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新訳 フランス革命の省察 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2013/05/12

イギリスの「保守」に対する考え方の核心が分かる書物だと思います。 基本的に、社会システムは論理だけでは設計できない、ということが強く主張されているように思います。 なるほど、伝統や慣習ですべてを判断するのが問題がるとするならば、その対極にある論理ですべてを判断するのもまた同じ...

イギリスの「保守」に対する考え方の核心が分かる書物だと思います。 基本的に、社会システムは論理だけでは設計できない、ということが強く主張されているように思います。 なるほど、伝統や慣習ですべてを判断するのが問題がるとするならば、その対極にある論理ですべてを判断するのもまた同じく問題がある、という考え方は大いに納得できるところであります。 論理的に考えた結果を、物事を進ませるために、既得権を持つ勢力に説得していくというやり方は、時間はかかるが、伝統や慣習とバランスをとるためには必要なプロセスである。という考え方には目から鱗でした。

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2012/12/04

急進主義をとことん批判した、保守主義の本。ものすごく面白かった。それにしても、いまの我が国の政局に当てはまりすぎて怖いくらいだ。バーク、恐ろしい子。

Posted byブクログ

2011/10/12

バークはフランス革命の個々の政策問題についても議論しているが、本質的には革命家達の気質や傲慢さ、愚かさを批判しているのであり、その指摘は革命的な政治変動一般に当てはまる。本書は抄訳であり、バーク保守主義を読みやすい普及版にすることを目的としているとともに、近年の日本の改革/革命ご...

バークはフランス革命の個々の政策問題についても議論しているが、本質的には革命家達の気質や傲慢さ、愚かさを批判しているのであり、その指摘は革命的な政治変動一般に当てはまる。本書は抄訳であり、バーク保守主義を読みやすい普及版にすることを目的としているとともに、近年の日本の改革/革命ごっこ政権に対する批判本としての訳者の思惑を強く感じさせる。訳は大胆で言葉遣いはやや乱暴であるが、「固定観念」「国体」といった訳語のチョイスは評価したい。あくまでつまみ食い的な抄訳なので、みすず版の全訳も読むことを強く勧める。

Posted byブクログ

2011/07/05

 ハンナ・アーレントやハイエクの著作を読んでいると、フランス革命の理解が必要になる。概略は、もういちど読む山川世界史で数十年ぶりに把握したが、関連書として、エドマンド・バークのフランス革命の省察を読んでみた。この新訳は、原著の内容を相当圧縮して編集しているが、どの章も同じ話の繰り...

 ハンナ・アーレントやハイエクの著作を読んでいると、フランス革命の理解が必要になる。概略は、もういちど読む山川世界史で数十年ぶりに把握したが、関連書として、エドマンド・バークのフランス革命の省察を読んでみた。この新訳は、原著の内容を相当圧縮して編集しているが、どの章も同じ話の繰り返しになっていて、本来ならさらに短くできるであろう。名誉革命はよくて、フランス革命がいかにだめだったかはよくわかった。 まったく新しい社会を打ち立てたいというユートピア的願望に基づいた革命の結果が、多くの違法行為と大きな混乱である。最終的な収拾はナポレオンによる軍事独裁国家。しかし、政治の素人が立脚する法的な根拠もなしに勝手なことをするれば、国家ががたがたになるのは当然であろう。  バークは、保守主義の父と呼ばれているが、所属していたのはホイッグというのは意外であった。  

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