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インゲボルク・バッハマン全詩集 の商品レビュー

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2011/05/29

 バッハマンの作品と言えば、小説『マリーナ』が強く印象に残っているが、詩作品もまた力強いことを説得的に知らせてくれる一冊。そして、全詩集を年代順に辿ることによって、彼女の詩作が時代とともにあったことも実感できる。とくに、戦後のドイツの再軍備を批判した詩など痛烈である。また、パウル...

 バッハマンの作品と言えば、小説『マリーナ』が強く印象に残っているが、詩作品もまた力強いことを説得的に知らせてくれる一冊。そして、全詩集を年代順に辿ることによって、彼女の詩作が時代とともにあったことも実感できる。とくに、戦後のドイツの再軍備を批判した詩など痛烈である。また、パウル・ツェランとの悲恋も影を落としているようだ。「ひとりの死者だ わたしは さまよう者」と始まる「亡命」という詩がとくに気に入ったが、かつての恋人ツェランの作品ほどには心を揺さぶられる作品は多くなかった。彼女の情動に今ひとつ共鳴できないところがある。

Posted byブクログ