秘密機関 の商品レビュー
【トミー&タペンス】 クリスティー32歳。 デビュー作の次に書かれた2作目。 トミーとタペンスが生き生きしていて魅力的だけど、やっぱり冒険ものが苦手でミステリーじゃないと途中挫折しそうになる…。 すると面白い出来事が出てきて、クリスティーに「頑張るのよ!」と励まされてい...
【トミー&タペンス】 クリスティー32歳。 デビュー作の次に書かれた2作目。 トミーとタペンスが生き生きしていて魅力的だけど、やっぱり冒険ものが苦手でミステリーじゃないと途中挫折しそうになる…。 すると面白い出来事が出てきて、クリスティーに「頑張るのよ!」と励まされているかのように、またぐいぐい読める。 世界の命運を握る秘密文書の行方を若者素人探偵が探すという、どうにもあり得ない設定。 それについては、あ〜そうなんだ程度に深く考えない方が良さそうだ。 「一体誰が黒幕なのか?」というミステリーの犯人当てのような楽しみ方がわかると、一気にものすごく面白くなってきた。 2人が若さに溢れていて明るく魅力的。 そして今までのシリーズにはないドキドキ感! 冒険もので初めて最後まで楽しく読むことができた(゚∀゚) クリスティーの幅広い作品のおかげで、私の狭い偏った好みを徐々に矯正してもらってる感じがする。 思い返せば、あんなにカタカナ名前が苦手だったのにいつの間にか慣れたし、文化は違っても人間の本質は同じなんだと外国の壁も取っ払ってくれた。 クリスティーのおかげで読書の楽しさが大きく広がった。私にとってクリスティーはもはや先生。 自分のクリスティー読書50冊目は、冒険ものに初めて踏み出して楽しめたので、忘れられない1冊になった。 クリスティーの作品は100冊あるので、これでやっと半分まできた。 色々なジャンルがあるので、全然飽きないどころか、読めば読むほど愛が強まってしまうのがクリスティーのすごいところ。 杉江松恋さんの解説がとてもわかりやすくて、自分がどうして『ビッグ4』を途中で挫折してしまったのか理由がわかった。 この解説を読むと、クリスティーのことも作品のこともより深く知ることができて、より作品が面白くなる。こういう解説が大好きだ。 ★3.5
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小説に対してのコメントにはふさわしくないかと思うが、映画のようなドキドキ感・満足感が得られた。トミー&タペンスの他の活躍が気になる、そんな思いを持たせてくれる良い作品。
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冒険物語で楽しかった!主人公2人が活動的に動き回るので敵に見つかるんじゃないかとドキドキした。ポアロマープルのようなミステリとしてではなく、トミーとタペンスの活躍を楽しむストーリー。2人が大好きになった!3作目の「NかMか」が名作のようなので早く辿り着きたい~!
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あまりにも都合よく事が運びすぎる点が多々ありますが、それ故に疾走感があり、推理&冒険小説として存分に楽しめました。 初めは、トミー、タペンスどちらも言動が無神経では? と思いましたが、読み終える頃には愛着が湧き、シリーズ全冊を買い揃えました。 二人の冒険の行く末を見届けたいと思います。
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前作のスタイルズ荘の怪事件があまりに難しく読むのに苦労したので、しばらく避けていたアガサ・クリスティー作品。 図書館でふと目に留まり、なんとなく読めるかもしれないと2作目を借りました。 スタイルズ荘よりスラスラ読めて驚きです。スタイルズ荘の怪事件は図書館の貸出期間中には読み終わらなくて、購入したほど…… しかし、本作は読み終われました。 自分の個人的見解ですが、よく読む日本人ミステリ作家さんのとあるシリーズを読んでいるかのようでした。今は、ポアロシリーズが一段と難しいのかな?という印象です。 トミーとタペンス、最初は一緒に行動をしていたものの、途中からは別行動。 トミーが頭に強烈な一撃を受けて気を失ったところから、タペンスに場面は移ってから物語はタペンス編みたく進んでいき、トミーの命の安否を心配します。助かっていないのではないかという絶望感の最中にトミーからの電報を見て出ていきました。そして次はまたトミーへと物語の目線が変わるという構成でした。 トミーはどうなったの?タペンスはどうしたの?と気になって仕方なく、どんどんと読み進めていきました。残りのページ数が少なくなっていくまでに時間がかかり、この作品もなかなか終わらないと思いましたが、捜査が大きく動くようになってからはそんなことも気にならなくなりました。 別々に行動していたからこその、トミーとタペンスの恋心に気づき、まさかの2人の関係の進展。 トミーとタペンスがブラウンに騙されていたように、自分もジュリアスが怪しいと思っていました。まさかの黒幕の解明に驚いて、興奮してしまいました。
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若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。
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クリスティの長編スパイスリラー。トミータペンスシリーズ。記念すべきトミータペンスシリーズの一作目であり、クリスティの長編作品二作目にあたる作品だ。 「若さ」についてとてもエネルギッシュで魅力に満ち溢れた作品で、「若い」事はこんなにも無謀で何でも出来る様な気でいるが、実際人生は...
クリスティの長編スパイスリラー。トミータペンスシリーズ。記念すべきトミータペンスシリーズの一作目であり、クリスティの長編作品二作目にあたる作品だ。 「若さ」についてとてもエネルギッシュで魅力に満ち溢れた作品で、「若い」事はこんなにも無謀で何でも出来る様な気でいるが、実際人生はそんなに甘く無いとクリスティに釘を刺されている様な気がする(笑)トミーとタペンスの単純な考えで結成したヤングアドベンチャラーズ。戦争の不安が残る中、仕事を見つける、お金を稼ぐ方法がとても大変な世の中。そんな中、幼馴染の二人は再会し、勇敢に(今の時期から見れば余りにも無鉄砲だ)新しい世界に立ち入って行く。 クリスティの冒険ミステリーはいくつかあるが、作品解説にてスパイスリラーとあり、カテゴライズされている。それぞれクリスティの探偵達には得意分野があり役割分担が上手く、探偵然としたポアロ、安楽椅子のマープル(意外に行動力があり、僕の捉え方は間違えているだろうなあ(笑)) そしてトミータペンスは冒険物だ。それぞれが各々に適した物語があるし、誰を登場させるかで解決や世界観も違って見える。 今作はトミータペンスシリーズの一作目なので最後の二人の関係が落ち着く様子は見ていて気持ちがよい。タペンスはお転婆で溌剌としており何にでも無謀に突撃して行く様なパワフルな人物だし、トミーは落ち着いているがカッカしやすい、楽観的な人物だ。 作中、ある意味、そんな事あるかとにやけてしまうストーリー展開なのだが、バカバカしい感じが少なく、面白く読む事が出来るのはこの作品の世界観が見事だからで、カフェでヤングアドベンチャラーズの結成を宣言した矢先からきな臭い依頼が舞い込み、瞬時に謎と危険の中に紛れていく。トミータペンスの持ち前の行動力を活かし、諜報部員からアメリカの女性に引き継がれた機密文書を巡る冒険。無謀な考えで飛び込み、様々に訪れる危機を乗り越えていき・・・。謎の人物ブラウンとはだれなのか。フーダニットの面白さも盛り込まれ。犯人当てはドンデン返しを巧みに用いている。全体を通してあっという間に読んでしまった、魅力的な作品だ。 (スパイスリラーの様なジャンルはぼやかしている部分が多く余り得意ではないが、このシリーズは別物だ!!秘密主義の作品の筈だがぼやかしはなく何から何まではっきりしすぎている。明るい作品だ。)
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<トミー&タペンス>シリーズ。第一次世界大戦終結後のロンドンで再会した幼馴染のトミーとタペンスは、失業中でお金が無いし退屈だからと軽いノリで「ヤング・アドベンチャラーズ」なる万屋みたいな会社を起こすも、怪しげな依頼をきっかけにヒッチコック映画さながらの陰謀騒動に巻き込まれてしまう。 クリスティーが本作のような冒険小説を発表していたこと自体に驚かされた。ポアロやマープルや『そして誰もいなくなった』のようなミステリー小説のほうが馴染み深いぶん読むのに苦労したが、楽しめた。ただトミーとタペンスの向こう見ずでお金に意地汚い部分は少し苦手。
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クリスティは、中学生くらいのころに『そして誰もいなくなった』を読んで大衝撃を受け、それでミステリーにどハマりした…というような歴史認識でいるわりに、(その後も有名どころを何冊か読んだはずだが、)何も覚えていない。ミス・マープルやポワロもアンソロジーでちらほらとしか読んでおらず、...
クリスティは、中学生くらいのころに『そして誰もいなくなった』を読んで大衝撃を受け、それでミステリーにどハマりした…というような歴史認識でいるわりに、(その後も有名どころを何冊か読んだはずだが、)何も覚えていない。ミス・マープルやポワロもアンソロジーでちらほらとしか読んでおらず、要するにクリスティ初心者なのだが、トミーとタペンスという男女バディものの冒険小説的なシリーズがあるとブク友さんに教えてもらい、なんだか楽しそうだぞと思い読んでみることに。 第一次大戦後のロンドンで、お金に困った若い二人の男女が久方ぶりに再会し、何でも屋とでもいうような会社を設立するところから物語が始まる。そんな無鉄砲な、と序盤から思ってしまうのだが、そのあと実際に仕事が舞い込んできて、依頼人との初めの面会でいきなりの大ピンチ。そこでタペンスが咄嗟にかますはったりが大当たりと、いきなりタペンスがかっこいいではないか。その後、やや押され気味かと思われたトミーも、ときに大胆に、ときに冷静に、様々な困難を掻い潜っての大活躍。 正直、話のあんこである国家存亡の危機に関する策謀の細かいことは、頭がこんがらがってよく飲み込めなかったのだが、敵か?味方か?のハラハラ感や、トミーとタペンスの冒険とロマンスでじゅうぶん楽しめた。 解説によるとこのあと二人の登場作品は四作あり、最後は七十代の老境が描かれるらしい。楽しみだ。
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秘密機関 アガサ・クリスティ トミー&タペンスシリーズ① ꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱ 破天荒で勢いがある。初めはタペンスが無茶ぶり発揮するのかなと思ったら、トミーも結構やっちゃうのね。 そして全体的に軽い。行方不明女性のいとこジュリアスがとんでもないお金持ちだからか、彼が加わるとより軽く感じた。「ちょっくらロールスロイス買ってくる」「潜水艦、拝借してきます!」みたいな。しかもヘイスティングズのように惚れっぽい。 絵は無いけどマンガ読んでる感じで読めた。 ブラウンとは何者か。ジュリアスかカーターかジェームズ卿だろう、仲間のように接してる誰かだと言うのは分かる。終盤で、なるほどこっちだっかぁ...と信じ込ませておいてのどんでん返しで、すっかり騙された。 文章がほとんど会話で、あまり説明っぽくないのに背景も分かって読みやすかった。 2022/08/04 読了(図書館)
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