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「患者様」が医療を壊す の商品レビュー

3.8

24件のお客様レビュー

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2011/12/21

 スマートな大人の対応、「お医者さんごっこ」をしましょう、という提案。  着眼点が興味深く、成程と思わされるところが多々あった。  書いてある内容は様々で、題名から離れているようで離れておらず、周囲を廻っている感じがした。良い意味で。

Posted byブクログ

2011/10/28

「患者中心の医療」は根本的に間違っている,「医者は偉い」というフィクションを信じることで,患者も医師ももっと幸せになれる!という一風変わった視点の本。  著者は感染症が専門の医師。『予防接種は「効く」のか?』で,ワクチンの一面だけをみて嫌悪する人たちの思考を論じていたのを読んで,...

「患者中心の医療」は根本的に間違っている,「医者は偉い」というフィクションを信じることで,患者も医師ももっと幸せになれる!という一風変わった視点の本。  著者は感染症が専門の医師。『予防接種は「効く」のか?』で,ワクチンの一面だけをみて嫌悪する人たちの思考を論じていたのを読んで,なかなかいいこと言うなと思いこれも手にとってみた。読み進むにつれ何か内田樹の雰囲気を感じたが,案の定あとがきに大ファンであることの告白があった。  内田樹って何か常識的な考えに対して,肩透かしをしてピントをずらすような言説が多いが,この本もそんな感じがして結構違和感もあった。まあ言いたいことは分かる。モンスターペイシェントとか猜疑心の塊のような患者が増えてて,そういう人たちは医師をほとんど敵と考えてる。  そういう人たちは不幸にも「患者の権利」というものをはき違えているんだろうな。極端。でそれに対して著者は,患者は全面的に医師を信頼した方がお得ですよ,と説く。粘着的に医師のあらさがしをしたり,自分の病状を悪い方悪い方に考えるのは,体に差し障りがあるのは確かにそうだろう。  著者が言う信頼は,信頼ごっこ。本気で医者が聖人君子だと信じるのも,悪逆非道だと弾劾するのも,どちらも小児的。大人なんだから,医者は偉い,というフィクションをお互い信じてるふりをして,それに身を任せるのが最善ですよね,という話。  そのフィクションをフィクションとして捉えられないために,様々な不幸が出てくる。医療過誤など,結果ありきでそこから「原因究明」とあらを探されれば,医者は圧倒的に不利。「正しい治療」などないしできないのに,そういう追求をされてはたまらない。  もう皆さん本当はわかってるんだから,もっと大人になりましょうよと著者は呼びかける。大筋はまあまあ納得なのだが,物言いがなんだかふんわりしていて,モンスターペイシェントが読んだら大激怒しそうな感じ。アマゾンのレビューは結構好意的ですな。

Posted byブクログ

2011/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

特に第1章が面白かったです。 医療の話というよりは、他者との関わり方について多くのことを 教えてもらいました。 結局は医療行為も医者と患者の関係性の中でしか実施されない訳ですから より良い関係性をつくっていく事は治療上不可欠な訳です。 医者と患者が対等でないという著者の意見にとても賛成です。 たまに病院に行く時があります。 病院に行ってどの科を受診するか分からない時などは 正直教えてほしいです。何故なら相手はプロだからです。 ですから、受付で「どの科を受診ですか」と聞かれると 時々戸惑います。逆に教えてと言いたくなります。 患者さんの意思を尊重するのは良いと思いますが、 病院は病気に対応する専門家の集団ですから、 病気に対する情報の量・質は患者と非対称で然るべきです。 お医者さんに対して卑屈になる必要はないですが、 プロなんですから「お任せします」で、ある程度済む話ではないでしょうか。 そもそも「医者と患者が対等」とはどのような状態かイメージしにくいです。 同じ人間というの当り前で、医者ー患者の枠組みで考える必要もありません。 よく見かける「患者様の権利」なのでしょうか。 それは患者については述べられていますが、医者ー患者の関係性を謳っているとは思えません。 ちょっとした気遣い、配慮なのかと思います。 少なくとも自分自身が医者でない以上、病気の事は医者が圧倒的によく知っています。 しかも、その知識と経験を持ち寄って、自分の病気を診てくれる訳です。 謙虚な気持ちで「よろしくお願いします」ではダメですか? これを著者は「お医者さんごっこ」という表現で伝えていると思います。 「お医者さんは偉い」という幻想と著書は言いますが、 相手に対して敬意を払うという、コミュニケーションを円滑に進めるべく 必要不可欠な自分自身の立ち位置だと思うのです。

Posted byブクログ

2011/09/24

岩田先生の提唱する「お医者さんごっこ」という考え方を知るために多くの人に読んで欲しいと思った。お互いに良い関係が築け、医者においても最大のパフォーマンスが発揮できると思う。もちろん賛否両論ありそうだが。 第三章の「人はしばしば、善悪・正邪の問題と好悪の問題を取り違える。」この話題...

岩田先生の提唱する「お医者さんごっこ」という考え方を知るために多くの人に読んで欲しいと思った。お互いに良い関係が築け、医者においても最大のパフォーマンスが発揮できると思う。もちろん賛否両論ありそうだが。 第三章の「人はしばしば、善悪・正邪の問題と好悪の問題を取り違える。」この話題が印象に残った。 医療だけに限らず、日常的なコミュニケーションにおけるヒントがたくさんあると感じた。

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2011/09/15

米国的な「患者中心の医療」の問題点、「全人的医療」という言葉の矛盾、などなど、私自身、もやもやと感じていた違和感がそういうことか!と解決できた。

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2011/07/03

研修医の時に岩田先生の感染症の本にお世話になりました。これは医療系の雑誌で載ってたのを見て興味が湧いたので購入。わたしの勤める病院でも患者に「様」呼称を用いており常々違和感を覚えていたのタイトルに共感を覚えた。内容はわたしが想像していた接遇的なものではなく、「お医者さんごっこ」と...

研修医の時に岩田先生の感染症の本にお世話になりました。これは医療系の雑誌で載ってたのを見て興味が湧いたので購入。わたしの勤める病院でも患者に「様」呼称を用いており常々違和感を覚えていたのタイトルに共感を覚えた。内容はわたしが想像していた接遇的なものではなく、「お医者さんごっこ」というファンタジーを患者と医者が能動的に演じ、楽しむことで治療というパフォーマンスがあがる、ということを中心に書かれたものでした。煙草の話やEBMなど同様のことを感じていたので、そうそうと思いながら読みました。岩田先生は頭がブーンブーンと速い回転数で回っていますね。

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2011/06/18

医療における対立構造を読み解いているが,哲学本の様相を呈する.この著者にしては(失礼!),努めて冷静に俯瞰的に書かれている.

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2011/05/30

「患者様」が医療を壊すっていうタイトルだから、もっと、患者と医者の丁々発止の関係みたいなのを書いてあるのかと思ったら、全然違った。 この本は、 人と人との快適な距離感の極意 について書いた本だと思う。 いい意味で期待を裏切る、とても楽しい一冊。

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2011/06/19

ディアレクティック。 対立をもう一段上部の視点から止揚させること。 好き嫌いの問題と構造の問題を取り違えないこと。 【追記】 知人がこの本のことを『パターナリズム』だと(ーー;)。 違うでしょ。 11/06/19

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2011/03/02

医者ものドラマ House 「どうしてこの患者は欲しているのだろう」と一歩進めて考えてみる。「なにかご心配になる理由でもあるのですか」と誘い水をだしてみる 医者なんて信じられないという世界観の患者はたいてい不幸 開業医と勤務医の差はその能力の差にあるわけではなく、知の体系の守備範...

医者ものドラマ House 「どうしてこの患者は欲しているのだろう」と一歩進めて考えてみる。「なにかご心配になる理由でもあるのですか」と誘い水をだしてみる 医者なんて信じられないという世界観の患者はたいてい不幸 開業医と勤務医の差はその能力の差にあるわけではなく、知の体系の守備範囲が違うだけ そう簡単に答えがでないような命題には、そう簡単に答えをださない ベイトソンのダブルバインド メディアの常套手段 どっちに転んでも文句をいう 談志 「愛の為に死ねる、というのは自己愛に過ぎない。それでてめいが楽になるだけじゃないか」 負けるが勝ちの言葉通り、表面的な部分で言い負かしたって世の中そんなよいことはありません。一歩引く「大人の態度」が大切です。

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