チョコレートの世界史 の商品レビュー
チョコレートの世界史という表題に嘘偽りなく、地理的、時制的にも丁寧な解説がされていて大変面白かった。 その一方で、話題の中心は近代史になっていて、重商主義をメインに据えた経済史という感じもする。チョコレート工場の成り立ちや、労働者の権利、時代背景に翻弄されるチョコレートという...
チョコレートの世界史という表題に嘘偽りなく、地理的、時制的にも丁寧な解説がされていて大変面白かった。 その一方で、話題の中心は近代史になっていて、重商主義をメインに据えた経済史という感じもする。チョコレート工場の成り立ちや、労働者の権利、時代背景に翻弄されるチョコレートという世界商品の位置づけなどが興味深い。同じ世界商品として、ほぼほぼセットで存在する砂糖、似た効能を持つが故に履歴が似ている珈琲、酒・アルコール、特にアルコールの持つ負の面を補う代替えとして期待されていたことなどは、なるほどと腑に落ちる部分もあった。 また、そうした背景を知っていると『チャーリーとチョコレート工場』という作品を、素朴な娯楽作品として受け取れない部分が生じる。ある種のグロテスクさを感じてしまうのは、繊細が過ぎるかもしれない。 青いパッケージのキットカットの逸話には、著者の偽らざる本音が覗き見える。 反戦新書として読むのも、また面白いと思った。
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古来よりアメリカ大陸の諸文明では、カカオは特別なものだった。「神の食べ物」の言葉が示すように神への供物として、貨幣として、そして食物として。だがその希少性故に、口にできるのは一部の有力者だった。そこにやってきたのがスペイン人で、彼らはカカオの魅力を知り、プランテーションを経営して大量生産に乗り出した。次第にカカオの価格は低下し、庶民にも広がっていく。さらにカカオは海を越えてヨーロッパへと流入し、そこでも人気を得ることに。カカオはそれだけでは苦味や酸味が強いため、基本的には砂糖を加えた飲料として摂取することになる。それはココアとして親しまれるようになるが、ココアも茶と同様、当初は薬として飲まれることが多かった。そしてこれも同じく、貴族や聖職者など、有力者たちの嗜好品となった。スペインに代わってイギリスやオランダ、フランスが大西洋貿易の主役になると、カリブ海周辺では砂糖やコーヒーとともにカカオも生産され、大西洋三角貿易の一角をなす商品となった。しかしヨーロッパでの主要商品は中国から入る茶で、イギリスなどの国は当時極端な保護貿易を敷いていたためカカオの価格は下がらず、ココアも庶民の間には広まらなかった。 19世紀に入り自由貿易の時代になると、茶やコーヒーと同じくココアにも貿易ネットワークが形成され、ようやく庶民に広がりを見せるようになる。このココア・ネットワークを構築する上で一役買ったのがクエーカー教徒だった。クロムウェル失脚後の王政復古時代に弾圧されたクエーカーは公職につくことができず実業家としての道を歩むほかなかったこと、節約・禁欲を旨としていること、都市住民が多いこと、教会制度と徒弟制がマッチしたこと、医療への関心が高かったことなども、彼らをココア製造へと向かわせた要因だった。そのような中イギリスブリストルで、飲料ではない固形のチョコレートが誕生した。 世界で最初の産業革命の舞台となったイギリスでは、工場でのチョコレート生産が始まった。様々な商品が開発され、鉄道の発達がさらに生産の拡大を促進させる。それとともに、労働者の間にもチョコレートが広まり、商品の売れ行きを伸ばす目的で新聞や自動車を使用した宣伝が定着していく。このようにして大量生産の波に乗ったチョコレート会社は、ロウントリー家に見られるように社会改善にも大きく貢献した。 一部の有力者の間のみで流行したココア(チョコレート)は次第に子ども向けの商品になったが、二つの世界大戦が勃発するとその栄養補給の効率のよさから軍人にも広まった。 戦後も引き続き商品開発や広告展開に力が入れられた結果、チョコレートはインターナショナルな商品としての地位を手に入れたのだった。 興味深い点 ・ココアは果たして薬か食品かという論争が巻き起こる点。どっちでもいいと思いそうなところだが、断食の最中に摂取できるか否かということは宗教の影響力が強かった時代においては重要な問題。 ・ココア・ネットワークの形成と拡大に、クエーカー教徒が一役買った点。 ・家内工業が主流だったベルギーなどではチョコレートプラスアルファの工夫が求められ、結果としてプラリーヌなどの意匠を凝らしたチョコレートが誕生した点。 ・キットカットの誕生と名前の由来
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チョコレートの世界史というタイトルではあるが、読み終えた感想としては”キットカットの世界史”とも言えると感じた。 確か”コーヒーが廻り 世界史が廻る”(臼井隆一郎著)にもあったが、世界中で航海されるようになり、植民地化やインディオや黒人の奴隷化などを経て、時代と共に様々なものが...
チョコレートの世界史というタイトルではあるが、読み終えた感想としては”キットカットの世界史”とも言えると感じた。 確か”コーヒーが廻り 世界史が廻る”(臼井隆一郎著)にもあったが、世界中で航海されるようになり、植民地化やインディオや黒人の奴隷化などを経て、時代と共に様々なものが変容していくのは常なのだろう。 貿易、労働環境、業界再編、そしてクエーカーなど宗教の視点も触れてあるため、読み応えのある一冊であった。
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https://opac.lib.hiroshima-u.ac.jp/iwjs0027opc/BB01922819 西図書館2階・小型 588.34/Ta-59
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●2025年10月4日、きのう慶應病院の診察後に立ち寄った池袋ジュンク堂本店でカカオやチョコレートの本を見つけてチェックしたところから、図書館の蔵書の有無を調べてブクログに記載してた。ブクログで、キーワード「チョコレートの科学―苦くて甘い「神の恵み」 (ブルーバックス)」と入れて...
●2025年10月4日、きのう慶應病院の診察後に立ち寄った池袋ジュンク堂本店でカカオやチョコレートの本を見つけてチェックしたところから、図書館の蔵書の有無を調べてブクログに記載してた。ブクログで、キーワード「チョコレートの科学―苦くて甘い「神の恵み」 (ブルーバックス)」と入れて検索をかけたら出てきた本がたくさんあり、なかでも良さそうな本をチェックした。 評価が高い。
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古代から現代までのチョコレートの変遷をざっと理解できた。古代から近世の内容をもう少し厚くしてほしいのと、近代のキットカットやヨーロッパのチョコレートの量産化の部分が多すぎと感じた。
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自分の興味あるところとそうでないところで面白さが全然違ったけど、特にキットカットのところがやっぱり面白かったな、読む手がスイスイ進んだ。 と思ったら作者もここは力を入れたところらしい。伝わりました!
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p3 カカオ豆にはポリフェノールの含有量が異なる3種類の系統がある。ポリフェノールが一番少なく苦味渋みが少なく芳香が強い、しかし病気に弱く世界で生産されてるカカオ豆の1%しかないクリオロ種、世界で80-85パーセントを占めるポリフェノールを多く含み苦味が強い、そして病気に強いフォラステロ種、全種二つを組み合わせ両方の良いところ(芳香、病気耐性)を持つトリニタリオ種がある。 p27チョコレートの語源はマヤ語のチャカウハ(暑い水)ねあるとされる。 ボナウィート カカオを加工しカカオマスから油脂を取り除かず加熱しない製法でつくる製菓業者 p60 コンラートヴァンホーテンは飲みにくいココアの原因を突き止め改善した人物。50%余りあった油脂をプレス機にかけ半分にし細かいココアパウダーを作った。強くなった酸性を中和するためアルカリ性のもの(炭酸ナトリウム)を加えて中和し飲みやすくした。 キットカットが売られたのは1935 キットカットクラブという羊肉を扱う店の名前からとった説 最初は男性がチョコを多く買うので男性ターゲットに商品展開をしていた。高級路線から戦中にかけて子供向けの大衆商品としてシフトしていくようになり広く普及していく。ロウンドリー社の働き方も従来の奴隷を使い潰す制度から労働員を再生産(繰り返し生産させる)させる制度を作り幸福度の高い仕事環境作りに勤しんだ。
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4章以降くらいから特に面白かった。単なる嗜好品ではないチョコの側面を知れた。正直言って、かつて先住民や黒人をこき使って生産されていた歴史があるから、現代に至るまでも大なり小なり似たようなものだと読む前は思っていた。 しかし、この本を読んで認識が変わった。 クエーカー教徒の自己規...
4章以降くらいから特に面白かった。単なる嗜好品ではないチョコの側面を知れた。正直言って、かつて先住民や黒人をこき使って生産されていた歴史があるから、現代に至るまでも大なり小なり似たようなものだと読む前は思っていた。 しかし、この本を読んで認識が変わった。 クエーカー教徒の自己規律的な精神がチョコレートの発展に寄与したことや、キリスト教圏内において少数派の信者達の相互扶助の精神が、労働者の福祉や、社会への福祉に貢献したという事実はとても興味深かった。 キットカットの歴史は筆者が語りたかったことであろうと推測されるが筆が乗っていて楽しかった。ぜひ読んでほしい。読んだ後は何気なく食べているチョコレートの奥行きを感じることができるようになっていると思う。 あと個人的な感想としては、熱帯付近で育つカカオが、熱帯付近というよりは涼しい気候向きのチョコに加工されるのも面白い。
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チョコレートの原料はカカオ豆です。 中南米では昔から薬として摂取されていたそうです。 それが、ココアとしてヨーロッパに伝わり、チョコレートができました。 キットカットのロウントリー社の歴史が書かれていて、この会社は社員のための学校や住宅街などを作ったりととても誠実な経営をしていた...
チョコレートの原料はカカオ豆です。 中南米では昔から薬として摂取されていたそうです。 それが、ココアとしてヨーロッパに伝わり、チョコレートができました。 キットカットのロウントリー社の歴史が書かれていて、この会社は社員のための学校や住宅街などを作ったりととても誠実な経営をしていたようです。 その誠実さの表れが、キットカットの包装紙に、今は戦時下なので、キットカット本来の原料では作れないけど、できるだけ近い味にしてあります、というような但し書きが書かれていたそうです。 この話を読んで、前よりももっとキットカットが好きになりました。 Have a Break, Have a KitKat!
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