サイレントメビウス(文庫版)(3) の商品レビュー

麻宮騎亜(著者)

2018/08/09

ラリー課長がＡＭＰの署長に昇進することになり、磯崎真奈（いそざき・まな）が新しい課長になります。当初は彼女に反発をおぼえていた香津美たちでしたが、那魅がルシファーホークに捕らわれてしまう事件が起こり、そのなかで真奈の戦いぶりを目にしたことで、彼女への信頼が生まれていきます。

つづいて、由貴が路地裏のアンティーク・ショップで一つのコーヒー・ミルに魅入られたことから、事件に巻き込まれてしまう話がつづきます。じつは店主の老人はルシファーホークで、由貴は1991年の東京にタイム・スリップしてしまうことになります。身寄りのない彼女は鷲尾徹（わしお・とおる）という青年と出会い、彼に助けられながら元の世界へもどる方法をさがし求めます。

その後、香津美がまだ一般人だった4年前の過去と決着をつけるための戦いがはじまります。当時、入院していた母の巫由伽（ふゆか）リキュールのもとへ向かおうとしていた香津美は、ルシファーホークに襲われ、キディたちに助けられます。そこで彼女はラリー課長からＡＭＰの存在を教えられます。思いもかけない話に戸惑う香津美でしたが、母がみずからの身を犠牲にしてルシファーホークを封印するのを目の当たりにし、ＡＭＰの一員となることを決意するに至ります。ところが、巫由伽によって封印されたルシファーホークが彼女の前にふたたび姿を現わし、過去の幻影を見せて彼女の心を揺さぶろうとします。しかし香津美は、母と別れなければならなかったつらい思い出に耐え、ついにルシファーホークとの決戦に挑むことになります。

物語の核心に近づいてくるにつれ、シリアス度もアップしてきて、思わず夢中になってしまいます。