図説 金枝篇(上) の商品レビュー
パラパラと積ん読するのにちょうどいい。内容も分量も。 時代の制約上やむを得ないが、未開人、未開人と連呼されるのは腹立たしい。 「未開人」は今で言う非WIERDな人々のことだとすると、この世界のほぼすべての人々という意味になりますけど、いいんですか。 と、嫌味のひとつくらいは言いた...
パラパラと積ん読するのにちょうどいい。内容も分量も。 時代の制約上やむを得ないが、未開人、未開人と連呼されるのは腹立たしい。 「未開人」は今で言う非WIERDな人々のことだとすると、この世界のほぼすべての人々という意味になりますけど、いいんですか。 と、嫌味のひとつくらいは言いたくなる。
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フレイザーの『金枝篇』の要約版。 要約版といっても上下巻合わせて600ページ近いが、もとの『金枝篇』は13巻。さすがに長すぎるのでこれでもかなりありがたい。 「イタリアのネミ村の祭司は、なぜ「聖なる樹」の枝を手にした者と戦い、殺される宿命にあったのか」という問いから、古今東西の事...
フレイザーの『金枝篇』の要約版。 要約版といっても上下巻合わせて600ページ近いが、もとの『金枝篇』は13巻。さすがに長すぎるのでこれでもかなりありがたい。 「イタリアのネミ村の祭司は、なぜ「聖なる樹」の枝を手にした者と戦い、殺される宿命にあったのか」という問いから、古今東西の事例を蒐集して、古代の人々の世界観に迫っていく。 ミステリを読んでいるような気分でどんどん読める。� ただ、確かに原著にない写真や図が出てくるものの、それで本文中の概念をわかりやすく説明しているわけではないので、「図説」というのは少々看板に偽りありだと思う。 原題の「illustrated」の訳出だろうが、ニュアンス的には「よくわかる」くらいの感じじゃないだろうか。
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原題名:The Illustrated GOLDEN BOUGH(Frazer,James George;Douglas,Mary;MacCormack,Sabine G.) 呪術と王の成り立ち◆タブーと霊魂の危難◆死にゆく神 著者:ジェームズ・ジョージ・フレーザー 監修:メ...
原題名:The Illustrated GOLDEN BOUGH(Frazer,James George;Douglas,Mary;MacCormack,Sabine G.) 呪術と王の成り立ち◆タブーと霊魂の危難◆死にゆく神 著者:ジェームズ・ジョージ・フレーザー 監修:メアリー・ダグラス 編集:サビーネ・マコーマック 訳者:吉岡晶子
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ネミの森の祭司職は、挑戦者が金枝を手折り、現任者に決闘を申込み、殺害することで代替わりするという。何故金枝を手折るという手続を踏み、何故祭司は殺されなければならないのか。主としてこの二つの謎について、世界の神話・風習などを引用しつつ解き明かしていこうという本。 神話の知識がない...
ネミの森の祭司職は、挑戦者が金枝を手折り、現任者に決闘を申込み、殺害することで代替わりするという。何故金枝を手折るという手続を踏み、何故祭司は殺されなければならないのか。主としてこの二つの謎について、世界の神話・風習などを引用しつつ解き明かしていこうという本。 神話の知識がないから読むのが辛い部分もあったけど、ミステリーを読んでいるような感覚もあって、学術書なんだろうけど結構楽しめた。 それにしてもこの上下巻でエッセンス版とはなんという量か…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
J.G.フレイザーの大著『金枝篇』のダイジェスト版の邦訳。1994年に東京書籍から出た同名本の文庫版でもあり、上巻では『金枝篇』第一巻”The Magic Art and the Evolution of Kings (Part 1)”から第四巻”The Dying God”までの内容を収めている。 本著は『金枝篇』の内容をコンパクトに纏めたものであり、フレイザーの学説とそれを裏付ける類例に絞って記述されている。その為フレイザーの学説を手っ取り早く知りたい方、『金枝篇』の大まかな内容を知りたい方には打って付けなものと言える(特にこの上巻では、「共感呪術」や「王殺し」などフレイザーの学説において中心となる概念が解説されている)。 ただ(これは『金枝篇』そのものの問題でもあるのだが)、フレイザーが紹介する資料の信憑性に難がある。p188での日本の天皇の記述のように、引用元の段階で間違っている情報がそのまま記述されている箇所が幾つか存在している。これはフレイザー自身の方法論(フィールドワークを行わず、既存の文献調査のみを行う)の問題であるのだが、それ故資料の出典が書いてある脚注が本書では削除されているのが少々不親切に感じた(無論、ダイジェスト版である以上それは仕方の無い事なのだが……)。
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図説・簡約版は1994年にも発行されていたけれども、上下の文庫本に分けられたことで誰でも気軽に旅行先で社会人類学の大著を参照できるようになりました。
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