ゴールデンタイム(2) の商品レビュー
まだまだ青春真っ盛りというイタさとほろ苦さ
作者自身があとがきで『飲んで酔って飲んで酔って、そればっかり』と称した通りの大学生らしい飲み会三昧。しかし、その時々に少しずつ事態が動いていく第2巻である。 「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」で始まる本巻は、基本的にこのまま最後まで進む。フラれたから赤の他人。...
作者自身があとがきで『飲んで酔って飲んで酔って、そればっかり』と称した通りの大学生らしい飲み会三昧。しかし、その時々に少しずつ事態が動いていく第2巻である。 「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」で始まる本巻は、基本的にこのまま最後まで進む。フラれたから赤の他人。フラれたけど親友。今後も同じ場所に居続ける男女が恋仲になり損ねた後にどう折り合いをつけるか。それ以前に、フラれてもなお未練を残す自分の気持ちをどうするのか。持て余すほどに高ぶり、溢れ出てしまいそうな感情を何とか抑制しようとする甘酸っぱくもほろ苦い展開である。馬鹿馬鹿しく騒々しい学生ライフや、こっ恥ずかしかったりイタかったりする勘違いといった諸々の狭間で、平静を装いながらも内心では抑え切れない感情の迸る場所が飲み会という点に何とも言えない青春の息吹きを感じるのだが、ライトノベルらしいデフォルメを随所に散りばめながらも心情はリアルに描かれていて時に切ない。若気の至りとは何も中学2年生の頃だけではないことが示されており、この辺りは読み手の年代によって様々に色を変えて迫ってくるものがあろう。 そして、もう1つの要素は万里の過去であり、過去とは即ちリンダこと林田奈々とのことである。これもまた殊の外事態が動くのだが、酔いに任せて鬱憤を晴らすかのように問いただしてしまう独り善がりから「お互い様」に気付いてさらに自分を責めてしまう切なさとほろ苦さが描かれていた。“現在”も“過去”も女性は最後まで本意を内に秘めて、なかなか露わにしないものであり、それ故に本音と建前がチラチラ見え隠れする、得も言われぬ緊張感も全体に漂っていた。 「柳澤光央にフラれた加賀香子にフラれた多田万里」は、本巻の終わりに状況が変わっている。しかし、現在と過去が分断されている万里には、それぞれが別のモノとして存在しているようでもあり、今のところは“現在”が優勢に見えるのだが、“過去”とも何らかの決着をつけなくてはならない。そんな狭間で揺れに揺れるであろう今後の万里に注目したい。
DSK
読み始めてから読み終わるまでに2ヶ月以上の時が流れた……仕事が忙しかったなんてのは言い訳で、修羅場を脱してからひと月半ひたすら腑抜けていた。昔放送してたアニメを見てたから話の流れは把握できてるけど、この二ヶ月まともに本を読んでいないことが問題なわけで。つーかこれ、本の感想ですらな...
読み始めてから読み終わるまでに2ヶ月以上の時が流れた……仕事が忙しかったなんてのは言い訳で、修羅場を脱してからひと月半ひたすら腑抜けていた。昔放送してたアニメを見てたから話の流れは把握できてるけど、この二ヶ月まともに本を読んでいないことが問題なわけで。つーかこれ、本の感想ですらないわけで。 来月からまた頑張りましょう。
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大学生の、ビュアーでセンチなラブストーリーですね。コメディ要素はかなり後景に引いている。しかしまぁ、登場人物の皆の間の悪いこと悪いこと…。本当にイライラしてくるんだが、それがまたいい。転んで、間違って、グダグダになって…、それでも、大切な関係を、大切な人を思いやる。セックスも恋愛もお酒も行動も時間も、計り知れないほど自由になって、でも、責任があることを十分自覚せず、人の心を測りかねて失敗を重ね、人を傷つけ…。うまく言い表せないが、決して格好良くない等身大の大学生のラブストーリーである。 「青が散る」「春の夢」といった宮本輝の大学生の恋愛模様を描いた小説を思い返してしまった。リアルというか、等身大というか…。
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同じサークルに入り、親友になってみた2人。 そして大学生らしく、飲み会に繰り出した。 人間関係やら展開やらも気になりますが 一番気になるのは240円の弁当です! 恩返しに入ったサークルにいる、元同級生で 仲が良かったどころではないと思われる先輩。 一体過去のあの時、どう返事をし...
同じサークルに入り、親友になってみた2人。 そして大学生らしく、飲み会に繰り出した。 人間関係やら展開やらも気になりますが 一番気になるのは240円の弁当です! 恩返しに入ったサークルにいる、元同級生で 仲が良かったどころではないと思われる先輩。 一体過去のあの時、どう返事をしたのか、が 微妙に分かる1冊です。 というか、要所要所に出てくる元身体の持ち主が おっそろしいほど気になります! 最後にはどうにかこうにかなりましたが 締まらなさすぎる最後。 ちょっと前までシリアスでいい感じだったのに…w 警察、仕事早い(?)です。
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告白した万里に香子は『友達』としてと返答。 なのに。 サークル合宿と称して妙な新興宗教から生還した記念にと、万里には似合わないミラーを香子からもうら。 が、しかし。 香子は万里に惹かれているのに、それが本当かどうか迷っていた。 再度告白した万里に会えて『ノー』を答える香子。 だが、それを機会に万里は壊れた。 香子との友達も解消して。 『誰も待たないし、追いかけない』と。 リンダとの関係も、酒の席で当人にぶっちゃけ。 トイレに逃げ込む万里に、ドアの外からリンダの説明。 だが、万里に届かず。 酒の席を立って、一人で抜けようとするも、香子が追って来て。 『追いかけてくれないなら私が追いかける』と宣言。 一応、これでカップル成立… ただ、追っかけて来てくれたは良いけど、途中チャリを奪取した様子でケーサツのお世話になる事に… 幽体離脱状態で誰からも見られない、聞こえない万里はアドバイスをするが意味無く。 これをどう料理していくのか楽しみです。
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あっという間に万里と香子が結ばれてしまった。「とらドラ!」の竜児と大河のすったもんだに比べれば呆気ない。香子は光央を追いかけてたが振られて挫折し自棄になり、万里に告白されて振ったが本心は違くて、結局気持ちに逆らえなくてハイテンションになってと、気持ちが上昇したり急降下したりと波乱万丈。一方万里は一貫して香子が好きなので面白みがない。記憶喪失にしても設定としては面白いと思うが、いまいちぴんとこない。記憶喪失者のもつ罪悪感だとか孤独だとかが壁の一枚向こう側の出来事のようで想像がつかない。 リンダ先輩との事情が少しずつ分かってきて、これからは記憶喪失部分がメインテーマになるのかな。面白くなることを期待して続きを読みます。
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■よかったところ すごく何か大事件が起こるわけではないのだけれど(登場人物たちにすれば一大事だろうけれど)ぐんぐん引き込まれる。 一体何にそんなに惹かれてしまうのだろう? 文章なのか、内容なのか…。 幽霊になってしまった万里がいつも切ない。 ■悪かったところ これといって見つからないのだけれど、しいて上げるならば日常のお話なので大きな起伏は感じられない気がする。(でも面白いのだけれど)
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ゆゆこたん節のラブコメ爆走中です。ニヤニヤが止まりません。 つくづく学生時代を舞台にしたフィクションを読むと、ノスタルジーを感じる、というかファンタジーを感じる。 今回の作品も、少し主人公は特殊だが別によくある学生のシーン。にも関わらず「そんなことあったらなぁ」と思うのはファン...
ゆゆこたん節のラブコメ爆走中です。ニヤニヤが止まりません。 つくづく学生時代を舞台にしたフィクションを読むと、ノスタルジーを感じる、というかファンタジーを感じる。 今回の作品も、少し主人公は特殊だが別によくある学生のシーン。にも関わらず「そんなことあったらなぁ」と思うのはファンタジー。だと思う。
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アニメ版5話6話の内容ですが、万里や香子の心理描写がかなり丁寧に、気を使って書いてくれているのが伝わってきます。個人的に唐突な印象を受けた万里の心情について、アニメ版の演出の行間が埋まるのを感じました。 万里と香子、二人の関係上、とても大事なシーンが目白押しなので、サラリと流せな...
アニメ版5話6話の内容ですが、万里や香子の心理描写がかなり丁寧に、気を使って書いてくれているのが伝わってきます。個人的に唐突な印象を受けた万里の心情について、アニメ版の演出の行間が埋まるのを感じました。 万里と香子、二人の関係上、とても大事なシーンが目白押しなので、サラリと流せないし、じっくり読んで納得でした。 今後の展開も目が離せません。
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ラブコメとしては展開が早い(2巻目にして付き合うことに成功。) この先もまだまだ続くんだろうけど、どんな話になるのだろう。
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