ふたつの嘘 の商品レビュー
読み応えあり。止まらなくなって一気に読破。 権力の前に、あまりに無力な現実。 主題に対する意見はここでは述べないので、ちょっとした感想だけ。 著書の前半、西山氏の奥様のパートを読んでいて、女である私は少し不思議な気持ちになったあと、ふと考えたことがありました。 「弱いものを...
読み応えあり。止まらなくなって一気に読破。 権力の前に、あまりに無力な現実。 主題に対する意見はここでは述べないので、ちょっとした感想だけ。 著書の前半、西山氏の奥様のパートを読んでいて、女である私は少し不思議な気持ちになったあと、ふと考えたことがありました。 「弱いものを守ろうとするのは、女の本能なのか?」と。 愛はない、でも離婚はしない、なぜだかわからないけど、この人を守ろうと・・そんな思いだったと記されています。 全然報われないのに見放せないのは何故なのだろう? 男女としての愛はなくとも、人間として愛しているということか? そういうものを母性本能と言うのだろうか? ・・この本を読んでこんなことを考える人はあまりいないと思うので、敢えて。 そんなことを考えつつ、後半の女性弁護士パートもなかなか好きです。 論理的・現実主義的で、裁判をヒューマンドラマ化させることを嫌い、一途に「勝つために」何をすべきか徹底的に考え抜いて実践した姿勢に恐れ入る。 ドライに見えて、でも彼女を動かすのもまた感情なのだろう、とか考えたり。 純粋にかっこいいなと思います。
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西山事件を、西山氏の妻と、情報公開訴訟の弁護士の視点から描いた力作。2人の女性の思いの強さとともに、筆者の執念も感じられる。ドラマ「運命の人」や、その原作小説に興味がある人は、ぜひ本書も手にとってほしい。西山事件とはなんだったのか、その本質を考えさせられる。
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国が国民に対して「嘘」をつく。 沖縄密約に関して、密約はないと言っていた国は、 結果的には大嘘をついていた。 不都合なものを隠す体質というのは、 今回の原発騒動でも明らかだった。 国は国民を守るためにある。 この一冊は、その本質に迫っていた気がする。 非常に興味深く読めた。
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昔の新聞とかで当時この事件がどう扱われてたのかをしりたくなった。 私は、意外と司法に興味があるのかもしれない。
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「山崎洋子を超えた」というキャッチコピー通り、超えています。何より小説的な胡散くささがない。二人の女性からの視点という切り込み方も見事。
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特に何かしらの拘りがあるわけではないのだが、なぜか、「沖縄密約事件」関連の本読んでいる。 山崎豊子「運命の人」、澤地久枝「密約」。 ただし、本作は上記二作とはやや趣が異なり、事件の中心人物の一人、西山記者の細君にスポットを当てて描かれている。また、第2部は、国による情報公開とい...
特に何かしらの拘りがあるわけではないのだが、なぜか、「沖縄密約事件」関連の本読んでいる。 山崎豊子「運命の人」、澤地久枝「密約」。 ただし、本作は上記二作とはやや趣が異なり、事件の中心人物の一人、西山記者の細君にスポットを当てて描かれている。また、第2部は、国による情報公開という切り口から、事件に取り組む弁護士の動きを描いている。 何というか、どうにも後味の悪い事件なのだが、国による外交情報の秘匿ということだけではなく、マスコミ報道のあり方(西山記者の「取材」の方法論ということと、西山記者のスクープ記事の情報源が明かされた後のマスコミの論調という意味とで)という観点からも、興味深い作品。
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