ユートピアの崩壊 ナウル共和国 の商品レビュー
信頼のおける友人から こんな一冊があるよ! と教えてもらった一冊 たしか その時の雑談は 「貧困」ということがキーワードに なっていました 「そうそう、そういえば こんな話が 実際に、しかも今の時代に この世界であったそうだよ」 と概略を教えてもらい で すぐに手に入れて ...
信頼のおける友人から こんな一冊があるよ! と教えてもらった一冊 たしか その時の雑談は 「貧困」ということがキーワードに なっていました 「そうそう、そういえば こんな話が 実際に、しかも今の時代に この世界であったそうだよ」 と概略を教えてもらい で すぐに手に入れて 読み始めました いゃあ こんなことが… の連続に唖然とするとともに 読み進めるほどに とても「他人事」とは思えず いまの この国(日本)のあれこれのことを 重ねながら 読んでいました エピローグのあとの おまけに 訳者の林さんが、著者のリュック・フォリエさんへの インタビューがあるのだけれど その中で 林さんが「今の日本でも…」 という問いに対して フォリエさんは 「いや それはまず考えられない…」 とおっしゃっていますが いやいや 速く 広く 大きく 便利なこと ばかりが 目に余るように感じる のは 私の杞憂でしょうか…
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1968年に独立し、リン鉱石によって一人当たりGDP世界一の国が、国・個人とも放漫財政の末にリン鉱石を掘り尽くし、21世紀初めには世界最貧国に!豊かな時代は想像を絶するような不労所得の億万長者が頻出し、暇を持て余す贅沢三昧の消費者だった衝撃的実話。農業も全く廃れた。あたかも宝籤に...
1968年に独立し、リン鉱石によって一人当たりGDP世界一の国が、国・個人とも放漫財政の末にリン鉱石を掘り尽くし、21世紀初めには世界最貧国に!豊かな時代は想像を絶するような不労所得の億万長者が頻出し、暇を持て余す贅沢三昧の消費者だった衝撃的実話。農業も全く廃れた。あたかも宝籤にあたって放蕩三昧した後の姿に似ている。そして今は過去の飽食による糖尿病で死ぬ人が多い。貧しさが逆に食生活の改善、釣りなどの身体の運動になり、救いになっているという強烈な皮肉!2次採掘が始まりつつあることに希望が持てたことが救いか?リン採掘後の荒れた地面が働くことを放棄した人たちの現在を象徴している。中東の産油国ドバイなどには他山の石になるし、日本も教訓にするべき点がある?日本の資源は国民の勤勉さだったが・・・。「日本、荒廃した島-資本主義文明がいかにして裕福な国を破綻させたか」の可能性は冗談ではない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大分前にこの本の存在を知り、古本屋で見つけて即購入。 南の島でリン鉱石バブルで一時世界で一番金持ち?になった島の物語。バブル中に稼ぐ手段を作れなかった島は没落するが、難民受入ビジネスでちょっと誤魔化し、それでもやっぱり没落したお話。大きな祭りだったんだろうな。
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“アホウドリの糞でできた国”とよばれたナウル共和国。昔から渡り鳥のすみかで、その鳥たちの糞が土壌と混ざり合ってできる“リン鉱石”は肥料の原料となり、この国をみるみる豊かにしていった。リン鉱石の採掘によって国民の生活ががらりと変わっていく様子はまるで作り話のよう。しかしそんな状況が...
“アホウドリの糞でできた国”とよばれたナウル共和国。昔から渡り鳥のすみかで、その鳥たちの糞が土壌と混ざり合ってできる“リン鉱石”は肥料の原料となり、この国をみるみる豊かにしていった。リン鉱石の採掘によって国民の生活ががらりと変わっていく様子はまるで作り話のよう。しかしそんな状況がいつまでも続くわけがなく・・・。
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オセアニアに浮かぶナウル共和国の繁栄と没落の歴史。 リン鉱石で巨額のマネーが流れ込み、多くの国民がリッチになった。しかし、マネーが国民を堕落させ、政治家による無計画な投資と文化の喪失、リン鉱石の枯渇、糖尿病など成人病の蔓延を生んだ。この崩壊の歴史はオイルマネーで盛り上がる中東諸国...
オセアニアに浮かぶナウル共和国の繁栄と没落の歴史。 リン鉱石で巨額のマネーが流れ込み、多くの国民がリッチになった。しかし、マネーが国民を堕落させ、政治家による無計画な投資と文化の喪失、リン鉱石の枯渇、糖尿病など成人病の蔓延を生んだ。この崩壊の歴史はオイルマネーで盛り上がる中東諸国でも肥満と糖尿病が増えている。同じようにならないとよいが。
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オーストラリア北東の島国ナウルが世界的金持ち国から、わずか数十年で経済的に困窮する国に成り下がったしまったという嘘のような本当の話。 「資源国の罠」というがまさしくナウルがそれにあたる。 そして窮したナウルが取った道とは、また最後に一発勝負した先とは。 まさしく絶句である結末。訳...
オーストラリア北東の島国ナウルが世界的金持ち国から、わずか数十年で経済的に困窮する国に成り下がったしまったという嘘のような本当の話。 「資源国の罠」というがまさしくナウルがそれにあたる。 そして窮したナウルが取った道とは、また最後に一発勝負した先とは。 まさしく絶句である結末。訳テンポもよくうん、うーーーむと考えながら読めた。
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白井市より小さい(人口は1/6),世界最小の共和国。20世紀,燐鉱石(グアノ)に依存してきた経済は,資源枯渇であえなく破綻した。グローバル化が一国の経済と文化を破壊した,その顚末。一級品の題材を読みやすくまとめている良い本。 独立後,70年代を中心とする黄金時代。燐鉱石のもた...
白井市より小さい(人口は1/6),世界最小の共和国。20世紀,燐鉱石(グアノ)に依存してきた経済は,資源枯渇であえなく破綻した。グローバル化が一国の経済と文化を破壊した,その顚末。一級品の題材を読みやすくまとめている良い本。 独立後,70年代を中心とする黄金時代。燐鉱石のもたらす収入で,夢の社会福祉制度ベーシックインカムが成り立っていた。分不相応な不労所得は,国民を怠惰にし,無茶な浪費と糖尿病を蔓延させた。鉱山や飲食店で働くのは,中国人。島に一本しかない道路を,ナウル人の高級車が駆け抜ける。 金持ち国家には,「お友達」が近づいてくる。資源枯渇を見据えて海外に投資もした。しかし凋落にはなすすべもなかった。90年代には国家の収入は激減し,銀行は破綻。国民の貯金は失われた。 経済が破綻したナウルは,不正行為に手を染める。パスポートを事実上無審査で発行し,タックスヘイブンへの転身で資金洗浄に手を貸した。国際的な批判が高まると,難民受け入れで収入を確保。捕鯨,国家承認など,国連での発言権を利用して,大国から援助を引き出すことも忘れない。…しかし,この転落ぶりには戦慄した。最近では再採掘という少し明るい話題も出ているようなのが救いではあるけれど。 「終わりは来る」と思っていても,人間ってこうなのか,と思う。ナウルは消滅こそしていないが,ダイヤモンド『文明崩壊』にはそういう事例が多くあった。そういう人間の弱さ・愚かさを,人類全体にあてはめて考えると,やはり絶滅という未来しかないのだろうな。それが近い未来にならないように,歴史に学ばなくては。
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「現代において物々交換が復活するのは、社会がどん底に陥ったときである」 それがナウルの現状だ。 リン鉱石という資源ひとつで世界一裕福な国になったナウル共和国。 そのナウルが政治の失敗や人間の弱い部分などより最貧国に転落した。 そんな絶望の物語である反面、最後にはかすかな変化...
「現代において物々交換が復活するのは、社会がどん底に陥ったときである」 それがナウルの現状だ。 リン鉱石という資源ひとつで世界一裕福な国になったナウル共和国。 そのナウルが政治の失敗や人間の弱い部分などより最貧国に転落した。 そんな絶望の物語である反面、最後にはかすかな変化が見えた。 政治の失敗だとかテクニカルな部分も重要な話だが、 絶望の中にもかすかな光は見えてくるもんなんだなっていうことを感じて最後は少しスッキリできた。
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ナウル共和国の盛衰をルポ風にまとめてあります。 ドキュメンタリー作品のついで、みたいな感じで作られたようなので、 写真等視覚に訴える部分は良かったと思いますが、 もう少し深い考察が欲しかったかな。
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世界で三番目に小さい人口一万たらずの国。リン鉱石の採掘で莫大な富を得た後に資源の枯渇や需要供給のバランスが崩れて、借金大国に。 小さくても独立国であるから、国連の一票を持つ国に対して大国の思惑が絡まってくる。いろいろなことを考えさせられる。
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