いま、目の前で起きていることの意味について の商品レビュー
興味のある章のみ読み。 当事者は、楽観とか悲観とかじゃない。 … 目の前の現実にどのような意味を与えるか。 … 10年経った今は、どんな世界に変わっているのだろう。。そんなに良いようには変わってない気がする。。もやもや。
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ジャック・アタリを含め33名の学者・政治家・弁護士などの現代フランス知識層が、国際情勢から経済、環境問題、民主主義、男女平等、文学、音楽などなど、さまざまなテーマに沿って書き、あるいは対話を繰り広げる。おおむねその合間ごとに、アタリの短い文章が挟まれる。 これらの知識人のリストに...
ジャック・アタリを含め33名の学者・政治家・弁護士などの現代フランス知識層が、国際情勢から経済、環境問題、民主主義、男女平等、文学、音楽などなど、さまざまなテーマに沿って書き、あるいは対話を繰り広げる。おおむねその合間ごとに、アタリの短い文章が挟まれる。 これらの知識人のリストには、小説家のフィリップ・ソレルスの名もある。シモーヌ・ヴェイユという名もあるが、『重力と恩寵』のヴェイユとは別人である。 国際情勢や、なかんずくフランス国内の事情などについてはあまりよくわかっていない私だが、この本は奇妙なまでに面白く、知的刺激が豊富であり、読み進めるのが楽しくてしかたがなかった。 多様な視点で、現在の諸問題をもう一度考えてみるという試みのチャンスを、この書物は与えてくれる。これはわくわくするような体験だった。 ジャック・アタリは、現在米国の利益追求の支配下にある国連を解き放ち、「世界政府」という夢をえがきだす。さらに、「世界統一通貨」なるものをも提案している。実現したら凄いことだが、実現可能なのかどうか、私にはわからない。しかしアタリは政治家としての影響力も持つ人物だし、もと国連事務総長みたいな有名人もこの書物にはたずさわっているのだから、机上のはかない空論をただ並べているだけでもなさそうだ。 とりわけ「民主主義」という諸刃をもつ制度の分析が面白かった。音楽などにおける「無償」での流通に関する考察なども。 なんとなく、もう一度読みたい本だと思っている。
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小難しいタイトルだけど、一つのテーマはすぐ読める量。内容も意外と読みやすかった。 いまの自分は目の前のことに必死になっているから、ちょっと立ち止まって、先のことも見据えておきたい時、読み返して羅針盤にしたい本。
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民主主義の将来、安全保障の抱える問題から、人間の生殖の未来、新しい労働のありかたまでジャックアタリを中心に、各国の政策策定関係者または企業のトップがフランス・キュルテュールのラジオ番組で語った討論のオムニバス。 兵器から医療器具に至るまで技術が躍進し、時間の使い方、守られるべき...
民主主義の将来、安全保障の抱える問題から、人間の生殖の未来、新しい労働のありかたまでジャックアタリを中心に、各国の政策策定関係者または企業のトップがフランス・キュルテュールのラジオ番組で語った討論のオムニバス。 兵器から医療器具に至るまで技術が躍進し、時間の使い方、守られるべき法益が多様化するなか、何を選択し、どの慣習を消すのか。それらは美しく、自然にデザインされるべきであるという哲学に行き着く一冊。 フランスからみたアメリカという観点と、マルクスが「商品の偏愛」と呼んだ考え方から脱し、完全な無償化に達するというトピックが興味深かった。
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中々読み応えあった、民主主義、暴力、中東、エイズ、政治、金、法、化学、生命、教育、宗教などあらゆる分野で何が起こっているのかを対話を通じて、その道の権威の人たちが対話を通じて深めていく本。 経済とか政治にあまり興味を持てずにいたので、さわりをしれてよかった
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ジャック・アタリ編集 アタリを含めフランスを代表する識者が(他にエジプト人の元国連事務総長、ブトロス・ブトロス=ガリ)討論して、民主主義、経済、政治、文化について述べている。それらの論点について、アタリがどのような、問題意識を持つているかわかる。内容はかなり難しい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
学者や文化人、政治家等が各テーマについて対談し、ジャック・アタリがその対談内容に関してコメントや独自の考察を行っている(テーマによってはアタリも対談)。アタリ含め33人の知識人(という括りでよいのかな)が登場する中にソレルスの名前があったのも購入を後押し。「世界」「経済と政治」「科学とテクノロジー」「文化」「社会」の5部に整理された23のテーマについて考察されている。個人的には“民主主義”“安全保障”“中東の平和”“金(マネー)”“科学”“生命”“女性の地位”“宗教”“家族と恋愛関係”に関連した部分が特に興味深かった。ヨーロッパというかフランスからの見地やフランス国内問題についてのテーマもあるが、総じては我々の社会にも共通するもしくは考えておくべき内容でないかと思われる。多くのテーマで民主主義やそれがもたらす個人主義的な風潮、自由の進行が深く関わっていることを示唆している。 また、複数のテーマに渡り複数の知識人が“人工子宮”の問題に触れていたこと(実現の可能性は高いそうで、そうなった時に世の女性がどういう選択をするのか ~“休息を与えるものと捉えるのか”“特権あるいは母性の占有を失うものと捉えるのか”~ 、普及した場合の両性、恋愛、家族や社会風習、文化、更には人類の進化にはどういう影響を与えるのかは確かに興味深い・・・というか少々恐い)、最後の章がアタリ本人による“時間”についての考察であったことも印象に残った。
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ジャック・アタリ氏の本を初めて読んだが、圧倒的な知性のようなものは特に感じなかった。 様々なテーマについて専門家の話を聴いたあとにアタリ氏がコメントという形式で細かく分かれている。 全編を通してヨーロッパ的・フランス的見地からの考察が多い。問題山積の混沌とした今の世界を俯瞰で見る...
ジャック・アタリ氏の本を初めて読んだが、圧倒的な知性のようなものは特に感じなかった。 様々なテーマについて専門家の話を聴いたあとにアタリ氏がコメントという形式で細かく分かれている。 全編を通してヨーロッパ的・フランス的見地からの考察が多い。問題山積の混沌とした今の世界を俯瞰で見るのにはいいかも。
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2011.4.3 今となっては何も心に留まらずに通り過ぎた一冊。これが世界から賞賛される頭脳であり、ある種の人たちを夢中にさせた知性なのだ。 少し前に読んでいたらきっと私も「優れた考察だ」などと書評を書いていたのではないか。自分というのはどうも、信用ならない生きものである...
2011.4.3 今となっては何も心に留まらずに通り過ぎた一冊。これが世界から賞賛される頭脳であり、ある種の人たちを夢中にさせた知性なのだ。 少し前に読んでいたらきっと私も「優れた考察だ」などと書評を書いていたのではないか。自分というのはどうも、信用ならない生きものである。
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著者であるアタリ氏が育ったフランスの影響が色濃く出ているものの、テーマとして述べられているジャンルは多岐にわたり、全部に目を通さなくとも、自分の興味・関心あるところだけ読んで十分満足いくものとなっている。この本は、先に論評や対談が書かれた上で、そのテーマに関してアタリ氏がコメント...
著者であるアタリ氏が育ったフランスの影響が色濃く出ているものの、テーマとして述べられているジャンルは多岐にわたり、全部に目を通さなくとも、自分の興味・関心あるところだけ読んで十分満足いくものとなっている。この本は、先に論評や対談が書かれた上で、そのテーマに関してアタリ氏がコメントも書き記すものとなっている。私自身は、とりわけ経済や生命科学、教育やフリーに関するものが読んでいて目をひきつけられた。フランスを問わず、国内にも、国外にも、同じような過大な悩みは山積みである。それに対して、少なくとも何かひとつでも自分の関心があるものについて考え、その解決策を日ごろから温め続けていくことは大事なことである。時代の変化に取り残されてはいけない。時代を感じるためにも、できるだけ前の高い位置でアンテナを高く張りめぐらせ、その様子を敏感にとらえていかなければその先のことは何も見えてこないのである。
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