嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(10) の商品レビュー
最終卷。前の卷からの空き具合も上手く伏線に取り込んでて、面白く読めた。むしろ、意図的に面白くなくかかれてて、10章からの面白さが際立った。 それに加え、エピローグがすごいよかった。ラノベでこんな素晴らしいエピローグを読んだのははじめてかも。
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いままでの とうじょうじんぶつが たくさん でてくるので おもいだすのに くろうしました。 入間人間の ほかの ちょさくに でてくる キャラに かんするものが でてきたりと なかなか おもしろかった です。
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最終巻です。筆者は「本読んでいる人だなあ」とは明らかなかんっじで素。 6巻辺りでピーク(主観)ですが、オチは関連性ああるかと。 最初から考えていたのなら符合は合いますし、惰性なら無理やりかなあと。 前者なら高評価ですが、後者の様な気がしたのでこの評価で。
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“『おやおや、頭をずいぶんと悩ませているご様子ッスけど』 長瀬が話しかけてくる。いや、長瀬よりは最初の、気取った口調のやつに近い。 『でもそちらさんが抱えている様々な疑問、それらはすぐに分かるんじゃないッスか?』 【なんで?】 未だ寝転んだまま、顔を上げる。窓を見る。長瀬の影が溶けるように小さくなっていた。ロウソクみたいに、髪の毛の部分だけがうごめいて、他はどんどんと萎んでいく。見れば仕切りである壁もヒビが入り、目に分かりやすく、この空間の終わりを告げていた。夢がまた終わる。 その終わりを目前にして、崩壊していく長瀬が僕を嘲笑する。 実に、実に、嫌な笑い方だった。 『やつ』の笑い方に、そっくりだ。 口ばかりが強調される小さな影が、最後に、僕を手招きする。 みーくんも、もうすぐこっち側へ来ることになるッスから、と。” 何で読んでいる途中で気が付かなかったんだろう。 一度も出てきやしなかったじゃないか。 一度も台詞に出してきやしなかったじゃないか。 嘘だけど。 なんて。 九章の終わりに視線が吸い寄せられて、瞬時に喉が渇く。 ああ、と脳が理解をして今までの勘違いを塗り直す。 十章の始まりには思わず頬が緩んで待ってましたと言わんばかりにページを捲るスピードが速まる。 そして事件の閉幕をなぞるように辿り理解し飲み込む。 後味は、悪くない。 うーあー、みーくんマジみーくん。 やられた。という感じ。 犯人は最初と同じ彼であり、彼に殺された人間は幸いなことに昔の知り合いであり。 なんだ誰も生き延びたじゃないかと安堵のため息を吐いて長瀬にだけ別れを告げる。 金子もなんて運のいい奴なんだ。 そして、エピローグ。 読み進めるうちに過去の出来事が喚起されて一度の勘違いを新たな解釈で塗り潰す。 皆が相変わらずなのに思わず笑みを溢してだけど視点の彼女は誰なのだろうと思考して。 そして、デートの部分で一つの答えを思いついて。 その答えが正解であったことに驚いて脳が鈍いて不意に涙腺が緩む。 鳥肌をそのままに冷たく涙が流れてあぁもうなんで入間さんはこんな取って置きを最後に描くんだなんて思って。 あー。まったく。 どうしようもなくなる。 彼らの物語にあえてよかったと。 終末は終わりであり終わりでない。 彼らのこれからが嘘があっても嘘でない彼らなりの幸せで彩られますようにと。 願いたい。 “「あー、こほん」 わざとらしく咳払い。そして僕は自分に向けて、とつとつと、ナレーションのように語る。 ここから始まるのは、僕と彼女だけが幸せになる為のお話だ。地球を救えないし、未来は保証できないし、きっとなにも解決していない。めでたしめでたしは僕たちの死の瞬間まで訪れなくて、ここから先、どれだけの悪意が待ち受けているか想像もつかないけれど、三日に一度くらいは危険に襲われる暮らしが、扉の向こう側に待っているのだろう、 つまり言い換えると僕と彼女以外、誰も幸せにはなれない。 死ぬやつもいるし、殺されるやつもいるし。僕はそれで泣いたり、壊れたり忙しい。ひょっとすると僕も瞬間瞬間、幸せを見失ってフコウフコウ病にかかって、行き詰まるかもしれない。 それでも僕は、こうしてやってくる。赤いマフラーを携えて、寒さに耐えて。 下手の横好きもいいところな嘘を、彼女にささやき続けるのだ。 なぜって? そういう説明の面倒な動機をたった二文字で纏めてしまう先人の英知よ、幸あれ。 「……ぃだよ、うん。お代はラブで結構、という感じ?」 小声でそっと。自分の中にいる意地悪な神様も聞き逃すように、『その言葉』を呟いてから。 さて、始めるか。 彼女の部屋の前に立つ。 無機質な扉を、遮るものから、繋がるものへと変えてしまおう。 すぅっと、息を吸いこんで。 口の横に左手を添えて、近所迷惑しますねと心の中だけで近隣住民に謝りながら。 腹の底をひっくり返すように、大声を、吐いた。”
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「私、こっちのみーくんがいい」というセリフで総毛立った。 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」シリーズの最終巻。これ以上ないハッピーエンドを迎えたと言っていい。人を殺したり人が殺されたりの話で何がハッピーエンドかという気もするが、「みーくん」とまーちゃんが「ハッピー」に完結した...
「私、こっちのみーくんがいい」というセリフで総毛立った。 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」シリーズの最終巻。これ以上ないハッピーエンドを迎えたと言っていい。人を殺したり人が殺されたりの話で何がハッピーエンドかという気もするが、「みーくん」とまーちゃんが「ハッピー」に完結したならそれが「ハッピーエンド」でなくて何だというのだ。 「私、こっちのみーくんがいい」というセリフに「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」という作品のすべてが集約されたと言える。最後まで壊れたまんまだったまーちゃんと、壊れたまーちゃんを壊さないよう壊れつづけた「みーくん」、それらがすべて報われるセリフであり、つまるところ「みーまー」という作品はこのセリフひとつのためにあったと言ってもいい。 好きだった作品が完結してしまうというのはやはり寂しい。寂しいが、このような面白い作品を提供してくれた作者、入間人間にはただただ感謝する。そして、入間人間の他の作品が嫌いというわけではないが、やはり「みーまー」のような黒い作品もまた書いてほしいと願う。 ところで・・・ 最終巻なのにゆずゆずの出番がほとんどなかったorz
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いやー、終ってしまった。本当に本当に終ってしまった。自分的にはもっと不幸な結末を予想していたから、思っていたよりも平和(あくまでワタシ基準ね)に纏まってしまって、だけど、これがみーくんとまーちゃんらしい終り方だなぁと納得させられてしまった。やっぱり不幸か幸福かは自分が決めることだしね。もともと閉鎖的な世界だったからこそ、あの終り方で良かったかもしれない。それにしても、前半部分の『僕』のからくり…自分は早々に「こいつは違うな」と訝しんで読んでたんだけど(右腕やたら器用に使いこなしてらっしゃるしそもそも嘘つかないし)、予想が当たりすぎてちょっと爽快。引っかかった人、結構いるのかな。しっかし、ケリの付け方が結局殺人というのは…ちょっともにょったかな。あと、「こっちのみーくんがいい」って言うマユの行動に、いかにこの子が壊れているのか思い知らされた。エピローグは蛇足かな?と思っていたけど、他のキャラを満遍なく(?)カバーしてて「おお!」って唸ってしまった。最後までやるなぁ。兎にも角にも先生お疲れさまでした。
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