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つながりの作法 の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2011/02/03

近所の本屋にこのNHKの新書がなくて、出た頃すぐに図書館へリクエストしてたのがまわってきた。綾屋さんの本は、『前略、離婚を決めました』を読んだことがある。そしてお二人の共著『発達障害当事者研究』と熊谷さんの『リハビリの夜』はどちらもシリーズ「ケアをひらく」の一冊。残念ながら前者は...

近所の本屋にこのNHKの新書がなくて、出た頃すぐに図書館へリクエストしてたのがまわってきた。綾屋さんの本は、『前略、離婚を決めました』を読んだことがある。そしてお二人の共著『発達障害当事者研究』と熊谷さんの『リハビリの夜』はどちらもシリーズ「ケアをひらく」の一冊。残念ながら前者は近所の図書館に所蔵がなく(なんでや~)、後者は途中まで読んだところで返却期限がきてしまい、そのあと予約待ちの人が続いていて、続きがまだ読めず…(買うか?)。 アスペルガー症候群という診断名をもつからだで、"見た目にはわかりにくい"生きにくさをもつ綾屋さん。脳性まひという、"見た目、ばっちり障害者"のからだをもつ熊谷さん。二人それぞれの「つながれないさみしさ」「つながりすぎる苦しみ」、一見正反対のからだをもちながら「外界とのつながりからはぐれている」二人の経験を基に、「違いを認めたままつながる」作法を探った本。 このコンパクトな中に、べてる発の当事者研究のこと(←『「べてるの家」の当事者研究』)や、ダルク女性ハウス(←『その後の不自由』)の「言いっぱなし、聞きっぱなし」の場の話が、じっくり書かれている。 「ケアをひらく」のこの2冊は、それだけでもみっちりの本だが、この小さい新書には、その2冊分プラスαがこめられている、という感じ。入っている図は、『その後の不自由』にたくさんあった図のように、そうか~、そういう風に世界を経験しているのか~と思える。 ▼個人の身体レベルにおいてもコミュニティのレベルにおいても、大切なのは「個人の日常実践」と世界や身体にモデルを与える「コミュニティの構成的態勢」との相互循環である。そしてこれらの循環を可能にする具体的な「つながりの作法」として、私たちは当事者研究の可能性に期待したいと思っているのである。(p.187) 3章で書かれている、多数派と異なる身体や経験を持ったマイノリティ(少数派)が「人とのつながり」という面で抱えてきた共通した生きにくさについて、「第一世代(過剰適応)」「第二世代(仲間と出会い連帯)」「第三世代(多様性を認めながら連帯)」と三段階に分けた整理は新鮮だったし、ものを考えていくときに役に立つような気がした。 いい本であった。買おうかな~

Posted byブクログ

2011/01/27

pp.112〜113、p.123、p.163=回復とはある地点に到達することではなく、むしろ変化し続ける過程そのもの。

Posted byブクログ

2010/12/26

 障害がどのようなものであるか、障害そのものにはどんな処方箋があるのか、と言ったことはこれまでに臨床を中心に考えられてきた。  しかし、当事者本人が自分についての理解、そして他者との違い、かかわり方=つながり方に気付く当事者研究という考え方は、すべての人々に適用できるものだと感じ...

 障害がどのようなものであるか、障害そのものにはどんな処方箋があるのか、と言ったことはこれまでに臨床を中心に考えられてきた。  しかし、当事者本人が自分についての理解、そして他者との違い、かかわり方=つながり方に気付く当事者研究という考え方は、すべての人々に適用できるものだと感じた。  障害のある、無しだけでなく、当事者研究の視点を取り入れて自分について、生活について、他者との関わりについて考えることはより適応的な生き方をしていくことに直結すると感じる。

Posted byブクログ

2010/12/20

すごい本。アスペルガー症候群と脳性麻痺という、他者とのつながりに極端に悩む2人の探検隊の冒険記だ。人の心と体の不思議の最前線からの報告だ。ほんの少しでも社会や周囲との関わりに辛さを感じている人は読もう。

Posted byブクログ