新世界より(下) の商品レビュー
長い長い積読を経てやっと読み終えた。 僕はこれまであまりSFというのは得意ではなかったが、安心する。ああ楽しめるんだなあと。 アニメ界の重鎮である宮﨑駿が生涯をかけて描きたかった作品はアーシュラ・K・ルグィンのゲド戦記であったらしい。結果としてこれは息子の宮崎吾朗が描いたわけであ...
長い長い積読を経てやっと読み終えた。 僕はこれまであまりSFというのは得意ではなかったが、安心する。ああ楽しめるんだなあと。 アニメ界の重鎮である宮﨑駿が生涯をかけて描きたかった作品はアーシュラ・K・ルグィンのゲド戦記であったらしい。結果としてこれは息子の宮崎吾朗が描いたわけであるが、ゲド戦記もSFのジャンルの中では名著と言える。新世界よりを読みながら、この作品もそうなり得る、壮大な物語なのではないかと思った。 本好きとして、この本を通ったことは決して無駄では無い、むしろ本を読む目が鍛えられたと思う。
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何回も読んでいる作品で、人生の中でも1番好きな小説。 『新世界より』は、理想の村に見える社会の裏側にある暗い部分を描くことで、今の社会が抱える問題を鋭く映し出しています。最近、ジョージオーウェルの『動物農場』を初めて読んだのですが、そこでも同じように、良かれと思って作られた社会...
何回も読んでいる作品で、人生の中でも1番好きな小説。 『新世界より』は、理想の村に見える社会の裏側にある暗い部分を描くことで、今の社会が抱える問題を鋭く映し出しています。最近、ジョージオーウェルの『動物農場』を初めて読んだのですが、そこでも同じように、良かれと思って作られた社会が歪んでいく様子が印象的でした。(スクィーラもでてくる) 超能力という設定を使って、権力、知識、自由といった誰もが考える大きなテーマに切り込み、「本当の理想の社会って何だろう?」と読者に問いかけています。 特に興味深いのは、社会の安全と個人の自由が両立できない点です。表向きは完璧な社会でも、その裏では疑問の残る行為が行われていて、安全と自由のバランスの難しさがよく分かります。 また、知識を管理して真実を隠すというテーマは、今の社会でも見られる情報操作の問題とつながっています。真実を知ることで生まれる責任と、知らないことでの幸せという相反する問題は、深く考えさせられます。
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怒涛のストーリー展開に一気読せずにはいられなかった。最後の真実はやっぱりと思う一方で、その現実を突き止めても尚、今の世界を少しずつ変えながら生きていくしかないという現実感があった。
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読み終わっちゃったあ。。って気分になるくらい、長さを感じさせない程に面白かった。 最後は本当に複雑な気持ちになる。力を持つものは多分、持たない者たちの気持ちや境遇は分からないんだろうなと。そして仮にバケネズミができた歴史を皆が知ったとき呪力を持つ者たちは自分達を本当に全肯定できる...
読み終わっちゃったあ。。って気分になるくらい、長さを感じさせない程に面白かった。 最後は本当に複雑な気持ちになる。力を持つものは多分、持たない者たちの気持ちや境遇は分からないんだろうなと。そして仮にバケネズミができた歴史を皆が知ったとき呪力を持つ者たちは自分達を本当に全肯定できるのだろうか、いやしちゃうんだろうなあとか。 バケネズミ側に立って物事を考えてしまう自分がいる。そういう意味でも、ただ楽しいSFファンタジーにとどまらないメッセージ性に富む物語なのではないか?と勝手に考えています。
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とても素晴らしい本だったと思う。 日記という形で始まった小説だったが、ハラハラドキドキの連続で緊張が絶えなかった。 最後まで読むことで人の恐ろしさや今後の人類の進化に憂いを残すものとなった。 ぜひ読んで見てほしい。
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めちゃくちゃおもしろくて一気に読んだ。 いくつか疑問も残る。 他の町や、他の国がどうなってるかも気になる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
長編SFの下巻。夏祭りの夜、バケネズミたちが人間に反旗を翻し虐殺を図った。これを契機に人間vs バケネズミの戦いが始まる。人間は呪力への対抗手段を持たないバケネズミをすぐに制圧できると踏んでいた。しかし、野狐丸を中心として綿密に練られた戦略に加え、悪鬼が出現し風向きが変わる。愧死機構と攻撃抑制の働く人間は悪鬼に為す術なく殺されていく。早季たちは悪鬼への対抗手段として太古の生物兵器を手に入れるため東京へ向かう。 全編通して物語に引き込まれ一気に読み切った。虫のグロと同性愛の表現は個人的に苦手だったが、それを鑑みても圧巻の面白さ。強いて言えば最強の2人の戦いをもっと見たかったのと、両親や寺の人たちは生き残って欲しかったっていう気持ちはある。壮大な世界観に浸れて大満足。
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悍ましい世界観…こんな未来は嫌だなと思いつつも現代がそうではないのかと問われるとむしろ酷いんじゃないかと思ってしまうような恐ろしさに引き込まれました…
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こんなに本の中の世界に意識引き摺り込まれたのは久しぶり。 1000年も先の未来でもなぜか古風な暮らしをしてる呪力を持った人間たち。 不気味な人が多く、気色の悪い不思議生物だらけ。 リアルでグロテスクなシーンも多少あり。 今では考えられない文化も作られててびっくり。 夕方になると...
こんなに本の中の世界に意識引き摺り込まれたのは久しぶり。 1000年も先の未来でもなぜか古風な暮らしをしてる呪力を持った人間たち。 不気味な人が多く、気色の悪い不思議生物だらけ。 リアルでグロテスクなシーンも多少あり。 今では考えられない文化も作られててびっくり。 夕方になると大昔の曲「家路」が流れる。 読む側にも馴染みのある曲で懐かしい気持ちに。 今から家路聴こうかな。 [3冊まとめた感想]
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中巻から爆速で読んでしまった。 取っ付きにくいのは最初だけで後は狂ったように読み進めた。 中毒性があるから時間が無い人にはオススメできません。 主人公サイドにイマイチ共感出来なくて、バケネズミの方が理解出来るなぁとは思ってたけど、そういうことです。 ただ、あの世界の成り立ちに...
中巻から爆速で読んでしまった。 取っ付きにくいのは最初だけで後は狂ったように読み進めた。 中毒性があるから時間が無い人にはオススメできません。 主人公サイドにイマイチ共感出来なくて、バケネズミの方が理解出来るなぁとは思ってたけど、そういうことです。 ただ、あの世界の成り立ちに関してはほとんど触れられていないので、その辺りがスッキリしなかった。 それを含めても面白い作品だった。 ☆4.6
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