アリストテレス「哲学のすすめ」 の商品レビュー
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アリストテレスが様々な観点から「哲学のすすめ」を説く文章。本文は短くてあっさり読める。アリストテレスに限らない様々な「哲学のすすめ」について書いてある論文のような部分も含めて、解説の分量が本文の二倍くらいある。 本文は、哲学は習得できるものなのか、哲学は有益で善いものなのか、哲学は習得するにしても簡単にできるのか、という3つの疑問に答えるところから始め、幸福な人生に哲学はどのように関わっているかを解き明かすという本題に入っていく。幸福な人生も快楽の生、徳の生、理知の生という3つの種類に分けられ、その全ては哲学することによって得られるというのが結論。本文は漫然と読んでしまいがちだったので、解説に助けられた。 「したがって、われわれは哲学すべきであるか、それとも、生きることに別れを告げてこの世から立ち去るべきか、そのいずれかである」 この文がある、第三章の後半が面白かった。魂が肉体と結合している=生きていることを拷問に例えるアリストテレス。それでも蜘蛛の糸のように知性を頼り、生の価値を哲学に賭けるのだ。あんなに自然全体や社会にも興味がある人なのに厭世的というか、生そのものにはほとんど価値を見出さないんだなと意外だった。
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成立の経緯が色々なので、アリストテレスは著者でなくタイトルに入っている。 掘り起こされたアリストテレス。 解説によると、「哲学のすすめ」というのは、ソクラテスがまさにそのことに生きていたように、ソクラテスを始まりとして、伝統があるようだ。 でも、内容というと、どうだろう? デ...
成立の経緯が色々なので、アリストテレスは著者でなくタイトルに入っている。 掘り起こされたアリストテレス。 解説によると、「哲学のすすめ」というのは、ソクラテスがまさにそのことに生きていたように、ソクラテスを始まりとして、伝統があるようだ。 でも、内容というと、どうだろう? デ・アニマを読んだあとなので、退屈であった。 どんどん飛ばして、サラッとしか読まなかった。元々本文も80ページもないし、文字も大きいし。 特に今必要というような読書ではなかった。
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アリストテレスが言いたいことはただひとつ。理知〈ソフィア〉に生きることこそが人間の幸福であるということ。その姿勢や語り口は、確かにソクラテス・プラトンの直系であることを実感させてくれる。訳者の解説も、やや専門的な話だがおもしろかった。「哲学のすすめ」的なものが、何百年もの間、いろ...
アリストテレスが言いたいことはただひとつ。理知〈ソフィア〉に生きることこそが人間の幸福であるということ。その姿勢や語り口は、確かにソクラテス・プラトンの直系であることを実感させてくれる。訳者の解説も、やや専門的な話だがおもしろかった。「哲学のすすめ」的なものが、何百年もの間、いろいろな人物によって書かれていたことや、それぞれの違い。また、アリストテレスの「哲学のすすめ」はまだプラトンの強い影響下にあった頃の著作で、『ニコマコス倫理学』を著した頃の独自の考え方は見られない、等、勉強になった。
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知性とか哲学を前向きなもの使っていくべきだ。とアリストテレスが言っていると解釈したけども、その主張にはほんと同意!でも読んでるとアリストテレスが側にいて、自分に語りかけてるような気持ちになったかも!
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あっさり読み終えた。一般大衆向けにアリストテレスが書いたものを訳したらしいが、そのせいか逆にわかりにくかったような気もしないではない‥。 さらっと読了してしまったので、もっと刺さるような何かが欲しかった。
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