1,800円以上の注文で送料無料

死を騙る男 の商品レビュー

3.3

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/09/19

面白いミステリーに出会ったー。カナダ。主人公は61歳女性署長代行。仕事がストレスフル過ぎてアルコールにおぼれた経験あり。そのため夫から離婚される。脊椎ヘルニア持ち。同居する母親は87歳。  田舎なので殺人なんてほとんど無いはずが、末期患者を狙った、連続殺人事件が起こる。  主人公...

面白いミステリーに出会ったー。カナダ。主人公は61歳女性署長代行。仕事がストレスフル過ぎてアルコールにおぼれた経験あり。そのため夫から離婚される。脊椎ヘルニア持ち。同居する母親は87歳。  田舎なので殺人なんてほとんど無いはずが、末期患者を狙った、連続殺人事件が起こる。  主人公のヘイゼルと殺人犯は、どことなく似ている点が多い。人生が思うようにいかなくて、体に何か問題を抱えている点。それが、全体的に静かさを与えている。ラストのラスト、犯人が混乱し始めたのと対照的に、ヘイゼルが立ち向かおうとする様子がすごく印象にのこった。

Posted byブクログ

2011/09/19

現代のカナダの田舎町を舞台に、61歳の女性警部補と警察官の面々が、謎めいた連続猟奇殺人犯と対決するお話です。 結婚や子育ての失敗、元町長の実母と二人きりで暮らす現状、様々な点で己の人生に負い目や後悔を感じているヘイゼル警部補に感情移入できるかどうかが、このお話を読む際のポイントで...

現代のカナダの田舎町を舞台に、61歳の女性警部補と警察官の面々が、謎めいた連続猟奇殺人犯と対決するお話です。 結婚や子育ての失敗、元町長の実母と二人きりで暮らす現状、様々な点で己の人生に負い目や後悔を感じているヘイゼル警部補に感情移入できるかどうかが、このお話を読む際のポイントではないでしょうか? 病気等ですでに近い将来の死が約束された人々の元を訪れ、儀式めいた殺人を繰り返す犯人も、いかにもミステリらしい登場人物で、ある意味、魅力的ではありますが、やはり、メインはヘイゼル警部補です。 私は、彼女の人となりや人生に、いろいろ考えさせられました。 サイコ犯罪もののミステリとしてのお話もおもしろいですし、登場人物もみな、じっくり描かれていますので、読みごたえのある小説を求めている、ミステリファンの方にオススメです。

Posted byブクログ

2011/07/23

終盤にかけて事件に隠されていたものが見え始めてから、かなり面白かった。小さな街から始まり、カナダという広大な土地に広がった事件は小さいようで大きかった。ただ私のエンジンがかかるのが少しばかり遅かった。一気に読んでしまえば良かったと、そこだけが心残り。

Posted byブクログ

2011/07/07

純文学の香りのする警察ミステリ。連続殺人が起きて田舎の女性警察署長が右往左往するという設定は、『ファーゴ』を連想させる。 派手さや新鮮味はなく、堅実にじっくりとストーリーは進んでいく。キャラがしっかり描けており、サイドストーリーにもページを割いてある。最初はそれがムダに思えたの...

純文学の香りのする警察ミステリ。連続殺人が起きて田舎の女性警察署長が右往左往するという設定は、『ファーゴ』を連想させる。 派手さや新鮮味はなく、堅実にじっくりとストーリーは進んでいく。キャラがしっかり描けており、サイドストーリーにもページを割いてある。最初はそれがムダに思えたのだが、読み終えてみると必要だったことに納得。 破綻しているヒロインもなかなかいい味を出しているが、それ以上に印象が強かったのが犯人だろう。いや、この犯人の起こす犯行と言うべきかな。被害者との関係、犯行後の細工、動機など、今までにはないスタイルに何度も唸りながら読んでいた。この犯行の落とす影が作品全体を異様な雰囲気に包んでいる。苦悩と苦悶のオンパレードだが、ミステリを期待するスタンスで読めば、それほど重くもしんどくもないのでご安心を。 おそらくシリーズ化されるのだろう。嫌いではないチームなのでリピートしてみたいが、もう少しボリュームを軽くしてもらえると有難い。

Posted byブクログ

2011/07/10

出版元の作品紹介では、警察小説のくくりなのだけれど、奏重的な小説で、働く女性ならではの孤独と苦しみ、末期医療の問題、不幸な子供時代がもたらす悲劇などテーマは盛りだくさん。 一番読み応えがあるのは、主人公ヘイゼルの苦悩だろう。 女性が仕事をし、上に立つというのは珍しいことではない...

出版元の作品紹介では、警察小説のくくりなのだけれど、奏重的な小説で、働く女性ならではの孤独と苦しみ、末期医療の問題、不幸な子供時代がもたらす悲劇などテーマは盛りだくさん。 一番読み応えがあるのは、主人公ヘイゼルの苦悩だろう。 女性が仕事をし、上に立つというのは珍しいことではないが、やはり大変なことだ。ストレスも溜まるし、それで家庭がうまくいかないという悪循環もよくあるパターンで、ヘイゼルもまた署長代理就任のストレスから酒に走り、それが元で離婚をしている。 上司は、どうせ統廃合するまでの暫定的処置にすぎないから、といってヘイゼルを軽視している。公私にわかって苦しい状態。そこにきての殺人事件なのだ。しかも被害者はヘイゼルの母親とは因縁あさからぬ相手。 いや、しかしこれを殺人と定義できるものなのか。 被害者たちに犯人が行ったことは、被害者が同意し望んだことだ。だがその死体の惨状に家族はショックを受け悲しみに打ちひしがれる。 本書に隠されているもう一つのテーマは末期医療の問題、とりわけ死に直面したとき、どう運命を「受け入れるか」ということだ。被害者は皆末期の癌患者で、死ぬ直前までその苦しみは続く。 先日急逝したスーちゃんこと田中好子さんは、「幸せな幸せな人生でした」と締めくくった。必ずしも言葉通りでないこともあったろう。だが最後にこの言葉がいえるのはやはり幸福だ。

Posted byブクログ

2011/07/17

小さな町で起こった末期癌の老女の殺害事件。捜査を進めるに従い、事件はカナダ全土へ波及する連続殺人になっていく。 まず主人公が61歳の女性警察署長代理というのに違和感。って言うか、なんかしっくりこない。 主人公のヘイゼルは背中の痛みに苦しんだり、元町長でいまも閣下と呼ばれる母親に...

小さな町で起こった末期癌の老女の殺害事件。捜査を進めるに従い、事件はカナダ全土へ波及する連続殺人になっていく。 まず主人公が61歳の女性警察署長代理というのに違和感。って言うか、なんかしっくりこない。 主人公のヘイゼルは背中の痛みに苦しんだり、元町長でいまも閣下と呼ばれる母親に健康食を押し付けられたりとエピソードは満載なのだけど、どうもその年齢である必然性が感じられない。 舞台であるカナダでは、このくらいの年齢に対するお約束な事柄があったりするのかなー? ストーリーは骨太で読み応えもあるのだけれど、どうもキリスト教の思考に馴染めなくて、この話の本質までは楽しめなかった。 あとは主人公の場当たりさが気になって、苦労する部下に同情してしまった。 いいキャラもいたし、警察モノとして捜査が進むさまもよかっただけにこういうのって悔しいなぁ。

Posted byブクログ