Boy's Surface の商品レビュー
2012/2/25 前から気になっていた円城塔が芥川賞を受賞したので読んでみた。 理工書を読んでいるような気分。 何がなんだか分からないが読んでいてすごく綺麗な文章に思える。 また時間を置いて他の作品を読みたい。
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-わたくしという現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い証明です- 『春と修羅』より この作品の冒頭部分。 1ページ目にある言葉。 宮沢賢治が生前唯一刊行した心象スケッチの一部なのですが、 私が持っている『春と修羅』では -ひとつの青い《照明》- とあ...
-わたくしという現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い証明です- 『春と修羅』より この作品の冒頭部分。 1ページ目にある言葉。 宮沢賢治が生前唯一刊行した心象スケッチの一部なのですが、 私が持っている『春と修羅』では -ひとつの青い《照明》- とあります。 証明と照明。 だいぶ、印象が変わると思いませんか? 円城さん、あえてでしょうか? それとも、ただの誤植でしょうか? 話の本筋より、 そちらが気になって仕方ありません。
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デビュー作よりさらに難解さに磨きがかかって世界観にのめり込むのに気力がいる。 言葉とか概念とか学説とか、そういったものを玩具にしてこねくり回しまくってるので何回か読み直さないと、完全に置いてきぼりにされる。 ただ、ふっきれてしまえば完全に別次元へ逃避行できる感じはすごく好き。 小...
デビュー作よりさらに難解さに磨きがかかって世界観にのめり込むのに気力がいる。 言葉とか概念とか学説とか、そういったものを玩具にしてこねくり回しまくってるので何回か読み直さないと、完全に置いてきぼりにされる。 ただ、ふっきれてしまえば完全に別次元へ逃避行できる感じはすごく好き。 小説に対する感じ方って人それぞれで正解がないっていうけど、作者の意図する捉えられ方がまったく推測できないです。
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凄い歯ごたえのある小説。 何度もページを行きつ戻りつしつつ、この小説の本当の姿を見極めようと夢中になっていた。 ---- 久しぶりに読み返したら、より好きになった。楽園に関するくだりが、震えるくらい好きだ。
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相変わらず面白かった。ただ、読んでいるとどうしても疲れる。 ちょっと人には薦められない感じ。でも好き。
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前作「Self-Reference ENGINE」から、さらに数理の側に舞台を振った中篇小説集。言葉が言葉を駆動して物語が展開していく、このドライブ感がいいです。言語の生成アルゴリズム自身による探索の物語「Goldberg Invariant」と、二つの異なる数理空間が直行する時...
前作「Self-Reference ENGINE」から、さらに数理の側に舞台を振った中篇小説集。言葉が言葉を駆動して物語が展開していく、このドライブ感がいいです。言語の生成アルゴリズム自身による探索の物語「Goldberg Invariant」と、二つの異なる数理空間が直行する時空で出会った二人の恋愛小説「Gernsback Intersection」が私的には好みです。
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今回の芥川賞にはもうがっかりするのもあれなほどがっかりだったのですが、自分は高学歴フェチなので(笑)好きです、円城さん。やっぱり池澤さんが選評で言っていたみたいに、こういう作品を書く作家がいわゆる純文学系の賞にノミネートされたことが意義があるのだなぁーと思いながら読みました。 ...
今回の芥川賞にはもうがっかりするのもあれなほどがっかりだったのですが、自分は高学歴フェチなので(笑)好きです、円城さん。やっぱり池澤さんが選評で言っていたみたいに、こういう作品を書く作家がいわゆる純文学系の賞にノミネートされたことが意義があるのだなぁーと思いながら読みました。 もう村上春樹みたいに賞には関係なく書きたいものをずんずんいってほしい作家です。うまく言えないが私はこいう作品はだいすきなのだー。文学ゲィムだとしてもね(笑)。
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4つの短編収録 数学も映画も本の知識も乏しいから、そこここに散りばめられた冗談や示唆に、気付けなくて悔しいなとは思う けれど、面白かった 知識は使われてこそ、輝く。言葉遊びも含めて。 1日1冊を目標にしてたけど、この作品で目標を捨てた じっくり、読むのが楽しかった 注意深...
4つの短編収録 数学も映画も本の知識も乏しいから、そこここに散りばめられた冗談や示唆に、気付けなくて悔しいなとは思う けれど、面白かった 知識は使われてこそ、輝く。言葉遊びも含めて。 1日1冊を目標にしてたけど、この作品で目標を捨てた じっくり、読むのが楽しかった 注意深く、見ていきたい作家さん
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日本語で書かれた小説を読んで、何が書かれているかわからないなんてことがあるのか⁉ほとんど何が書かれているか全く理解出来ない。だけど読んでしまうのはこの小説が〈理解出来ない=つまんない〉ではないから。表題作「Boy's Surface」は恋愛(他者との関係)における〈認識...
日本語で書かれた小説を読んで、何が書かれているかわからないなんてことがあるのか⁉ほとんど何が書かれているか全く理解出来ない。だけど読んでしまうのはこの小説が〈理解出来ない=つまんない〉ではないから。表題作「Boy's Surface」は恋愛(他者との関係)における〈認識と真理〉について書かれていると思って読んだが、この小説はそんな一言二言で要約できるようなものでもない。書いてあることそれ以下でも以上でもない。こういうことだ!と言えないから小説にしているのだ。様々な誤読を取り込んで「はははぁ〜、そうかもねぇ〜」と走り去って行く、そんな小説だ。 私にとっては片想い。たぶん一生理解出来ないだろうけれど、数十年前では書かれ得なかった小説と同時代を生きている幸せに感謝。 巻末の「What's the Name of This Rose?」は解説として役だった。
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数学的な図形を、物語の構造として応用しているのだろうか 実験ということなのかもしれないが、無駄に疲れるだけではないか しかもやたらと衒学的で、ネット検索無しには意味のわからない比喩表現とか多すぎ 読み解く楽しみは、確かにあるのだけど・・・ 「Boy’s Surface」 架空の...
数学的な図形を、物語の構造として応用しているのだろうか 実験ということなのかもしれないが、無駄に疲れるだけではないか しかもやたらと衒学的で、ネット検索無しには意味のわからない比喩表現とか多すぎ 読み解く楽しみは、確かにあるのだけど・・・ 「Boy’s Surface」 架空の問題「レフラー予想」の証明が、愛の証明でもあるという少女趣味 「Goldberg Invariant」 愛のない人間に向けられたコンピュータープログラムからの愛憎 「ターミネーター」のパロディかもしれない(空網…) 「Your Heads Only」 読者とテキストが愛し合った結果、「メタ的な何か」が生まれる 恋愛小説の主人公である「僕」は、 彼女の背後にある「メタ的な何か」ばかり気にしてる それらはすベて、読者である僕の頭脳が精製した物語だけど 「メタ的な何か」はセル・オートマトンの波紋として実体化している 「Gernsback Intersection」 通常タイムパラドックスと言えば現在から過去を改変して起こるものだが ここでは現在から未来を改変しようとしてしまう それって普通じゃね?と思うんだが どうもこの小説の世界では、大変なことが起こりすぎてて 大人たちはみんな頭がテンパっているらしい
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