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ニホンのクルマのカタチの話 の商品レビュー

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2011/05/12

デザインは作り手と使い手の共同作業であり、感激は使い手の期待を超えることである。そのためには使うひとのいうことを聞くのではなく、観察することである。 エンジニアとして自分の技術が世の中に出ていくのを見ても、それがいかにデザインされているのかを知る機会は少ない。デザインは機密の塊...

デザインは作り手と使い手の共同作業であり、感激は使い手の期待を超えることである。そのためには使うひとのいうことを聞くのではなく、観察することである。 エンジニアとして自分の技術が世の中に出ていくのを見ても、それがいかにデザインされているのかを知る機会は少ない。デザインは機密の塊だから。 そんなデザインの最前線で活躍する中村史郎さんの話は新鮮で面白く、元々軽快な語り口は、本になっても変わらない。 そんな中村さんのクルマ、特に日本車にかける想いに触れることができる一冊。 ・クルマのデザイン クルマは、単なる移動の道具から生活スタイルを提案する商品に。その上で中村さんはデザインからプロモーションまで一貫して管理するいわばオーケストラの指揮者。日産のデザイナーを率いて多数の車種を担当し、多様性と一貫性をうまくバランスさせる ・デザインはアートとは違う デザインは設計するという語義、美しいカタチに優れた機能を備える。特に車は安全性、空力、室内空間などと綿密。 ・ニホンのクルマのデザイン もともと自動車は地産地消、80年頃から輸出産業となり、個性・アイデンティティが薄れていった。 日本は古くから多くの文化を吸収してきており、特にアイデンティティの自覚が薄い。故に日本はユニークでり、、日本独自の良さを世界に発信、輸出して世界にマーケティングしていくことで、世界を楽しくしたい デザインを仕事にする中村さんの言葉は内から溢れるものを感じる。その源泉を感じた一言。「カタチはすべてを一瞬にして直感的に伝える、内面から湧き上がったものが、表面に現れる」。 デザインは、内面に秘めている想いが外へ溢れたものなんですね。 中村さんの担当されたそれぞれのクルマに対する想いにも触れられました。この様なデザイナーの想いに触れられるのは、同じ作り手として非常に貴重でした。

Posted byブクログ