間の罰など、まずまず、そんなもんや」などと言ってくるのである。 遠藤周作は神を持たない日本人は倫理を内面化できていないということを前の著作でも表現していたが、ここで改めてはっきりとそのことを主題に持ってきた。はたしてそういった傾向は日本人だけのものであるのかは分からないが、自分も同じ立場なら同じようなことをするのではないか、という思いは確かにある。まっすぐに指をさされているような、後味の悪い読後感だ(それが悪い、ということではなく…)。

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2025/02/08

面白かった。人間の生々しい心理描写、テーマ設定が非常に好み。 私たちはどうやって良心と向き合っていけば良いのだろう。教えに従っていれば良い信者たちとは異なりどれほど正しくあるかを自分達で裁量しなければならない。 個人的な意見だが、自分の良心に言い訳できるか、が一種の線引きのよう...

面白かった。人間の生々しい心理描写、テーマ設定が非常に好み。 私たちはどうやって良心と向き合っていけば良いのだろう。教えに従っていれば良い信者たちとは異なりどれほど正しくあるかを自分達で裁量しなければならない。 個人的な意見だが、自分の良心に言い訳できるか、が一種の線引きのような気がする。戦争での殺戮と生体解剖の明確な差がそこにある気がする。良心に言い訳することを辞めた時、人は本当に良心を失うのではないか。

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2025/02/02

日本人は全体的にノーマルな印象があるが この本でいかに特殊で不気味かわかる 「同調圧力」、自分の権力や地位を示すためであれば なんでもしようとしてしまう恐ろしさ。 それは戦時中だったから…では済まされない 既視感があった。SNS上で繰り広げられる 承認欲求であったり、フォロワー...

日本人は全体的にノーマルな印象があるが この本でいかに特殊で不気味かわかる 「同調圧力」、自分の権力や地位を示すためであれば なんでもしようとしてしまう恐ろしさ。 それは戦時中だったから…では済まされない 既視感があった。SNS上で繰り広げられる 承認欲求であったり、フォロワーの数で権力を握る人々とそれに翻弄される人々。 なんとなく、現代の在り方にうっすら疑問を感じながら生きる私にとって、突き刺さるような作品だった。 数を持つべき人間が持てば現代人のメンタルも健康でいられるのかもしれないが、本作同様に現代もそうはいかないようで。 私も日本人ではあるので自分にもこんな一面が 潜んでいるのかも?と思うと恐ろしい気持ちになった。 勝呂と戸田は同じ1人の人間の光と影のように感じた。光と影は表裏一体、これは私の人生の中でよく考えるテーマだからそう感じたのかもしれない。

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2024/12/07

図書館で借りた。 参加してる読書会のテーマ本。 …よく分からなく、モヤッとおわった。 続きもあるらしい。 それ読んだらスッキリするのかなぁ。

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2024/05/06

実際に日本で戦時中に行われた米兵の生体解剖を題材にしたフィクションです。 遠藤周作の作品は初めて読みましたが、思っていたよりも読みやすく、登場人物の行為に多少、醜悪さを感じながらも、興味深く読み進めることが出来ました。人間の良心とは本当に存在するのかを問いかけられたようで、気持ち...

実際に日本で戦時中に行われた米兵の生体解剖を題材にしたフィクションです。 遠藤周作の作品は初めて読みましたが、思っていたよりも読みやすく、登場人物の行為に多少、醜悪さを感じながらも、興味深く読み進めることが出来ました。人間の良心とは本当に存在するのかを問いかけられたようで、気持ちは複雑で読了感はさほど良くはなかったですが。

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