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パゾリーニ詩集 の商品レビュー

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2019/01/31

几帳面な三行詩が収められている。その内容は、ファシズムと共産主義の嵐が吹き荒れたイタリアを謳うものが大半で甘ったるいロマンスは全くと言っていいほど収められていない。パゾリーニに関しては不勉強なもので映画すら観たことがないのだけれど、イタリアの重要な文化人であることが分かり収穫だっ...

几帳面な三行詩が収められている。その内容は、ファシズムと共産主義の嵐が吹き荒れたイタリアを謳うものが大半で甘ったるいロマンスは全くと言っていいほど収められていない。パゾリーニに関しては不勉強なもので映画すら観たことがないのだけれど、イタリアの重要な文化人であることが分かり収穫だった。四方田犬彦による訳詩の功績は大きい。だが、もしこれを他の翻訳者が(四方田には申し訳ないが、もっとイタリア語を解する人物が)訳していたらどうなっただろうかというないものねだりも抱いてしまう。とはいえ、これはこれで偉業と言えるはず

Posted byブクログ

2012/11/22

★ぼくの憂鬱は 眠たげな眩暈の前に負ける パゾリーニといえば、ギリシャ神話そのものの父親殺しを描く『アポロンの地獄』や、戦慄する十字架に磔られたキリストを目の当たりにする『奇跡の丘』、それに日本の地唄などを効果的に使ってプリマドンナのマリア・カラスが登場する『王女メディア』など...

★ぼくの憂鬱は 眠たげな眩暈の前に負ける パゾリーニといえば、ギリシャ神話そのものの父親殺しを描く『アポロンの地獄』や、戦慄する十字架に磔られたキリストを目の当たりにする『奇跡の丘』、それに日本の地唄などを効果的に使ってプリマドンナのマリア・カラスが登場する『王女メディア』など、私にとってはまるでミハイル・バフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネサンスの民衆文化』で描かれている世界そのままのように、混沌として猥褻で神聖で嘲笑と歓喜に溢れた目眩く迷宮でした。 今から37年前の1975年11月2日、イタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニは、ローマ郊外の海岸で無残に殴打された轢死体で発見され享年53歳でした。 7歳からかかさず詩作を続けてきたパゾリーニは14歳でアルチュール・ランボーの詩に衝撃を受け、そしてシェイクスピア・ドストエフスキー・トルストイに耽溺していきます。教師になり、素朴な方言で詩集を出して詩人になり、そしてアントニオ・グラムシを愛読するイタリア共産党員でしたが、同性愛事件を起こしたあと小説を書いて次いで映画監督に。 はたして彼の映画との出会いがいつだったのか、最初はお習字の先生から教わったロベルト・ロッセリーニの『無防備都市』(1945年)にヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒(48年)、そしてルキノ・ヴィスコンティの『揺れる大地』(48年)に代表されるイタリア・ネオレアリズモを熱心に見ていましたが、そのうちにそれらを超越したかのようなパゾリーニに夢中になり、『奇跡の丘』『アポロンの地獄』『テオレマ』『豚小屋』『王女メディア』『デカメロン』『カンタベリー物語』『ソドムの市』などを、中学生の頃からですから多分わけも分からず恐怖と驚嘆の眼差しを秘めて見まくったのでした。できれば見たくない禍々しいグロテスクな内容と映像ですが、何故かわれを忘れてつい見てしまうのでした。 「一人でなどいたくない。ぼくの底なしの飢え。 愛、それも魂をともなわない、肉体だけの愛。 だって魂はあなたのなかに、いや、すでにあなただから。 でも母さん、あなたの愛はぼくを奴隷にする。」

Posted byブクログ

2012/03/31

言葉の奥に怒りと悲しみを感じたのは、私の中に怒りと悲しみがあったせいなのか。 でも、初期の青春の詩のほうが好きだ。

Posted byブクログ