アンブロークンアロー の商品レビュー
シリーズ物の第三作。表紙が戦闘機の割には巻を追うごとに空戦描写が減っていきます。今回は登場人物それぞれの世界の認識に関するお話でした。人物の会話は、なんだかとてもややこしい。1回じゃわからないな。もう一度通しで読んでみたいが、前二冊を実家においてきてしまった。
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「言葉」と「意識」、「機械」と「人間」。それらのキーワードをコミュニケーションという別のキーワードで繋ぎ合わせたような雪風シリーズ3作目。 深井零やブッカー、リン・ジャクスンら人間よりも機械知性体としての雪風のパーソナリティが全面に出てきた。そして物語はより哲学的な思考へダイヴし...
「言葉」と「意識」、「機械」と「人間」。それらのキーワードをコミュニケーションという別のキーワードで繋ぎ合わせたような雪風シリーズ3作目。 深井零やブッカー、リン・ジャクスンら人間よりも機械知性体としての雪風のパーソナリティが全面に出てきた。そして物語はより哲学的な思考へダイヴしていく感じ。 30年を経て雪風をどう着地させるのか、今後も期待したい。
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相手が人であれ機械であれ異星体であれ、コミュニケーションがいかに重要な意味をもつか思い知らされます。 そして何より重要なのは自分を意識すること、さらにいえば無意識を意識すること、でしょうか。 自分の無意識すら、言葉であらわさねば意識できない。 考えてみれば当たり前で、人間は普段...
相手が人であれ機械であれ異星体であれ、コミュニケーションがいかに重要な意味をもつか思い知らされます。 そして何より重要なのは自分を意識すること、さらにいえば無意識を意識すること、でしょうか。 自分の無意識すら、言葉であらわさねば意識できない。 考えてみれば当たり前で、人間は普段から無意識でこれをやっているのが面白いですね。 このことをキャラクターの心情や会話を通して、丁寧すぎるくらいに丁寧に論理的に、かつ分かりやすく説明する作者の力量に感服します。 冷徹なまでに論理的に言葉を操り物語を成す。これぞSFといった感じですね。
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時間がかかったが、読了。 神林長平は、凄い凄いと思っていたが、やっぱり凄いとまた思った。 彼はフェアリィにいるんじゃないだろうか。 作中、膨大な情報処理を無意識にこなしているが、人はそのごく一部しか意識出来ないし、無意識下において考えられたことを言葉として意識上に登らせている...
時間がかかったが、読了。 神林長平は、凄い凄いと思っていたが、やっぱり凄いとまた思った。 彼はフェアリィにいるんじゃないだろうか。 作中、膨大な情報処理を無意識にこなしているが、人はそのごく一部しか意識出来ないし、無意識下において考えられたことを言葉として意識上に登らせているのも、ごく一部だ、と云う様な事が書いてあった。懇切丁寧に、繰り返し繰り返し。 それは感覚としてはとてもよく分かるし、「何となく」身に覚えがあることだ。 だけど、それをこんなにはっきりと言葉として物語として形にできる神林長平と云う人は、人って云うか最早彼がジャムなんじゃないだろうかと疑いたくなる。 作家とは、こんなに凄味のある存在なんだなあ、と思った。
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「雪風」シリーズ三巻目。最高です。文学作品としても、SF小説としても、人間存在を扱う哲学書としても見事に成立する傑作。こんなやり方があったのかと感動し、戸惑ってもいます。
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グッドラック 戦闘妖精・雪風の発売から10年. 待ちに待った続編がアンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風です. 地球への侵攻をもくろむ異性体ジャムはこれまでと異なったアプローチを開始. 戦争を見守る者,ジャムとなろうとする者,対抗しようとする者,それぞれの視点から物語は進められ,...
グッドラック 戦闘妖精・雪風の発売から10年. 待ちに待った続編がアンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風です. 地球への侵攻をもくろむ異性体ジャムはこれまでと異なったアプローチを開始. 戦争を見守る者,ジャムとなろうとする者,対抗しようとする者,それぞれの視点から物語は進められ,それらを伏線とした物語で人類とジャムの攻防が新たなステップへと進められます. 実に600ページ以上の大作で読み応え満点. ハードなSFらしい内容にSF小説好きには堪らない一作品です. 逆に読みなれていない人には辛い作品かな.
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雪風3作目。どんどん観念的な世界に入っていくなあ。今までが非常に冷たい世界観だったように感じていたが、今度はより感覚的な世界観になった。 ジャムとの戦いは総力戦となった。その最前線、特殊戦が直面するのは凄惨な殺戮…(も一部あるけど)ではなくて、ヒトや機械知性の<意識>や<自分>と...
雪風3作目。どんどん観念的な世界に入っていくなあ。今までが非常に冷たい世界観だったように感じていたが、今度はより感覚的な世界観になった。 ジャムとの戦いは総力戦となった。その最前線、特殊戦が直面するのは凄惨な殺戮…(も一部あるけど)ではなくて、ヒトや機械知性の<意識>や<自分>とは何かという哲学的な問題。重い。これはエンターテイメントではない(良い意味で)。 それこそ哲学スキーなジャックが楽しそうで楽しそうで仕方ないのだが、物語各所で登場人物がそれぞれの「意識を独白」する場面があり、(読んでいるとやや退屈だけど)それが物語の重要な線になっていて、クライマックスはちゃんと盛り上がっていく。面白い読ませ方だと思う。 内容は観念や概念を中心に持ってくるので、今までより読みにくい感はあるけど、この本は多分、読む人によって印象がかなり異なるんじゃないだろうか(本って元々そういうものだけど)。それこそ、登場人物たちの持つ世界観がそれぞれ異なるみたいに「読んだ感想」ではなくて「本に対する印象」そのものがずれるだろう。そういうずれも含めると、これはもっと面白く読めるかも知れない。
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一気に読んだ 前作を読んでからそんなに経ってないと思っていたが、10年近く経ってたらしい 第一作目からまた読み直したくなった
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皆が認識をハックされてしまい、雪風/ジャム/他人の視点でものを見る、というわけのわからない状態に。何が何だかわからないのに面白いからすごい。雪風と大尉は今回もラブい。
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この文章を書いている私や、これを読んでいるあなたがいま、雪風のコクピットに座っていないと、どうして言えるだろう。 いまあなたが思い浮かべた「言葉」は、確かにあなた自身が生み出したものだと、どうして言えるだろう。 なんてことを考えずにはいられなくなります。
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