恋文の技術 の商品レビュー
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手紙ベースでお話が進む。 はじめての書簡体小説で、それだけで楽しかった。 手紙の書き方がわかった気にはなれないけど、 語りのように書くこと。伝えようとしすぎないこと。本来の我が現れるかもしれないこと。手紙の中身は大した問題ではないかもしれないこと。 なにかを学べたような気にもなった。
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Amazonの紹介より 京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。 ...
Amazonの紹介より 京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。 手紙の内容だけで展開する話の内容が、側からみれば馬鹿馬鹿しく思えて、ついクスッとしてしまいました。 といっても、主人公が関係者に宛てた手紙の内容が大半なので、関係者から主人公宛の手紙の内容はどんななのかは分かりませんが、なんとなく分かりますので、どの辺は大丈夫かと思います。 遠くに飛ばされた場所は能登で、その風景描写は穏やかで、一度行ってみたくなりました。このレビューを書いている時は、能登地方が被災されており、心が痛みますが、復興のために何か手助けできればと思います。 穏やかな能登の描写とは裏腹に、手紙の内容は、段々とヒートアップしていきます。もうコミカルすぎて、ついつい笑ってしまいました。まさか作者の森見さんも登場するとは、思わず「え⁉️」と吹いてしまいました。 別作品「夜は短し歩けよ乙女」にリンクしているのではといった描写もあって、面白かったです。印象に残る発言が多く、森見ワールドを堪能しました。 それにしても、主人公の面倒臭さに呆れてしまいました。「かまってちゃん」のような印象だったので、自分だったらあまり友達には・・と思ってしまいました。 さらに、おっ○いの言い過ぎも面白かったです。(笑) 後半からのヒートアップするシーンは、本人に至っては真剣かと思いますが、側からみれば「しょうもな」とか思ってしまいました。自分も、ヒートアップすると、もしかしたらそう思われてるかもしれないので、冷静でいないといけないなと思いました。 後半では、主人公だけでなく、関係者同士の手紙のやり取りが描かれています。その中には、主人公のことをどう思っているのか、正直な気持ちも書かれていて、面白かったです。 それまでは、主人公から見た関係者の印象しか書かれていなかったので、印象が変わった人もいました。 「夜は短し歩けよ乙女」に通じる要素もあって、森見ワールドを堪能したい方には、お勧めかと思いました。 まさか、コミカルな内容だったとは、良い意味で裏切られたので、大いに楽しめました。
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書簡式の小説。主人公がさまざまな人と文通をしていく中で物語が進んでいく。森見登美彦のワードセンスがとてもよく感じられる一冊となっている。出来事の伝え方がおもしろい。物語が二転三転しているわけではなく、日常をダラダラと伝えている手紙でも、面白く感じた。最後の章では、手紙はいいものだ...
書簡式の小説。主人公がさまざまな人と文通をしていく中で物語が進んでいく。森見登美彦のワードセンスがとてもよく感じられる一冊となっている。出来事の伝え方がおもしろい。物語が二転三転しているわけではなく、日常をダラダラと伝えている手紙でも、面白く感じた。最後の章では、手紙はいいものだなと感じた。わざわざ手間をかける良さと、伝えたいことだけを伝えるだけがコミュニケーションではないということを考えた。
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送った手紙ばかりで構成されているものの、返書や他の人同士のつながりが想像できて楽しい。軽妙でユーモラスな仕上がりになっていて楽に読める。
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書簡小説だからかより森見登美彦の文体を楽しむ感じがすごく良かった。阿呆なことばかりな守田の言葉がふとみせる真摯に伝えることに向き合った姿を見ると言葉って良いなとしみじみ思う。 招待状の三枝さんの代筆にまみやくんを励ますようなことを書いていたところとか、代筆じゃないまみやくん宛ての最後の手紙とか、あと最後の妹宛ての手紙とか、どれも温度感が素敵だった。 森見登美彦作品はぼんくらで憎めない大学生が必死にもがく姿に惹きつけられてやまない。本当に良い小説でした。
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森見登美彦さん「恋文の技術」読了しました〜! 森見さんの書簡体小説とか絶対おもろいやんと思ったら、想像の斜め上でした。 とりあえず呟かせてください。おっぱい万歳。 大変失礼致しました。 「真の名誉とは決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることだ。」 伊吹夏子さん...
森見登美彦さん「恋文の技術」読了しました〜! 森見さんの書簡体小説とか絶対おもろいやんと思ったら、想像の斜め上でした。 とりあえず呟かせてください。おっぱい万歳。 大変失礼致しました。 「真の名誉とは決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることだ。」 伊吹夏子さんへ、失敗書簡集がおもろすぎる。 どんどん成長するのが見られるのもそうだけど、 其の四が格別に好き。まじで書いた人間を絞め殺したくなる。 「オパイバンザイエ」とかよくそんなにすらすらと言い訳が思いつくな笑 「大文字山への招待状」の章は全部守田くんが書いたってことだよね...。成長したなぁ。 「風船に結ばれて空に浮かぶ手紙こそ、究極の手紙だと思うようになりました。伝えなければいけない用件なんか何も書いてない。ただなんとなく、相手とつながりたがっている言葉だけが、ポツンと空に浮かんでる。この世で一番美しい手紙というのは、そういうものではなかろうかと考えたのです。」
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森見登美彦さんの作品はあんまり読んだことがなかったけれど、この作品はとても読みやすかった。 返書だけで構成された文が新鮮で、返書から相手の手紙の内容を想像するのもとても面白かった。 教訓を求めるな。これだけ覚えとけばいい。 この本読んで思わず久しぶりに友達との文通再開した!...
森見登美彦さんの作品はあんまり読んだことがなかったけれど、この作品はとても読みやすかった。 返書だけで構成された文が新鮮で、返書から相手の手紙の内容を想像するのもとても面白かった。 教訓を求めるな。これだけ覚えとけばいい。 この本読んで思わず久しぶりに友達との文通再開した!完全に森見登美彦さんに影響された文章が出来上がった。満足満足。
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流れ逃れてクラゲのように浮遊する大学院生の守田一郎君。凄まじい七変化の立ち位置で、友人や妹や作家や家庭教師の元生徒に自分がどれほど素晴らしいか口達者に説くのだけれど、就職活動のエントリーシートと恋文になると断然冴えなくなってしまう一郎君。恥ずかしく最悪な場面を惚れた乙女に見られて...
流れ逃れてクラゲのように浮遊する大学院生の守田一郎君。凄まじい七変化の立ち位置で、友人や妹や作家や家庭教師の元生徒に自分がどれほど素晴らしいか口達者に説くのだけれど、就職活動のエントリーシートと恋文になると断然冴えなくなってしまう一郎君。恥ずかしく最悪な場面を惚れた乙女に見られて、こころが素っ裸になった一郎君は、やっと頭角をあらわした、やれやれ。くだらなく馬鹿馬鹿しいんだけど、森見登美彦は好きだなと思う。男子はかわいらしいし、女子は男前だ。
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いろんな人宛の手紙を読んでいく事で、少しずつ登場人物達の関係性が浮かび上がってくるのが面白かった。文体がやっぱり森見登美彦って感じ。
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書簡体と言われる本を始めて読んだ。話の繋げ方がほんと上手い。別の手紙で裏事情が分かったり、11月6日の手紙に至っては気付かなかった。日付が同じだな程度。成長ぶりがうかがえる。阿呆なことをしでかすのと女性陣が魅力的なのは森見シリーズあるある。妹や三枝さん、大塚さんそして伊吹さんと乙女が揃ってます。最終話はこれぞ恋文の技術ってものを読ませていただいた。文句なしの出来でした。
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