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大陸の細道 の商品レビュー

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2013/07/18

私小説。 昭和19年暮れから満州に開発公社の広報として渡った文士の 苦労やら現地での友情を描く。 渡満したのは昭和19年の暮れで、到着したら、やれ防寒着が届かない、部屋のストーブは効かないと極寒にさらされて喘息を起こし、ようやく冬を乗り切ったと思ったら、日本は敗色濃厚、連絡の手...

私小説。 昭和19年暮れから満州に開発公社の広報として渡った文士の 苦労やら現地での友情を描く。 渡満したのは昭和19年の暮れで、到着したら、やれ防寒着が届かない、部屋のストーブは効かないと極寒にさらされて喘息を起こし、ようやく冬を乗り切ったと思ったら、日本は敗色濃厚、連絡の手段さえ途絶する。 そして夏にはロシアが宣戦布告し南下してくるとのことで、42歳にして現地召集にあってしまう・・・。 戦争末期、満州の混乱や当時の現地日本人の置かれた状況が垣間見えるが、全て主人公のユーモアを通して読者はその姿を見ることになる。 どんなに心細い地にあろうとも、人と人との交流はいつでも可能で、降りかかってくる事態をどう解釈し、どう世界を見るのも自由。 飄々と強かに生きた時代人と満州の風景を、眼前に迫る思いで楽しく読めた。

Posted byブクログ