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英語と日本語のあいだ の商品レビュー

4.1

21件のお客様レビュー

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2023/06/08

例えば企業が英語を公用語にしたり、あるいは(本書が指摘するように)学校が英語での授業を行ったりするようになる。すると単純な話、日本語で英語を理解する力を養う段階を踏まない/踏めないことにつながる。その風潮に本書は異を唱えている。実に細かい議論から見えてくるのは、日本語で抽象的な思...

例えば企業が英語を公用語にしたり、あるいは(本書が指摘するように)学校が英語での授業を行ったりするようになる。すると単純な話、日本語で英語を理解する力を養う段階を踏まない/踏めないことにつながる。その風潮に本書は異を唱えている。実に細かい議論から見えてくるのは、日本語で抽象的な思考を行うことの大事さや日本語力をベースとして鍛えること、そしてそこから正確な文法知識を得ること。もちろん英語の読解力やリスニングやスピーキングを鍛えることも大事だが、そうした「ベース」あってこそという指摘は今なおアクチュアルに響く

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2022/11/24

英検の二次でやらかした直後に読んだら、なかなかグサグサくる内容でした…。日本人としてどう英語と向き合うべきか?ヒントをいただいた気がします。まずは「インプット」を改めて徹底しようと思いました。

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2018/11/13

英語の教育に当たる著者による、平成25年度から実施される高校の英語による英語授業の批判書。英語の基礎教育を重視すべきとの見地から、読むことの大切さを強調している。日本語と英語の違いや、訳読と翻訳の違いの記述は面白かった。

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2015/10/27

英語教育の目的を恣意的に定義したり、「そもそも……」と英語教育に所与のものとして本来の姿があるかのようにしたりと、議論の横暴さが目立つ。

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2013/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英語学習について、筆者の体験を元にまともに分析している。 統計的なデータ、研究をしこたま引用して主張を強めるというより、筆者がたさ「体感」していることを丁寧にまとめているという印象。 特に、母語として英語を学ぶ場合と外国語として学ぶ場合を明確に区別し、さらに、学習者のおかれている環境にも着目している。そして、それぞれの場合で、英語の学習方法は違うことを明確にする。英語を話さずとも生きていける(学校の外に英語を話す場がない)日本で生まれ育った日本人にとって、最適な学習方法は何か、という問に体し、文法的基礎を身につけることが先決だ、という結論を導いている。 よく聞く英語学習法とは、この点で大きくことなっている。一般的には、(特に近年は)、ネイティブが習得するように、英語を聞き、話す、という過程を経て英語は学習すべきだ、と言われる。私自身もそう思っていた。 しかし、筆者の指摘するように、ネイティブが英語を習得するのと、日本人の我々が英語を習得するのでは、プロセスは違って当然なのである。ましてや、学校の英語の授業の他に、英語を話す機会、英語を話す人と触れ合う機会のほとんどない日本の環境では、ネイティブが習得するプロセスは作れない。そうであるならば、筆者の言うとおり、高校の授業までは、文法的な基礎をとりあえず身につけることに焦点を置くことは、なんらおかしなことではないと思われる。(筆者も認めているように、英語を話したり聞いたりする時間は重要であるが、文法をないがしろにすべきでない。) 私の体験で言うと、大学時代の一年間の留学期間で、英語力はすこぶる向上した。それで、それ以降、やはり、英語は聞いて話さなければ、成長しないと考えてきた。しかし、よくよく考えてみると、私の場合、大学受験の段階で、英文法をほぼマスターしていたことが、英語力向上の基礎となっていたのは間違いない。同じ期間留学していた仲間と比べると、この英文法の理解に差で、伸び率はだいぶ違っていたように思う。 文法の力を再度見直しても良いのではないか、そう思わせてくれた本であった。

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2012/08/22

日本語話者が英語を学ぶにあたって、文法と訳読のプロセスを重視し、両言語観の違いを正しく捕らえて進むことこそ大切と述べます。簡単な(=応用の利かない)口頭会話ができる一方で、英文を読み解けない人が増えることは確かに将来の国益を損なうといえるかも…堅実な英語、を自分も心がけて身につけ...

日本語話者が英語を学ぶにあたって、文法と訳読のプロセスを重視し、両言語観の違いを正しく捕らえて進むことこそ大切と述べます。簡単な(=応用の利かない)口頭会話ができる一方で、英文を読み解けない人が増えることは確かに将来の国益を損なうといえるかも…堅実な英語、を自分も心がけて身につけたいです。

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2012/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【著者の主張】のうち、覚えに残ったものを自分なりにまとめておきます。 日本人にとって英語は「学習言語」だ(×生活言語) 英語の授業から離れれば、外は日本語だけの世界だ。 「読む力」は4 skillsを代表するものである。 だから読む力をきちんと「評価」することが必要だ。 文法は堂々と日本語で。 直読直解で済ますことができるかは、読み手の英語力・テキストの難易度による 精 読 → 多 読  ↓ 速 読 「世界共通語」としての英語 これこそが日本人英語学習者に期待されることである。 (ネイティブにしかわからん慣用表現をこねくり回す前にね)

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2011/12/02

2011/12/1読了。 巷にあふれる英語勉強のノウハウ本よりも、よっぽど役に立つと思われる。ノウハウ本で気をつけるべきは、英語が堪能な人が薦める方法≠本当に有用な方法、という点であろう。ある分野に精通しすぎた人は、そこにたどり着くまでの経緯を忘れがちであるから、上達の近道とし...

2011/12/1読了。 巷にあふれる英語勉強のノウハウ本よりも、よっぽど役に立つと思われる。ノウハウ本で気をつけるべきは、英語が堪能な人が薦める方法≠本当に有用な方法、という点であろう。ある分野に精通しすぎた人は、そこにたどり着くまでの経緯を忘れがちであるから、上達の近道として示される方法が通行不可な道であることもしばしば。その点、菅原氏は英語の教育現場に長期間身を置いてきた著者である。個人差はあれど、日本人にとってどんな勉強のプロセス、環境が適しているか熟知しているように感じられる。 英語で授業すれば英語で考える力が身に付く!といった一見もっともな意見こそ気をつけねばならない。特に、それが国の教育方針として長年に渡り大きな影響を及ぼす場合は。一般論・理想論に終始しないためにも、著者の地に足の着いた意見に耳を傾ける価値は十分にあるはずだ。 自分自身も、日本人は、特に中高生の段階では英語でのコミュニケーションを身につける必要はないと思っている。日本人のほとんどにとって必要なのは英語でコミュニケーションを取る力ではなく、仕事で英語を処理する能力であろう。英語で外国人と対等に議論・交渉する必要のある人はごく一部に限られる。旅行でしか使ないようなちょっとした実用英語なんて学校で教える必要はない。何より、きちんとした基礎が身に付いていれば、コミュニケーション能力は後からでもすぐにのばすことができる。

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2011/11/01

 「英語と日本語のあいだ」をつなぐために、読む力が最も重要であり、訳読の授業によって英文を理解する訓練を積むことが必要、ということを主張するもの。新学習指導要領の「英語の授業は英語で」を受けて書かれたもので、いわゆるこれまでの正統派の英語教育の重要性を訴えている。  コミュニケー...

 「英語と日本語のあいだ」をつなぐために、読む力が最も重要であり、訳読の授業によって英文を理解する訓練を積むことが必要、ということを主張するもの。新学習指導要領の「英語の授業は英語で」を受けて書かれたもので、いわゆるこれまでの正統派の英語教育の重要性を訴えている。  コミュニケーション重視の英語教育の風潮に対するアンチテーゼとなっているこの本であるが、内容的に目新しい部分はない。著者は文学が専門らしく、英語教育の専門外である。おそらく、「英語の授業は英語で」の意味を本当にそのまま捉えているのではないかと思われる。文科省側の説明が足りないことのあらわれと言える。  さらに、英語教育や文科省の側で、これらの本の提示する反論にきちんと答えているのかどうかは疑問である。日本の中高生が英語を学ぶ環境や、「コミュニケーション力」を伸ばす代わりに犠牲になる文法に対する知識や読む力、訳す力は本当に不要なのか、といったことについて、十分に考察・議論されていない気がする。  おそらく文法、訳読、オーラル・メソッド、多読、といったことの折衷案のようなものが必要なのではないか。例えば語研のように、「この方法が正しく、他の方法はおかしい、訳読は古い、教師自身が英語話せないから訳読の授業をするんだろ」のような批判の応酬はもうやめるべきだと思った。「訳読式」で語学をマスターした「英語の達人」も納得するような方法を、英語教育の側で提示し、英語教育の世界と言語学者や文学者などの世界をつなぎとめる研究や研究成果の発表が必要なのではないかと思う。(11/10/30)

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2011/09/28

訳読の重要性を謳い,平成25年度から始まる「英語での英語教育」に疑義を呈した本です。英語が嫌いになるのはある意味で仕方がないとは思いますが,訳読というのが単なる英語→日本語という変換に留まらないという観点を明示してくれています。こういう話は中学生にもしておく必要があると思います。...

訳読の重要性を謳い,平成25年度から始まる「英語での英語教育」に疑義を呈した本です。英語が嫌いになるのはある意味で仕方がないとは思いますが,訳読というのが単なる英語→日本語という変換に留まらないという観点を明示してくれています。こういう話は中学生にもしておく必要があると思います。 新指導要領を作った文科省の役人は,この著者が務める東大の卒業生が多いはずですね。外務省の役人よりも英語ができないということはどこかで聞いたことがありますが,「自分たちは英語を読んだりすることはできるけど,英語でやり取りするのが下手なのは,英語教育にコミュニケーションの時間が少なかったからだ!」という短絡的な発想が新指導要領の原動力になったのではないかと疑いたくなります。 自分たちが東大という人口分布的にも「外れ値」であることを意識して,もっと一般向けの指導要領を組まないといけないと思います。日本のガンは東大生,しかも外れ値の中の外れ値かもしれません。

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