キュレーションの時代 の商品レビュー
これからのメディアのあり方を論じた一冊。全体的にはそのとおりだと思うけれど,なんか腑に落ちない部分もある。 本当に一億総キュレーションの時代が来たら,求められるのはキュレーションをキュレーションするメディアではないか。そして,それは,それでも比較的優位にあるマスメディアとなるので...
これからのメディアのあり方を論じた一冊。全体的にはそのとおりだと思うけれど,なんか腑に落ちない部分もある。 本当に一億総キュレーションの時代が来たら,求められるのはキュレーションをキュレーションするメディアではないか。そして,それは,それでも比較的優位にあるマスメディアとなるのではないか(前は比較することすらできなかったわけで,それは佐々木さんの言うとおりなのかもしれない)。 というよりも,既存メディアは今後はキュレーションのひとつに過ぎなくなるのではないか。二項対立的にもう影響力がないんだと論じているところが保守か革新かみたいな前世代的な匂いがするのはやや残念。そもそもこの論を書籍という既存メディアで出版しているわけだし,ちょっと言い過ぎな感じがとしてもしている。 そのほか,「キュレーション」と「編集」の概念的な違いの整理が足りないところもあるのだけど,今後の姿としてとても参考になる一冊であることは間違いない。
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コンテンツ(文学、情報、アート)は、長らくそれを流通させる媒体として、マスメディアを必要としてきた。 一本化された情報源によるコンテンツの大量消費の時代は終焉し、細分化したキュレーター達がマスメディアの代替えとなる。 キュレーションは、無数のコンテンツの中から、自分の価値観や世界...
コンテンツ(文学、情報、アート)は、長らくそれを流通させる媒体として、マスメディアを必要としてきた。 一本化された情報源によるコンテンツの大量消費の時代は終焉し、細分化したキュレーター達がマスメディアの代替えとなる。 キュレーションは、無数のコンテンツの中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を取捨選択、フィルタリングし、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有する事。 マスメディアの地位はブランドとして保たれていたが、現代のキュレーターは、Twitterアカウントや、Bloggerになっている。そしてそれらはブランドではなく、過去の実績で評価される。 本では触れられていなかったが、この仕組は、茶の湯における「目利き」と同じだ。 とても明快な文体で理解しやすく、また、アートの世界を、コンテンツホルダーとキュレーターに分類するのは、とても納得できる。(現代の才能は、多くの場合、ネット上のキュレーターにより発掘されている) おそららく本文の趣旨とは関係ないのだが、序章と第一章の二人のアーティストの話がとても感動的だ。 ジャンルやパターンを突破して、その先にある、より大きな流れ(音楽なら、それをジャズとかクラッシックではなく、「サウンド」と呼称する)と、鑑賞者を直結する。 音楽も、芸術も、そして写真も、ジャンルやカテゴリーになぜこだわるのかいつも分からなかった。それが文章として説明されている事に感動した。 素晴らしい考察だが、3章でフォースクエア等のライフログ系マーケティングの話が冗長で無駄と感じた。4章のキュレーションにつなげる前降りなんだろうけど、読者層として、そこを知らない層は当てはまらないと思うので、削ってもよかったと思う。 読書にも流れがあって、流れに乗っていると、タイミングのあった一冊にであるものだけど、この本はまさにそうだった。
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■どんな混沌にも必ず法則があり、その法則に基づいて情報は流れて行く。それを解き明かすのが本書の最終ゴールです。 ■「情報を求める人が存在する場所」を本書では「ビオトープ」と呼ぶ。 ■消費は「機能消費」「つながり消費」のどちらかになる(P.128)。 ■コンテンツのアンビエント化と...
■どんな混沌にも必ず法則があり、その法則に基づいて情報は流れて行く。それを解き明かすのが本書の最終ゴールです。 ■「情報を求める人が存在する場所」を本書では「ビオトープ」と呼ぶ。 ■消費は「機能消費」「つながり消費」のどちらかになる(P.128)。 ■コンテンツのアンビエント化とは、動画、音楽、書籍などがオープンに流動化し、いつでもどこでも手に入るかたちで漂う状態のこと。CDやダビングやらの箱や手間は消滅。消費を楽しくする知識•感覚も共有された空間が生まれる。コンテンツは流通形態だけでなく、在り方も180度変移。 ■ネット空間はマスメディア広告のように完璧にコントロールされる世界ではないし、無理にしようとすれば炎上したり批判されたりするのは当然。そこが今だにわからない人が多すぎる。 ■「認知」「興味」の場は、ライフログでもマスメディアでもなく、「Chech in」ではないか(P182)。◇「Check in」は「場所」「番組」「料理」「ブログのエントリ」「記事」など、情報を集めるためのブイをネットの海に差し込む行為→「●●に興味ある人が集る港に行く」感じ◇「人にChek in」とは「視座にCheck in」すること。「情報の真贋を見極めることは難しいが、信頼できる人はわかりやすく、その人の発言は信頼できる」ということ(P.206)。◇人にCheck inすることで自分ではでき得ない「ゆらぎ」が生まれるため、タコツボ化が防止できる。 ■「アウトサイダー⇔インサイダー」の境界、そしてその境界を設定するキュレーションの方向性は、情報の海そのものにも適用される概念◇「自己の世界の意味的な境界」をセマンティックボーダー(清水氏)と呼ぶ。コレで人は外のノイズの海から、自分のルールにのっとっている情報だけを取り込む。これを代行するのがキュレーター。「これは今までアウトサイダーだったけど、この意味を与えればインサイダーだよ」と。◇セマンティックボーダーは、硬直しない。内側の論理によってではなく、外部の誰かによって作られるべきである◇フィードバックとフィードフォワードをまとめたホロニックループとセマンティックボーダーの組み換えがこの世界を生き抜いていく条件 ■インターネットの役割は、「情報を流すこと」「人と人が繋がること」の2つ。検索は「情報に特化」した。SNSは「繋がりに特化」した。今、Facebook、twitterの肥大化により「つながり機能が情報流通と統合」しはじめている。 ■生活圏や文化圏が四分五裂(価値観の微細化)していく社会でその国における普遍主義は崩壊し、一方でインターネットによってアンビエント化し、開放的になっていく文化もある◇プラットフォームがグローバルに統合され、コンテンツやキュレーター、それに影響を受けるフォロワーなどが無数の小規模モジュールとなって存在する生態系の誕生。ここでは自分の文化圏域に深く入り込むコンテンツに共感する人たちと世界中でつながる世界◇同じ国に住んでいる、でも異なる文化圏域の人より、異なる国の同じ文化圏域に属する人の方が近い世界◇コンテンツ発信にコストがかからないため、ボトルネック握る先進国・メディア・プロだけが情報を支配する構図は成立しにくい。それどころか、プラットフォーム上ではローカル情報の重要性が逆に増す可能性◇ポスト・グローバルの例。ゲルマンのシンプルなデザインが世界中で自国の民族性を体現しているように見えたこと。「魂に響くものなら、どんな文化とも共鳴し合える。本当のグローバルは画一化されて巨大化することではなく、人間の根源的な部分で会い通じることが出来るようになること」◇グローバル・プラットフォームで情報が流れるということは、多様性がそこに内包され、自立・共存・発展するローカル文化の集合体を生み出していくことになる◇プラットフォーム3定義。圧倒的な市場支配力を持つ。非常に使いやすいインタフェイス。プレーヤーの自由度の高さ◇多様性を許容するプラットフォームが確立していけば、文化は多様性を保ったまま、他の文化と融合して新たな文化を生み出すことも出来る。その世界で新たなまだ見ぬ文化は、キュレーションによって常に再発見され続けていく
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2011/2/19 図書館にまだない。 2011/3/31 予約 7/28 借りて読み始める。 8/13 読み終わる。 出だしからひきつける挿話で、読み手をそらさない。 ★ あとがきを一部引用 従来のマスメディア経由の情報は、消滅へ。 未来のビジョンは、 巨大なソーシャルメデ...
2011/2/19 図書館にまだない。 2011/3/31 予約 7/28 借りて読み始める。 8/13 読み終わる。 出だしからひきつける挿話で、読み手をそらさない。 ★ あとがきを一部引用 従来のマスメディア経由の情報は、消滅へ。 未来のビジョンは、 巨大なソーシャルメディアプラットフォームの上に形成された無数の情報ビオトープ。 そこに接続し、視座を提供する無数のキュレーターたち。 キュレーターにチェックインし、情報を受け取るフォロワーたち。 その関係はつねに組み替えられ、新鮮な情報が外部からもたらされる。 ★ キーワードのいくつかを書き出すと・・・。 ・ アンビエント化 ・ キュレーター ・ 視座 ・ セマンティックボーダー ・ ビオトープ ・ ゆらぎ ・ シェア 〜 ネットを使ってデータやファイルをシェア、さらにものまで分かち合う。 ・ ソーシャル 〜 社会の。社会的な。 ソーシャル・ネットワーキング・サービス、ソーシャルメディア、ソーシャルエンジニアリングの略。 集合知を利用。 ・ チェックイン 〜 ホテルの記帳や空港での搭乗手続きなど。 ロケーション情報を利用したジオメディアにおいて、自分の現在位置を知人に知らせること。 チェックインはモバイル端末からアクセスした場合のみ可能。 サービス例 Facebook「スポット」、「mixi」「Foursquare」など ★ さて、キュレーターについての章に登場する『アウトサイダー・アート』についても、興味がでてきました。 ⇒ URLはこちら http://sea.ap.teacup.com/pasobo/1157.html 『アウトサイダー・アートって』 : 〜 Myブログ「パそぼとベルルのあれこれフリーク」 → URLはこちら http://ayanamirei.blog.so-net.ne.jp/2011-04-08-1 『ジョゼフ・ヨアキムという画家を知ってますか? [Artist]』 : 〜 レイの 「アート」ってなんだ? → URLはこちら http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B0%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%81 『エグベルト・ジスモンチ - Wikipedia』 : 内容と著者は 内容 : マスコミが亡び、情報の常識は決定的に変わった。 人と人の「つながり」を介して情報をやりとりする時代が来たのだ。 シェア、ソーシャル、チェックインなど新現象を読み解きながら、大変化の本質をえぐる、情報社会論。 著者 : 1961年生まれ。早稲田大学政経学部中退。 総務省情報通信タスクフォース委員。ITジャーナリスト。 著書に「電子書籍の衝撃」「2011年新聞・テレビ消滅」など。
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ソーシャルメディアの時代における情報の扱われ方、その中で重要性が増しているキュレーションとは?を解説している。 おそらく意図的に聞き慣れない言葉を多用しているために難しい話のように感じるが、主張はシンプルでわかりやすい。誰もが情報発信者となり、情報が氾濫する中でのキュレーション...
ソーシャルメディアの時代における情報の扱われ方、その中で重要性が増しているキュレーションとは?を解説している。 おそらく意図的に聞き慣れない言葉を多用しているために難しい話のように感じるが、主張はシンプルでわかりやすい。誰もが情報発信者となり、情報が氾濫する中でのキュレーションの重要性も説得力がある。取り上げられている例も興味深い話で引き込まれるが、後半は若干だれ気味か。
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単にソーシャルメディアだけの話ではなく、これからの消費行動や生き方まで広く考えさせてくれる 池上彰さんに怒られそうなほど本書内だけで使われる「カタカナ専門用語」が多くじっくり読まないと意味が分からなくなる。 ◆ビオトープ:情報を求める人が存在している場所 ◆視座:人の考えや世界...
単にソーシャルメディアだけの話ではなく、これからの消費行動や生き方まで広く考えさせてくれる 池上彰さんに怒られそうなほど本書内だけで使われる「カタカナ専門用語」が多くじっくり読まないと意味が分からなくなる。 ◆ビオトープ:情報を求める人が存在している場所 ◆視座:人の考えや世界観、価値観 ◆キュレーター:情報ノイズの海からあるコンテキストに沿って情報を拾い上げ、クチコミのようにしてソーシャルメディア上で流出させるような行い(本来は展示会企画する学芸員の意) ・現代では「私のライフスタイルをより豊かにしてくれるのか」「作り手の哲学が私にあっているのか」といったように「共感したものにお金を払う」傾向にシフトしつつある ・ダイヤモンドでもスポーツカーでも本人の「共感」に結びつかなければそれは無価値なものだ ・「機能消費」と「つながり消費」に2分化 ・ツイッターで情報発信し続ける神出鬼没なフードトラックが商売として成り立つ:屋台と客がつながる ・主客一体:一座建立(茶道の世界) ⇒ブログへのコメントやツイッターのつぶやきの連鎖は「主客一体」の関係が存在している ・「チェックイン」:フォースクエア⇒ユーザーがチェックインしますと宣言することで自主性がある ・もはや社会の人間と人間の関係が多層化し多方化し、複雑な山脈のように構造が変化してきている ⇒同心円的な関係ではなく多心円的な関係の中に生きている ・岡本太郎「心に迫ってきて観るものをぐいぐい圧倒する芸術は『いやったらしい』もの。不快感、いやらしさも一緒にやってくる」 ・グローバル化は「画一化され巨大化」することじゃなく人間の根源的な部分で相通じ合えること。 ⇒シンプルさ?iphone?プラットフォーム化できるもの
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現在起こっている現象をキュレーションという考え方を導入してうまく説明している。これまでのコンテンツ自体が画一的な意味を持っていた時代は終了し、コンテンツの組み合わせに対してコンテキストを付与し、他者に「視座」を提供できるキュレーターが主役になる時代だという。ただ、これは特に新しい...
現在起こっている現象をキュレーションという考え方を導入してうまく説明している。これまでのコンテンツ自体が画一的な意味を持っていた時代は終了し、コンテンツの組み合わせに対してコンテキストを付与し、他者に「視座」を提供できるキュレーターが主役になる時代だという。ただ、これは特に新しいことではなく、これまででも人は読書などを通して、作者の提供する視座を自ら追体験してきていたと思う。ただ、現在では、ネットの普及により、一般の人が視座を簡単に提供できるようになり、ネット上には多数の視座が存在するとともに情報を求める人が生息する一種のビオトープとして機能している。(簡単に言えば、例えば、mixiのコミュであったり、twitterのクラスタであったりするわけだが)。これらのビオトープの生息する利用者同士が緩くつながった関係性を持ち、さらに視座同士も互いに関係しあい、情報の流れはとどまらずにどんどん流れだしていく。自分自身、ある視座を通して得た情報をもとにこの本に興味を持ち購入した。かつての自分の興味の範囲だけで選んでいた頃のことを考えると、どう考えてもこの本に出会うことはなかっただろうと感じる。
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マスが終わりつつある代わりに始まりつつあるソーシャルについて。とりあげる例からしてハイソサエティの色が強くてどうにもむずがゆいが、『どうしてこうなった』の説明に承認と接続を持ってきたのはライトなノリの中川淳一郎の著作とかぶってて面白い。両者ともそれほど突っ込んではいないが…。マス...
マスが終わりつつある代わりに始まりつつあるソーシャルについて。とりあげる例からしてハイソサエティの色が強くてどうにもむずがゆいが、『どうしてこうなった』の説明に承認と接続を持ってきたのはライトなノリの中川淳一郎の著作とかぶってて面白い。両者ともそれほど突っ込んではいないが…。マスの未来についてほか、突込みどころがないわけではないが、現状を定義するためにもソーシャルを語る前には読んでおきたい一冊。
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キュレーションとはになにか?と考える機会が最近あり、興味深く読んだ。 書籍中に出てくる音楽業界・映像業界が衰退する過程を解き明かした部分に納得。これって出版も…
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マスメディアを経由して情報をコントロールする旧来の「広告」消滅する。なんとなく理解はできる。しかし、10年後は、どのような世界になっているのだろうか?
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