Zの悲劇 の商品レビュー
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☆4.0 『Yの悲劇』から十年、ニューヨーク市警を退職したサム元警視は私立探偵として今も犯罪事件と戦っている。 長年ヨーロッパ各地を旅した娘のペイシェンスが帰国し、父娘の生活を楽しめるようになった頃、ある依頼を受けて州北部へと向かった。 調べようとしていた黒い噂を持つ医師アイラ・フォーセットには、同じく黒い噂ばかりで選挙を控えた州上院議員の弟ジョエルがいる。 難しい調査になるかと思われたが、ある夜、ジョエルが刺殺されてしまい、捜査経験をかわれたサムとペイシェンスも呼ばれ、事件に関わることとなる。 ジョエルに脅迫の手紙を刑務所から送っていたエアロン・ダウが捜査線上にあがり、しかもダウは事件当日にアルゴンキン刑務所を出所していたことも判明する。 容疑者となったダウが発見されそのまま逮捕されてしまうが、ペイシェンスは鋭い推理でダウの無実を導き出す。 しかしその推理は物証がなく、受け入れられなかった。 ペイシェンスとサムの二人は、無実を訴えるダウを救うためドルリー・レーン意見を聞こうとハムレット荘へと向かう…… ペイシェンスの一人称で書かれているので、前二作と少し雰囲気が違うかもしれない。 前半はペイシェンスがどんな人なのかがわかるようになっている。 客観的にも美人で頭の回転が速く、生意気に思われようとも言うべきは言う気概を持つ女性で、レーンの存在感に負けない輝きを持っている。 七十歳になり、少しだけオーラの勢いに衰えが見えたかに思われたレーンも、また事件に関わることで目のきらめきを取り戻していく。 のだけども、レーンさん、ここで大失敗をしてしまうんです。 精彩を欠くレーン、やはり寄る年波には勝てないのか。 ペイシェンスも頑張りますが必要な物証が見つからず、ついにはダウに死刑判決がくだってしまう。 ここからはタイムリミットサスペンスの如く、死刑執行までに真実を解き明かすことができるのかとスピード感が出てくる。 ここからが今作一番の見せ所ですね。 レーンの行う消去法推理の綺麗で見事なことったら。 端的に容疑者を減らす指摘をし、そこに疑問を挟ませない。 熟練の技を見せられた感じ。 前作の終わりから私の中で、もにょもにょしてるところがあるので、『Zの悲劇』でもちょっともにょもにょしてるんです。 レーンがしてしまった大失敗、あれ本当に失敗だったの?って。 わざとじゃないよね?って。 だって、エアロン・ダウって、殺してはいないけど、脅迫はしてたじゃん。 ちゃんと事件は解くからちょっとの間くらいヒヤヒヤしてなよ、って思ってなかったかなぁって。 ペイシェンスの一人称のせいか、いつもにも増してレーンの思いがわかりにくい。 もにょもにょする。 次はついにこの四部作の完結編。 『レーン最後の事件』に向かおうと思う。
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バーナビー・ロス(=エラリー・クイーン)によるシリーズ3作目。 ドルリー・レーンによる推理が光る『Zの悲劇』 X・Yに比べ、とてもスラスラ読め、分かりやすい印象でした。 というのは、レーンのいつもの、シェイクスピア云々の引用が少なめだったのが原因のひとつ(私にとってはw) もう...
バーナビー・ロス(=エラリー・クイーン)によるシリーズ3作目。 ドルリー・レーンによる推理が光る『Zの悲劇』 X・Yに比べ、とてもスラスラ読め、分かりやすい印象でした。 というのは、レーンのいつもの、シェイクスピア云々の引用が少なめだったのが原因のひとつ(私にとってはw) もうひとつは、サム警視の娘のペイシェンス・サムが語り手となり、一人称で物語が進んでいくという所にあるようです。 舞台はアルゴンキン刑務所。 サムは警視引退後、私立探偵業に従事していた。 エリヒュー・クレイという実業家から、共同経営者の不正を暴いてほしいという依頼を受ける。 サムとサムの娘ペイシェンスは、彼の家に泊まり込み捜査をするが、捜査対象の悪徳議員ジョエル・フォーセットが何者かに殺害される。 残された手がかりから、刑期を終え釈放されたばかりのエアロン・ダウが容疑者に。 どうしても彼が犯人だと思えないサムとペイシェンスは、レーンに捜査の助言を依頼する。 『Yの悲劇』から10年後の話で、レーンは70歳の年齢で登場する。 以前のような若々しさは衰えて見るからに身体が弱ってしまっているが、洞察力は変わらない。 ペイシェンスはレーンを敬愛する、聡明で洞察力に優れた美しい探偵。 『レーン最後の事件』にも出てくるのかなぁ。 年老いたレーンも、魅力は変わらないです! 安定の面白さでした♪
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サム警視の娘が語り手となるストーリー。 古い小説だから古風な女性になるのは仕方ないけど、やっぱり現代の感覚ではイライラする… そして前回に引き続きどころか更にダメダメになっていくレーン…かっこよくない。 利き手と利き足の関連性ってそんなに正確に分類できたっけ?と謎解きにもモヤモヤ残る。
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元警視サムは引退、ブルーノ検事は知事になり、レーン氏は老い。 X,Yからかなり時間がたった今回の事件は語り手がサムの娘ペイシェンス。 殺された上院議員の事件を追って、ペイシェンス、サム、レーンが動く。無実の男を処刑の電気椅子から救えるのか。 というあらましなんですけども、うーん...
元警視サムは引退、ブルーノ検事は知事になり、レーン氏は老い。 X,Yからかなり時間がたった今回の事件は語り手がサムの娘ペイシェンス。 殺された上院議員の事件を追って、ペイシェンス、サム、レーンが動く。無実の男を処刑の電気椅子から救えるのか。 というあらましなんですけども、うーん、X,Y,Zを読み終わりましたが、面白さの順位を個人的につけるなら、X,Y,Zでした。 作者であるエラリィ・クイーンは二人共著のペンネームで、どういう風にかき分けていたのかははっきりしないらしいがX,Y,最後の事件とこのZはメインで書いた人が違うという説があるらしいです。その説に一票です。 内容が違い過ぎる。完成度とか文章の表現とかそういうことではなく、手掛かりの公平さという部分で。 順番に読んだった!という征服感は味わえました。 「最後の事件」をどうするかなー・・これも評価がわかれるみたいなのでぇ・・・。(悩)
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序盤、少しゆっくりだったのでもたついてるように感じたが、最終幕の推理場面は圧巻の一言。 これのために、その前を読んだ!って感じで、一気に読めた。
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E・クイーンの事は正直あまり知らないのだけれど、もしかするとこれはクイーンの良い所をぎゅっと纏めた作品なのかと思った。とにかく推理が醍醐味の作品。老いたレーン氏は中頃までずっと優しく見守る紳士役で、前二作とは違うので人によっては最初少し違和感を覚えたり、寂しくなるかも。物語は終盤...
E・クイーンの事は正直あまり知らないのだけれど、もしかするとこれはクイーンの良い所をぎゅっと纏めた作品なのかと思った。とにかく推理が醍醐味の作品。老いたレーン氏は中頃までずっと優しく見守る紳士役で、前二作とは違うので人によっては最初少し違和感を覚えたり、寂しくなるかも。物語は終盤までずっと探偵達にとって不利な事ばかり起こって、一体どうするんだろうと頁をめくる手が止まらなかった。途中飽きやすい私には、この展開が良かったと思う。ただ多少は飛ばし読みした。最後の謎解きシーンが鮮やか。それに尽きる。ベタ褒めしたけど「Yの悲劇」の方が好き。
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推理の説得力が弱い。終盤の刑務所の死刑数秒手前で起こるドラマは素晴らしい。犯人のバックボーンはあまりにも薄いしありきたりでつまらない。エアロン・ダウとフォーセット兄弟との過去・弱みも陳腐だ。 推理が主眼でも説得力が弱くて論理的であろうとスッキリしない。ペイシェンス・サムの前半の...
推理の説得力が弱い。終盤の刑務所の死刑数秒手前で起こるドラマは素晴らしい。犯人のバックボーンはあまりにも薄いしありきたりでつまらない。エアロン・ダウとフォーセット兄弟との過去・弱みも陳腐だ。 推理が主眼でも説得力が弱くて論理的であろうとスッキリしない。ペイシェンス・サムの前半の活躍は素晴らしいが後半はヒステリックになるのを必死に抑えているよくある弱いヒロインになっている。 次の「ドルリー・レーン最後の事件」は未所持なので図書館で予約をした。明日取りに行く。
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2018.8.23 引用 黒い噂がつきまとう州上院議員の刺殺事件。アルゴンキン刑務所を出所したばかりの元受刑者が逮捕され、死刑判決が下された。サム元警視の魅力的な娘で鋭い推理の冴えを見せるペイシェンスと、元シェイクスピア俳優ドルリー・レーンは、無実を訴える男を救い、真犯人をあげることができるのか?刑執行へのカウントダウンが始まった!最高の新訳が名作の隠れた魅力に光をあてる疾走感溢れる傑作ミステリ。 前2作とは打って変わって、サムの娘ペイシェンスの一人称で進む。 前作から年月を経て、サムやブルーノの職が変わっていたり、レーン氏が老いてしまっている。 一人称が変われど、レーン氏も早々に登場し、最後もこれまで通りレーンによって解決される。好奇心旺盛ペイシェンスが老いたレーンの補佐として立ち回っている。 犯人はなんとなく予想がつきやすいが、ラスト全員の前で不可能を排除しながら犯人を追い詰める場面は迫力があった。 それまでの過程については、これまで同様に「情報は共有しようよ」という感じ。 展開やセリフ回しは鮮やかで読んでいて心地よい。 死刑までのタイムリミットがあるので、緊張感もあって楽しめた。 レーンの心情がいまだについかめない。次の最終巻でなにか分かるといいな。
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10年の時が過ぎ、すっかり隠居オーラに包まれたドルリー・レーンおじいちゃん。 サム警視とその知的で自由な娘ペイシェンスによって再び悲劇の舞台に立つ。 とある老受刑者の命運を分ける悪徳議員殺害事件。 利き手の問題。 不在証明パズル。 脅迫者が残した小さな木箱のパズル。 誉れ高きレ...
10年の時が過ぎ、すっかり隠居オーラに包まれたドルリー・レーンおじいちゃん。 サム警視とその知的で自由な娘ペイシェンスによって再び悲劇の舞台に立つ。 とある老受刑者の命運を分ける悪徳議員殺害事件。 利き手の問題。 不在証明パズル。 脅迫者が残した小さな木箱のパズル。 誉れ高きレーン四部作の三作目。
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やっとX~Zの悲劇を読了。 割と時間がかかってしまった。 物語は全作通してハードボイルド感が漂っている。 情景描写や比喩多めで物語のスピード感はどちらかというとゆっくり。 物語はゆっくりとしたペースで進んでいく。 次から次へと事件が巻き起こりというわけでもなく、 じわじわと事件...
やっとX~Zの悲劇を読了。 割と時間がかかってしまった。 物語は全作通してハードボイルド感が漂っている。 情景描写や比喩多めで物語のスピード感はどちらかというとゆっくり。 物語はゆっくりとしたペースで進んでいく。 次から次へと事件が巻き起こりというわけでもなく、 じわじわと事件が起こる。これは3作ともそのような印象を持った。 このZの悲劇だけはサム警視の娘、ペイシェンスの一人称で語られている。 前2作と比較すると、ほんの少しだけ女性向けかもしれない。 3作とも読者が推理するには少し無理がある感じだが、 推理を読んでなるほどなぁと思うタイプの読者には楽しめる作品だろう。 私はある程度犯人を自分で探しながら読む為、 これら3作とも全部外し、それはないだろ~と凹む結果ばかりだった(笑) しかし3作とも読むことが出来て大満足。
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