迷宮としての世界(上) の商品レビュー
著者によると、狭義には後期ルネッサンスとバロックの間に位置する芸術を指すマニエリスム概念は、古代から今日までのヨーロッパのあらゆる芸術・文学のうち古典様式と相互関係にあるものへと拡充できる。古今の作品を行きつ戻りつしながら、没落・死・時間・眼・機械・楕円・迷宮といったテーマを例...
著者によると、狭義には後期ルネッサンスとバロックの間に位置する芸術を指すマニエリスム概念は、古代から今日までのヨーロッパのあらゆる芸術・文学のうち古典様式と相互関係にあるものへと拡充できる。古今の作品を行きつ戻りつしながら、没落・死・時間・眼・機械・楕円・迷宮といったテーマを例に論証されていく。通勤電車内で読み進めようとしたらそれこそ迷宮に迷い込みそうになったので、自宅でじっくり取り組める時間にメモをとりながら読み直していくと、著者の語ってくれる美術史がおぼろげながらみえてきた。
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熟読している若桑みどり著[マニエリスム美術論]が、土台にある私には、[マニエリスム]を時代の様式として捉えるのではなく、表現の様式として、近代美術の思考表現と結びつける事に、かなりの衝撃をうけた。
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