不可能、不確定、不完全 の商品レビュー
おすすめ資料 第122回 「できない」数学(2011.4.1) みなさんは「数学」にどういうイメージをお持ちですか? 数学からはもっとも縁遠いと思ってしまいそうな本書のタイトルですが、数学者が取り組んでいる問題には解がないこともあります。 そして、解決不可能だとわかることは...
おすすめ資料 第122回 「できない」数学(2011.4.1) みなさんは「数学」にどういうイメージをお持ちですか? 数学からはもっとも縁遠いと思ってしまいそうな本書のタイトルですが、数学者が取り組んでいる問題には解がないこともあります。 そして、解決不可能だとわかることは、それまでの努力が無駄になるのではなく、別の新しい発見につながっているのだそうです。 自然科学だけでなく社会科学の分野でも、数学によって「できない」が証明されたおかげで、様々な成果が生まれました。 できないことが明らかになって、どのような発見が生まれたのか、そして、それでもなお解決できない限界とは。 著者の知見は数学だけにとどまらず幅広い分野に及んでおり、本書では「できない」定理をはじめ、数学の様々な定理がユーモアをまじえた実例によって分かりやすく紹介されています。 文中では数式がいくつか登場しますが、数学に苦手意識をもっている筆者でも興味深く読むことができたのでご安心を。 もちろん理解できればより楽しめるので、苦手意識のない方はぜひじっくり読んでください。 苦手な方もそうでない方も、数学に対して親しみを持つことができる1冊です。
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タイトルに惹かれて読んだら少しがっかりする。アローの不可能性定理,ハイゼンベルクの不確定性原理,ゲーデルの不完全性定理についてざっくり知るなら,高橋昌一郎『理性の限界』の方が断然お勧め。 本書の内容は数学の雑多な話題がもっと多岐にわたってて,邦題はちょっと誤解を招く。
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不確定原理:物体の速度と位置の二つを同時に、正確に知ることはできない 不完全性定理:論理的に矛盾のない体系には必ず、その体系によっては証明不可能な命題が含まれている 不可能性定理:個々人の選好傾向を集計することで社会的に好ましい選好を導くルールを作るのは不可能である 上記の三大...
不確定原理:物体の速度と位置の二つを同時に、正確に知ることはできない 不完全性定理:論理的に矛盾のない体系には必ず、その体系によっては証明不可能な命題が含まれている 不可能性定理:個々人の選好傾向を集計することで社会的に好ましい選好を導くルールを作るのは不可能である 上記の三大証明を中心にエピソードを交えつつ紹介されている。 アメリカの大統領選挙や議会選挙を例とし、選挙のルールによって結果が変わることを示し、必ずしも社会的に好ましい選好がされるわけではないことを示している部分が興味深かった。
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これはいずれ再読すべきかも。 アロウの不可能性定理を初めて知った。無限については苦手意識が出てしまう。作業のアルゴリズムの話は印象深いので、もう少し他で触れてみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ゲーデルの不完全性定理、量子力学の不確定性原理、アローの不可能性定理をテーマに、「できない」ことに関する数学・物理のトピックを紹介する本。 なのは間違いないが、それらそのものの解説はそんなにない。周辺分野の話もかなり多い。 むしろ終盤にさしかかるまで、あんまりタイトルと関係ないなーとすら思っていた。まとめを見てようやく合点がいった感じ。 まだまだ全部理解できたとは言えないので、もう一度くらい読み返すと面白いかも。
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「愛」という言葉は定義できないが「群」という定義は共通、というように、もっとも普遍性のある言語、数学によって語られる不確定性、不完全性、不可能性、3つの限界。しかし、その「できないこと 」がさらに人間の知性を次に導くことを示すアタマがムズムズする本です。
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ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理、アローの不可能性定理、その他数学と物理学に関わる様々な人や出来事について書いた本。最初の二つは有名ですが、最後の一つはあまり馴染みがない気がしますが、アメリカとの選挙に対する興味の度合いの違いかもしれません。
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非常に読みやすく、そして難しい。分かったようで、理解していない。だが、とても面白かった。それぞれのエピソードが豊富にあって、大数学者に親しみを持てたのも良かった。
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