やわらかなレタス の商品レビュー
たべもののというよりも、その周りの空気をふんわりと咀嚼している錯覚に陥るエッセイだった。物体ではなくて何か霞みのようなものを食む、音を伴うものではないふんわり。それは湯気であるとか匂いであるとかを、涎を垂らしながらじっと待つ、くんくんという行為に似ている気がする。 江國さんの言葉...
たべもののというよりも、その周りの空気をふんわりと咀嚼している錯覚に陥るエッセイだった。物体ではなくて何か霞みのようなものを食む、音を伴うものではないふんわり。それは湯気であるとか匂いであるとかを、涎を垂らしながらじっと待つ、くんくんという行為に似ている気がする。 江國さんの言葉によって形容されるたべものは、スポットライトに照らされてるかのごとく、うっすらと縁取りが光っているのだ。すごいことである。
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心がひじょーにささくれてる時期に拾い読みました。 大抵のことがばかばかしくなる近視眼的感受性に救われました。
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いかにも江國さんらしい文章で、みずみずしく描かれる日常。特に、食べ物がとても美味しそうに描写されていて、かま揚げしらすやら果物たちやらを食べたくなってしまう。 でも、こういう自由で不自由な視点は彼女ならではですよね。好き。
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すばらしいエッセイだーー!! やっぱり好きだ。 ぜんぜん笑わそうとかしてないのにすごくユーモアがあって、もう最近はめったに笑うこともないわたしがずいぶん声出して笑った、にやにやした。おもしろいー! 魚の話で、「私の感じでは、たとえば鮭はやさしそう。鱒はすこしだらしがなさそう」って...
すばらしいエッセイだーー!! やっぱり好きだ。 ぜんぜん笑わそうとかしてないのにすごくユーモアがあって、もう最近はめったに笑うこともないわたしがずいぶん声出して笑った、にやにやした。おもしろいー! 魚の話で、「私の感じでは、たとえば鮭はやさしそう。鱒はすこしだらしがなさそう」って! 豆まきの話で、江國さんが外に向かって豆をまき、ご主人がいそいで(鬼が入ってこないように)窓をしめる係なんだが、窓をしめるのが早すぎて江國さんのまいた豆が全部ガラス窓にあたってはねかえる、とか、想像したらおかしくておかしくて。 あと、果物好きの江國さんは大量に果物を買いこんで、すべて熟れごろに腐らせないよう食べることに心血をそそいでいて、朝起きるなり「もしあれが熟れていたらどうしよう」とか思うってのも笑った。旅行のときはご主人に「暗い暗い赤色になったらプラムを冷蔵庫に」ってメモを残すとか。「暗い暗い赤色」っていわれても困るだろうなあ。 週刊文春のエッセイをまとめたものなんだけど、いやー毎週文春買うか!と思うくらい。 あと、パズルの「数独」がやってみたくなった。
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読みながら、おいしいごはん、ちゃんとしたごはんを食べたいなぁ。と思った。 ちょうど、ほぼ毎日三食外食(しかもコンビニとか)続きの時期に読んだので、余計に。 表紙のイラストがすてき。キラキラしていて。
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江國さんの浮世離れ感がうすくなったように感じたのは、私だけ? お父さんお母さんに関する記載が多いのも新鮮で。一人称としてじゃなく、お父さんお母さんの話がこんなに出てくるのは、あんまり読んだことない気がしたなぁ。 この本、これから物語を書いてみたいと思っている私には、よい参考書に...
江國さんの浮世離れ感がうすくなったように感じたのは、私だけ? お父さんお母さんに関する記載が多いのも新鮮で。一人称としてじゃなく、お父さんお母さんの話がこんなに出てくるのは、あんまり読んだことない気がしたなぁ。 この本、これから物語を書いてみたいと思っている私には、よい参考書になりそう。エッセイだけどね、江國さんが書くと“物語”なんだよなぁ。
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江國さんの新書が出たとのことで早速買って読んでしまいました。 やはり彼女の言葉は美しいですね。食べ物に関する本なのかと思いきやそれ以外の話も豊富に入っていました。 泣く大人や泣かない子供を読んだ時の衝撃には劣るものの読後感はやはり江國さん独特のものでした。例えば、素敵な言葉を...
江國さんの新書が出たとのことで早速買って読んでしまいました。 やはり彼女の言葉は美しいですね。食べ物に関する本なのかと思いきやそれ以外の話も豊富に入っていました。 泣く大人や泣かない子供を読んだ時の衝撃には劣るものの読後感はやはり江國さん独特のものでした。例えば、素敵な言葉を使いたくなるや、散歩に行きたくなる、みたいな。 やわらかなレタスか。いいな。
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