スローネット の商品レビュー
本文中でもその重要性を述べているように、文理の壁にとらわれないさまざまな視点から、筆者の持つ「スローネット」に対する哲学が読めて面白かった。 特に先鋭的な専門家たちが、机上の空論を振りかざしてしまう様子は、最近読んだ「アベノミクスがなぜ失敗したか」に対して「トリクルダウンが起こ...
本文中でもその重要性を述べているように、文理の壁にとらわれないさまざまな視点から、筆者の持つ「スローネット」に対する哲学が読めて面白かった。 特に先鋭的な専門家たちが、机上の空論を振りかざしてしまう様子は、最近読んだ「アベノミクスがなぜ失敗したか」に対して「トリクルダウンが起こらないと途中で気づけなかった」と書いてあった記事にもつながる。 知識や情報が偏ってしまっているから、より複雑な「実際の社会で起こりうること」が想像できないのだと思った。 一つの解決案として、最近少しずつ取り入れられている、「AIにたくさんの人の意見を集めてもらうことで、小さな声を聞き逃さないようにする」(人はたくさんの情報量を捌ききれないから)というのもあってそれもいいなと思っていたけど、 筆者が述べているように、もう少し別の分野にも関心を示して、その視点を取り入れる。ということが必要なのではないかと感じた。 1人では難しいのなら、協力すればいい。 経済のことでも、少子化のことでも、その「専門家」だけで話し合うのではなく、分野の垣根を超えてさまざまな知識を持つ人たちでトピックを共有することで、解決に向かうことも多い気がした。
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近年のシステム化やiPhone等のデジタルデバイス化、ネットワーク化に対して、アンチテーゼを一考する書。コンピュータ工学での経験後に文系の学問も同時に研究した著者が、学問的にITのあり方について述べている。私がプライベートでも仕事でも「ファストIT」側の人間であることを前置きして...
近年のシステム化やiPhone等のデジタルデバイス化、ネットワーク化に対して、アンチテーゼを一考する書。コンピュータ工学での経験後に文系の学問も同時に研究した著者が、学問的にITのあり方について述べている。私がプライベートでも仕事でも「ファストIT」側の人間であることを前置きしておくが、この本に関しては、主観的な主張の域を出ないと感じている。確かに「スローIT」として筆者が説く、身体的活動を伴うコミュニケーションの促進にITを使うべきではあるが、それが「ファストIT」を止めることの理由にはならない。本書では技術哲学的な視点が多いが、もっと政策的・経済的観点も含めて、筆者の言う学際的な論がほしいところ。
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日本語文章として読みづらい。展開、流れが悪く、うーーーんセンスが無いのかなと…でもタイトルの通り、すごくいいとこ掠ってるので絶賛惜しい感じでした。タイトルテーマから逸れないようにしてくれたらよかったんじゃないか。テーマを念頭におけば、違う具体例や展開の仕方があったんじゃないかと思...
日本語文章として読みづらい。展開、流れが悪く、うーーーんセンスが無いのかなと…でもタイトルの通り、すごくいいとこ掠ってるので絶賛惜しい感じでした。タイトルテーマから逸れないようにしてくれたらよかったんじゃないか。テーマを念頭におけば、違う具体例や展開の仕方があったんじゃないかと思いました。
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「スローネット」という矛盾するようなタイトルに興味を惹かれて手にとった。ますます高速化がすすむインターネットを中心とするファストITに対し、ものごとの処理を現行より遅らせる能力をもつ情報技術をスローITと著者は呼ぶ。フランスの思想家ヴィリリオやマイクロソフトからGoogleやAp...
「スローネット」という矛盾するようなタイトルに興味を惹かれて手にとった。ますます高速化がすすむインターネットを中心とするファストITに対し、ものごとの処理を現行より遅らせる能力をもつ情報技術をスローITと著者は呼ぶ。フランスの思想家ヴィリリオやマイクロソフトからGoogleやAppleといったアメリカのIT企業を産み出してきた「フロンティア精神」に触れながら、数理主義に基づくIT社会の行き着く先で、人間の存在が「機械的要素」とみなされてしまう恐れに警鐘を鳴らす。ローカルな場で創造される価値を大切に育む、というあたりに著者のスローネットにおいて目指すものがあるようだけど、結局スローネットってどんなもの?というイメージがつかめず、読み終わりはモヤモヤしてしまった。その答えはこれから自分達でつくっていくものなのだろうけれど・・・。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
現在の効率化、高速化をめざすITを「ファストIT」とし、それに対抗する形としての「スローIT」を提唱している本。この本ではファストITの過度の進行がもたらす弊害について警鐘を鳴らしている。 今までのITについての見方を変える可能性のある本。参考にすべき事は多い。ただ、スローITまたはスローネットの姿については具体的な提示は少ない気がする。
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マウスイヤーと呼ばれ、目まぐるしく変わる日常風景の流れに対し、警鐘を唱える書。同世代からの主張ではなく、筆者は60歳を超える高齢者。そのため、自身の生活に根付いたものになっている感は否めない。人間にとっての価値を主観的で多元的なリアルなコミュニケーションにおき、身体性の回復を促し...
マウスイヤーと呼ばれ、目まぐるしく変わる日常風景の流れに対し、警鐘を唱える書。同世代からの主張ではなく、筆者は60歳を超える高齢者。そのため、自身の生活に根付いたものになっている感は否めない。人間にとっての価値を主観的で多元的なリアルなコミュニケーションにおき、身体性の回復を促している。たしかに私自身も、この窮屈なつながりの中で、そのつながりを断ち切りたいと思うときもある。そんな時は、きまってネットやテレビ、ケータイといったあらゆる情報バイラスを遮断したりもする。そうして外界との連絡を絶って、地に足をつけてみるのもときにはいい。だが、そうはいってもやはり、時代の大きな流れというものに人は逆らうことはできない。この流れにのりながらも、いかに楽しみを創造していけるのかが、これから先も尽きない話題になってきそうである。
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ソウトウェアの研究開発者であった著者が、効率やスピードをひたすら追求するITに警鐘を鳴らす一冊。基本的な趣旨は賛同ですが、リアルタイムといわれるツイッターが飲み会のTLで賑わっているのを見ると、あまり心配ないような気もします。冒頭で、「昔々、ネットワークのメディアは毛繕いだったら...
ソウトウェアの研究開発者であった著者が、効率やスピードをひたすら追求するITに警鐘を鳴らす一冊。基本的な趣旨は賛同ですが、リアルタイムといわれるツイッターが飲み会のTLで賑わっているのを見ると、あまり心配ないような気もします。冒頭で、「昔々、ネットワークのメディアは毛繕いだったらしい」とあります、酒を酌み交わすなんぞはかなり近いのではないかと^^
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生産効率性のみを目的としたITを「ファストIT」と定義づけその対極に「スローIT」があるという論理だが、ではその「スローIT」とは何かというとイマイチ判然としない。ファストITに対する批判はもういい、それなら貴方なりの答えをきちんと示して欲しい。
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