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マハン海上権力論集 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2022/08/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀末に多くの論考を残したマハンの考えは、当時の帝国主義的な風潮を背景としたものである。アメリカは太平洋を隔てて東洋とぶつかるフロンティアである。したがって、国内産業に目を向けている場合ではないだろうというのがマハンの主張。キリスト教の精神で繋がっている共同体の一国であるアメリカがフロンティアにいるのだから、産業の利を活かし、植民地を見つけ、商業を円滑に進めるための海軍を整えよと説いた。

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2018/12/20

茂木誠氏の推薦コメント。 「マハンの大著『海上権力史論』も翻訳があるが、読みにくいのでこちらをお勧めする。

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2017/02/19

抄訳部分を読んでから序文に戻るのがいいかもしれない。マハンの論はかなり好戦的で「やられる前にやれ」「攻撃こそが最大の防御」と言わんばかりである。私は日本人なので台頭する日中に対する警戒心のこもったマハンの視点はなんとなく新鮮に映った。これまで「民衆⇔権力⇔戦争」の三者間に対する知...

抄訳部分を読んでから序文に戻るのがいいかもしれない。マハンの論はかなり好戦的で「やられる前にやれ」「攻撃こそが最大の防御」と言わんばかりである。私は日本人なので台頭する日中に対する警戒心のこもったマハンの視点はなんとなく新鮮に映った。これまで「民衆⇔権力⇔戦争」の三者間に対する知識は蓄えてきたと思うけれど『権力⇔権力』の関係性にはいまいち関心が薄かったのだなと反省。中世までの戦史と地政学についてもっと勉強したいなと思った。当時の日本人の知への貪欲さを見習いたいが、捉われて現実を見失うことないようにしたい。

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2015/07/13

ものすごい本だった… 表現が難解で、時折理解が追いつかないんだけど、言わんとしていることはぼんやり見てて、書いた時期を振り返ってはぞっとする。 そして中国もこれを読みこんでいるということ。 それを踏まえると、今の動きの意図が見えてくる。 日本はこのままだとまずい気がする…。

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2015/04/14

http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10070891

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2012/12/02

マハンの理論が日本に与えた影響や、海上権力を握るのに重要な箇所を分かりやすく訳しているので、マハンの入門に良い本です。西洋の海軍史を複雑に記す事の多いマハンの文章を、日本人向けに分かりやすく抄訳しているのは、講談社学術文庫のなせる技だと思います。

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2024/05/18

9月末に閉店してしまった「松丸本舗」で見かけて、気づいたらカゴに入っていた一冊。 マハンは、海上からの戦略(シーパワー&シーレーン)についての研究者、になるのでしょうか。 ん、司馬さんの『坂の上の雲』でも取り上げられていて、 ドラマでも出てきていますので、聞き覚えのある方もおら...

9月末に閉店してしまった「松丸本舗」で見かけて、気づいたらカゴに入っていた一冊。 マハンは、海上からの戦略(シーパワー&シーレーン)についての研究者、になるのでしょうか。 ん、司馬さんの『坂の上の雲』でも取り上げられていて、 ドラマでも出てきていますので、聞き覚えのある方もおられるかもですね。 こちらはそのマハンの出した論文の抜粋・ダイジェスト集になります。 ポイントは丁寧に押さえられていて、マハンの提唱する理念について触れるには十分かと。  ”国家の海上権力を左右する主要な条件として、次の諸要素を挙げることができよう。”   1)地理的位置   2)地勢的形態(これと関連して天然の産物と気候をも含む。)   3)領土の規模   4)人口   5)国民性   6)政府の性格(国家の諸制度を含む) ちょうどタイミング的に『自由と繁栄の弧』の再読と並行したので、いい相乗効果でした。 というのも、その麻生さんの理念とも非常に合致する内容と感じたからです。  ”野蛮状態とは、わが文明に内在する精神を吸収することなく、   その物質的進歩のみを摂取するのに汲々たる人びとの文明のこと” そう見ると非常に理解しやすく、「日本」の行く先も見えてくると思います。 ん、「弧」に日本の生存圏も乗ってくるのであれば、喜んで「伴走者」となりたいところです。  ”三ヵ国(英・米・日)は、顕著な海洋国家” マハンの生きた19世紀当時、アジア圏で第一に西欧化したのは日本であって、 次に来るのは「支那(china)」であろうとは、マハン自身の言でもあります。 そして(支那が)真っ当な手段で西欧化してくればよいのだが、 してこないのであれば、封じ込める必要があるとも、言及しています。 ちなみにここで言う「支那」は、当時支配下に置いていた朝鮮半島も含んでいます。  ”戦闘の状況は、武器の進歩につれて、その多くが時代とともに変わるけれども、   歴史を学ぶことによって、一定不変の原理を見出しうる” ここで言う西欧化は、当時の国際水準での普遍的な価値、すなわち、 民主主義、自由、人権、法の支配、市場経済を、実現しているかとの視座になりますか。 今の判断基準で見ればいろいろと至らない点も多いでしょうが、歴史の事象を判断するに、 当時の状況を鑑みずに今の価値観だけで読み解くのは、かなり危険です。 なお、世界で最初に人種種別撤廃を明確に主張したのは、日本が最初だったりします(1919年)。 アメリカやイギリスの反対で潰されてしまいましたけども、、閑話休題。  ”平和は、われわれの直面している状況を無視することによって達成されるものではない” けだし、真理をついている一言だと思います。 特に、大陸国家である中共政府が、海洋権益への帝国主義的な野望を露わにしてきた昨今、 海洋国家である日本が、他の「海洋国家」とどう連動していくべきかを読み解く一助ともできるかと。 その「海洋国家」の候補としては、、アメリカ、オーストラリア、インド、台湾や、 フィリピン、ベトナム、タイ、ミャンマーなどのASEAN諸国が、まずはあがりましょうか。 ん、やはり『海上権力史論』の方も読んでみたいですね、、大学で借りてくるか、、 それなりに高いですが「基本書」として購入してしまうか、非常に悩ましいところです。。 19世紀位からのアメリカの国家戦略にも影響があるような、気がします。

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2011/04/26

近現代の国家戦略における古典的な名著の抜粋版として、購入。 このような古典にありがちな、現代に置換えて理解する作業は、論文本文には当然必要であり、サクッとは読めない。 但し、序説に解説が詳しく著述されており、その部分だけを読むこととし買う価値あり。 当時のアメリカ合衆国の利益追求...

近現代の国家戦略における古典的な名著の抜粋版として、購入。 このような古典にありがちな、現代に置換えて理解する作業は、論文本文には当然必要であり、サクッとは読めない。 但し、序説に解説が詳しく著述されており、その部分だけを読むこととし買う価値あり。 当時のアメリカ合衆国の利益追求の為に軍人である著者の論文であるが、著述が、現代のアメリカ合衆国にも影響しているのが確実と思われるのは、1隻何千億円もする豪華な原子力空母を世界一保有している現代のアメリカ合衆国を理解に通ずる古典でありかつ名著。 もしかするとアメリカ合衆国の外交政策にとっての聖書・経典なのかも知れない。

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2010/12/19

マハンは近代海軍戦略の基礎を築いた戦略論の古典的泰斗で、彼の著作や論文は現代でも国家戦略、軍事戦略を考える上で決して外せない必読の書である。そのマハンの代表的な論文をいくつか取り上げ、紹介している本書は危機的な状況を迎えつつある日本の外交戦略を再考する上で、まず手にして欲しい重要...

マハンは近代海軍戦略の基礎を築いた戦略論の古典的泰斗で、彼の著作や論文は現代でも国家戦略、軍事戦略を考える上で決して外せない必読の書である。そのマハンの代表的な論文をいくつか取り上げ、紹介している本書は危機的な状況を迎えつつある日本の外交戦略を再考する上で、まず手にして欲しい重要な文献である。

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