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弓と竪琴 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2021/06/06

民俗学の本かと思ったら詩論(著者も詩人)。 難しいので、途中から雰囲気だけ読む。愛と宗教と詩は飛躍とのこと。 いろいろ出てきて、詩も読んでみようかと思わせる。

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2020/03/08

ポエジーについて、エッセイ集。 散文と韻文。 ドイツロマン主義、シュールリアリズム。 分析的、科学的、論理的。 魔術的、情的、自然的。 都市と田舎。

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2013/06/08

詩論であるから、いかにも論理的に書きましたという部分はとても退屈で所詮他人事だからどうでもいい。ところが、詩人がかわいいのは、ほとんど論理的というよりは感覚的な飛躍をしてしまいそうになるのを「いやまて、これは詩論なんだ」とおさえようおさえようとするような全体。全体的に、最初は退屈...

詩論であるから、いかにも論理的に書きましたという部分はとても退屈で所詮他人事だからどうでもいい。ところが、詩人がかわいいのは、ほとんど論理的というよりは感覚的な飛躍をしてしまいそうになるのを「いやまて、これは詩論なんだ」とおさえようおさえようとするような全体。全体的に、最初は退屈にお硬く始まるのだが(「どうだ、これは難しい詩論だぞ」)、だんだんおさえきれなくなって、たとえば、真の孤独とは「自らの存在から離れていること、二つになっていることである」[p224]などというに及んで、釣り上げられて陸でのたうちまわる魚のようになる。それに比べれば、山口昌男の巻末の解説がご立派で(退屈、マニアック)、非作家と作家の違いがよくわかる。

Posted byブクログ

2011/08/20

 ヘラクレイトスが語ったという「人間を聖化し、かくして彼を宇宙に位置づける竪琴、そして人間を彼自身の外に向けて発射する弓」のイメージを出発点として、詩的行為の意味を探ろうとするパスの詩学の集成。この詩学を貫くのは、愛と宗教を、あるいは誕生と死を結びつけようとする合一ないし綜合への...

 ヘラクレイトスが語ったという「人間を聖化し、かくして彼を宇宙に位置づける竪琴、そして人間を彼自身の外に向けて発射する弓」のイメージを出発点として、詩的行為の意味を探ろうとするパスの詩学の集成。この詩学を貫くのは、愛と宗教を、あるいは誕生と死を結びつけようとする合一ないし綜合への意志であり、パスは本書でそれを詩作において実現する可能性を探究している。そして彼によると、詩的な体験において人間は、それらの瞬間的な和合──例えば、「死を生きる」こと──に達するのだ。ただし、その「和合」において対立しあうものたちのあいだの緊張が失われることはない。本書の原点にある「弓と竪琴」の双方で張りつめている弦は、その象徴であるが、そこにある緊張はまず、人間そのものにおいて貫かれている。パスによると、人間はそれ自身、自分では捉えがたい他者でもあるのだ。そのような人間の存在の深奥を、生きたイメージにおいて啓示するのが詩であり、そこでは自己と他者の対立が乗り越えられているという。自己超越としての詩作によって、人間は自分自身を発見し、創造するのだ。パスの詩学において詩とはまさに、自己超越と自己自身への回帰が一つになる場なのである。その表現が共有される可能性──パスは言葉が共有物であることと、詩が参加によって成り立つことを強調する──について、今日の視点からすれば楽観的に過ぎると思われるところがあるとはいえ、詩の歴史と科学の限界を踏まえながら、本書が「本質的に革命的」な詩の未来を、そして詩とともにある、いや詩そのものですらある人間の未来を力強く指し示しているのは間違いない。

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2011/04/05

山口昌男さんが著書で言及していたオクタビオ・パスの詩論。かつてちくま学芸文庫で出ていたが絶版になった。読めないのかなと思っていたら、岩波文庫から出た。 理論的というより詩的な語り口で、詩論を繰り広げているが、もとより博識で、言語学や哲学に基づいた深みがある。 「ポエジー」に関して...

山口昌男さんが著書で言及していたオクタビオ・パスの詩論。かつてちくま学芸文庫で出ていたが絶版になった。読めないのかなと思っていたら、岩波文庫から出た。 理論的というより詩的な語り口で、詩論を繰り広げているが、もとより博識で、言語学や哲学に基づいた深みがある。 「ポエジー」に関しては、確かにこれは音楽においても中心的な要素である。しかしいかにも語りにくい主題だ。パスは「ポエジーは認識、救済、力、放棄である」などと言葉を連打していってこの主題に迫ろうとするが、このへん、もうちょっと「学的」に、意味論的に解析するアプローチもできないものか。 今回なんとなくざっと読み流してしまったが、含蓄のある本なので、いつか気合いを入れて再読したいと思う。

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