角のないケシゴムは嘘を消せない の商品レビュー
『プールの底に眠る』でメフィスト賞を受賞し小説家デビューした白河三兎氏の「角のないケシゴムは嘘を消せない」を読了。 物体を消す事が出来る人間と消したものが見える人間が存在するという設定で展開して行く兄妹と兄と離婚したばかりの女性とその息子それに兄と出会う透明人間が絡み合う人間...
『プールの底に眠る』でメフィスト賞を受賞し小説家デビューした白河三兎氏の「角のないケシゴムは嘘を消せない」を読了。 物体を消す事が出来る人間と消したものが見える人間が存在するという設定で展開して行く兄妹と兄と離婚したばかりの女性とその息子それに兄と出会う透明人間が絡み合う人間模様、一部恋愛模様を描いた作品。 兄信彦、妹琴里、元妻加奈子、加奈子の連れ子悟のキャラクター設定がまず秀逸だ。離婚が成立したその日に、信彦が自分の部屋に透明人間の女性が居る事に気付き不思議な同棲が始まるところから物語が展開してく。元妻も妹も結構きっちりと今風でとんがった性格の女性として描かれていてそういった女性との気を使ったやり取りがああーこんなのが今の男女関係だよねとか思わせられたりするのもこの小説を読む楽しみの一つだ。 人・物が透明に出来る特殊能力を持つ女性とその実体をみる事のできる人の役割の男性とその能力を持った人は政府の管理下にありトレーニング機関まであるといった奇想天外な設定を巧く消化し、ちょっと恋愛物語っぽい男女の絡みをうまく組み込んでのファンタジーっぽいエンターテインメント作品に仕上げた作者の技量はなかなかのものかと。 そんな面白い設定、ユニークな登場人物と先の読めないプロットが楽しい不思議ミステリーを読むBGMに選んだのはLester Bowieの"Great Pretender"。ECMっぽくなくて好きだなあ。 https://www.youtube.com/watch?v=PeYNXbzGFDA
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キャラクターが強くてどんでん返しもあり、それなりに楽しめたが、どうしてもあと一歩という感じが拭えないのはところどころに遊びすぎた部分が見られるからだろうか。 そして悪くない、決して悪くはないが、作品として完成されているかというと、それも疑問で、有耶無耶になってしまっている部分、強...
キャラクターが強くてどんでん返しもあり、それなりに楽しめたが、どうしてもあと一歩という感じが拭えないのはところどころに遊びすぎた部分が見られるからだろうか。 そして悪くない、決して悪くはないが、作品として完成されているかというと、それも疑問で、有耶無耶になってしまっている部分、強引に解決させた部分が結構あると思うのでこの評価。
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記憶って、いつの間にか書き換わってしまうもの 事実は、ひとつなのかもしれない でも、見る角度によって、見る人の経験によって、解釈が変わる 目を背けたくなる過去も、いつしか肯定できるようになるかもしれない
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白馬と悟、そしてミロは好き。あとのキャラは好きになれなかった。作風にちょっと迷いがあるというか伊坂的な要素があったり、辻村風だったりとあまり落ち着いて読めなかった。自分が読んだ白河作品では一番つまらなかった。
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この人の描く女性は無駄に尖っている人が多いので、やや消耗する。 男性は大体みんなのらりくらりしているし。 読んでいる間は「TOMBOW」なら対応するのは「MONO」じゃないのかと 些細な引っ掛かりを感じていたけど、最終的には満足できた。
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透明人間の恋人と住む兄/信彦。 忽然と〈消失〉した彼氏を探す妹/琴里。 兄妹の恋路は何処へ向かっていくのか・・・
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読みはじめは結構面白く感じたのだけど、遅々として話が進まず、核心に迫ってからもまどろっこしくて、なんかよく分かんなかった。 MONO消しとTOMBOWで兄妹が交互に描かれていって、透明にする力、透明になったものを見る力ってことなんだけど、とっても不可解で不思議な話だなーといった趣...
読みはじめは結構面白く感じたのだけど、遅々として話が進まず、核心に迫ってからもまどろっこしくて、なんかよく分かんなかった。 MONO消しとTOMBOWで兄妹が交互に描かれていって、透明にする力、透明になったものを見る力ってことなんだけど、とっても不可解で不思議な話だなーといった趣きで。 組合やら能力やらの話は、正直あんまりおもしろくなくなってしまったのだけど、登場人物は面白い人が多かった。 琴里の切ない思いや、信彦のちょっとずれた感じとか、加奈子の苦しみとか。 悟と白馬もかわいかった。 SFぽいとこなしで、普通の話にしたほうが面白かったような…?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
妹の彼氏、兄の彼女が透明に…という設定は面白そうではあったのですが、序盤~中盤までの展開が冗長に感じられてしまい、同著者の他の作品ほど楽しめませんでした。 また、その設定も蓋を開けてみればあまりに万能すぎるというか、どんなことがあっても作者の都合のよい言い訳が可能なものだったのが、個人的に残念に思います。
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MONO消しとTOMBOW。 消しゴムみながら考えた話かな。 悟と白馬、二人の子供がいいな。 白馬について、はちょっと中途半端なかんじだけど。 信彦・・・とらえどころがなくて、でもこういう人いるよねー。 肯定して受け入れてもらえるのって、きっと誰でも嬉しい。 いいやつだ。 女性...
MONO消しとTOMBOW。 消しゴムみながら考えた話かな。 悟と白馬、二人の子供がいいな。 白馬について、はちょっと中途半端なかんじだけど。 信彦・・・とらえどころがなくて、でもこういう人いるよねー。 肯定して受け入れてもらえるのって、きっと誰でも嬉しい。 いいやつだ。 女性陣は、それぞれ他人を思いやっての行動なのに自己中に見える。 なんでかな。 守りたい人以外には、関心がない(ようにみえる)から?
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