心にグッとくる日本の古典 の商品レビュー
「歴史読みにしてはバランスの取れた授業をなさるんだなぁ」というの率直な感想だった。 この本の著者は、あの筑波大附属高校で約40年ほど教壇に立った国語の先生であり、もう1人の著者がその教え子なのだそうだ。変にやっかむ国語教員なら、「筑波の付属だからできるんでしょう?」などというか...
「歴史読みにしてはバランスの取れた授業をなさるんだなぁ」というの率直な感想だった。 この本の著者は、あの筑波大附属高校で約40年ほど教壇に立った国語の先生であり、もう1人の著者がその教え子なのだそうだ。変にやっかむ国語教員なら、「筑波の付属だからできるんでしょう?」などというかもしれないが、2人の問答形式で進められるこの本を読んでいると、どの作品も教科書に載っている教材だし、この授業ならどこの学校でも古文を面白く感じさせることは可能だろうと思った。なかでも、結局は文法説明と現代語訳しかしていない授業に疑問を感じている教員なら、著者の授業を真似てみるだけでも生徒の反応は違うはずだ。(もしくは、そんな授業を受けて古文がつまらないと感じてきた人が、この本を読んで古文の面白さを感じ取ることは可能だろう。) 当時の人々の感じ方や生活の状況を知らなければ、登場人物の心情を推察することはできないので、有職故実や民俗学の助けを借りたり、歴史研究に目を向けることで古典の面白さを更に深めて教えることは効果的である。 ただし、冒頭で述べたとおり、バランスを考えないで歴史研究を取り入れると、古記録のコピーがプリントとして配布され、本文軽視、表現無視の授業になってしまいがちである。(これは小説などでも同様だ。)このバランスを考えない同様の本や授業は少なからず存在するのだが、史実を超越した展開が古文の世界ではあり得ることを忘れてはならない。 中高生から大人まで、誰が読んでも面白く読めるのではないかと思う。その一方、事前に現代語訳の添削指導が為されているとはいえ、あれだけ「推察読み」を見事になさるなら、接続助詞の取り上げ方など、もっと効果的にやってもよいのかなぁとも思った。 いずれにせよ、古文の面白さを十分に感じさせる本であることには違いないし、読みやすくもあるので、是非とも手にとって読んでほしい1冊である。
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古典の素晴らしさ、面白さを詳しくかつ噛み砕いて説明してある一冊でした。どれも、説明がとてもタメになってへぇ〜!!と言ってしまうようなものばかり。私のような古典嫌いさんにオススメ!!
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古典は「そこに書かれていないこと」に目を向けて、当時の人々のおかれた状況を考えてこそ、その面白さが増してくるーー。ベテラン古文教師の授業を紙上で再現! この本の筆者は国立の名門校・筑波大附属高校で約40年ほど教壇にたち、辞書の編集・執筆や大学での古典教育法講義にも関わってきてい...
古典は「そこに書かれていないこと」に目を向けて、当時の人々のおかれた状況を考えてこそ、その面白さが増してくるーー。ベテラン古文教師の授業を紙上で再現! この本の筆者は国立の名門校・筑波大附属高校で約40年ほど教壇にたち、辞書の編集・執筆や大学での古典教育法講義にも関わってきている、古典教育一筋のプロ。その薫陶を受けた卒業生の科学史家・竹内薫が彼のもとを尋ねて、問答を通じてその授業を再現したのが本書である。 なるほどたしかに面白い!男女のやりとりに女性の感情の機微を読み込んで行く一番最初の伊勢物語「梓弓」、普通なら読み飛ばしてしまいそうな細心の注意を向ける平家物語「忠度最後」、政治小説として読んでいく源氏物語「桐壺」。いずれも、短章の中に感情をこう読み込むのかと感心して読んだ。全編にわたって、「古典はとにかく助動詞と単語を覚えて逐語訳」という授業では決して味わえない古典を読む体験が満載。現代の短編小説の行間を読むような面白さ。文章も二人のやりとり(会話)で進んで行くので、非常に読み易い。 いちおうこちらも同業者(国語教師)なので、その観点から勉強になった点も付記しておこう。 (1)教科書や指導書の注釈は信じない。「注釈を批評する」視点が大事。(まあこれはそうだけど、古典のほうが現代文よりも騙されやすいのかもしれない) (2)古典を読む際には、歴史研究の成果を生かすことが大事。最新の歴史研究にも常にキャッチアップしておくこと。 (3)しかし同時に、古典はフィクションである。そこに書かれていることを「言葉で創られた虚構の世界」として捉えることも大事。 この本では(2)重視(歴史研究の成果を生かす)で書かれていたが、ちょっと疑問に思うこともないではなくて、個人的には(2)と(3)のバランスをとることが古典を読む/教える時の大事なポイントかなと思った。 色々と勉強になるので、もちろん国語教師の人は必読。そして、「えー、古典....」的な過去の体験を持つ古典嫌いの方にも、再入門としておすすめできる一冊だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
時代背景が分からないと、古典は読めない。。。 『源氏物語』の帝はちょーやなやつだー。女の嫉妬もオッソロしい。 『伊勢物語』、浮気多いな、しかし結局は妻は夫に還る・・・とな。 『平家物語』、武士のプライドとはすごいのぅ。おそろしい。 『万葉集』、防人詩、悲しすぎる。 便利な生活をしまくっている現代人にはなかなか理解できないことが多い。
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どの古典の文章も、かみ砕いていくと、こんなにも深いものなのかと改めて感じました。 これは是非、古典を勉強してる高校生諸君にはオススメです。
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このくらいわかりやすく、深く掘り下げて読める本は他にはないのでは? 続編を望みます。 平家物語が一番グッときました。
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おおおおおもしれぇ!! 対談形式なので読みやすいし、「この言い回しなんぞ??」ってところも「ここはですね…」って先生が優しく教えてくれるイメージww 今までなんとなくツラっと読み過ごして分かった気になってたけど、確かに現代と過去じゃ物の考え方も時間の体感出来る経過、美しさの概念...
おおおおおもしれぇ!! 対談形式なので読みやすいし、「この言い回しなんぞ??」ってところも「ここはですね…」って先生が優しく教えてくれるイメージww 今までなんとなくツラっと読み過ごして分かった気になってたけど、確かに現代と過去じゃ物の考え方も時間の体感出来る経過、美しさの概念なんかも少しづつ違う…それを説明されて初めて「なんか…分かったかも!」ってなる!! 古典っておもしろいじゃん!!!!!
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