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NOVA(3) の商品レビュー

3.6

24件のお客様レビュー

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2011/12/16

「NOVA3」大森望/責任編集 書き下ろし日本SFコレクション。特になし。 第3集は“いわゆるSF”のオンパレード。 近未来もの、宇宙、ハイテクノロジーなどなど。 同じジャンルだけど作者によってこれだけ切り口が違う、てのが楽しめるのがアンソロジーの醍醐味ですね。 『万物理論[...

「NOVA3」大森望/責任編集 書き下ろし日本SFコレクション。特になし。 第3集は“いわゆるSF”のオンパレード。 近未来もの、宇宙、ハイテクノロジーなどなど。 同じジャンルだけど作者によってこれだけ切り口が違う、てのが楽しめるのがアンソロジーの醍醐味ですね。 『万物理論[完全版]』とり・みき…SF大将特別編ということで収録。パロディ漫画。 『ろーどそうるず』小川一水…バイクに搭載されたAIと研究所の仮想機体のオンライン会話物。設定の活かされ方が巧い!読み心地良い短編です。 『ギリシア小文字の誕生』浅暮三文…“ギリシャ小文字神話”。最初から最後まで神話の下世話さの再現である意味潔い。この人の作品はきちんとした長編を読んでみたいなあ。 『火星のプリンセス』東浩樹…前集『クリュセの魚』からつづきの作品。火星と地球がワームホールゲートでつながった後の、混乱に陥った地球月ー火星世界。起承転結の承、次作への期待が増します。 『希望』瀬名秀明…ガチンコのハードSF、分量的には中編くらいです。平易な文章で書かれた難解な主題。瀬名さんのカラー全開です。散文詩的に濃いです。この人の文学は本当に一体どこにいくのか…。『パラサイト・イヴ』のイメージ持ってる方、かなり進化してますよ。 大森さんも解説している人間とテクノロジーの関係というテーマ、ワクワクするような空想の技術も、 我々の倫理観が試されるようなオーバーテクノロジーも、どちらも味わわせてくれるSFが大好きです。(4)

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2011/08/22

 名だたる作家が作品を寄せる、書下ろしの日本SFアンソロジーも三冊目。責任編集の大森望はあえてテーマを設定せず、作家の想像力を無限に引きだそうとする。それでも一冊ごとに何となくテーマ性のようなものが浮かび上がってくるのが面白い。  今回集まった作品は下記の通り。これが日本SFの...

 名だたる作家が作品を寄せる、書下ろしの日本SFアンソロジーも三冊目。責任編集の大森望はあえてテーマを設定せず、作家の想像力を無限に引きだそうとする。それでも一冊ごとに何となくテーマ性のようなものが浮かび上がってくるのが面白い。  今回集まった作品は下記の通り。これが日本SFの最前線。 「SF大将特別編 万物理論[完全版]」(とり・みき) 「ろーどそうるず」(小川一水) 「想い出の家」(森岡浩之) 「東山屋敷の人々」(長谷敏司) 「犀が通る」(円城塔) 「ギリシア小文字の誕生」(浅暮三文) 「火星のプリンセス」(東浩紀) 「メデューサ複合体(コンプレックス)」(谷甲州) 「希望」(瀬名秀明)  帯には「日本SFの危険なヴィジョン」と銘打たれている。『危険なヴィジョン』(Dengerous Visions)といえばハーラン・エリスン編で3冊出ると言われながら3冊目がついに刊行されなかった(日本では2冊目すら邦訳されなかった)有名なアンソロジー。この名前を帯に持ってくるとは相当覚悟したのかと思うが、何にせよ『NOVA』シリーズはもう3冊目までは到達しているので、本家は超えている訳だ。  でも同じように中途半端に立ち消えなんて事にならないように編者の皆さんにはがんばってほしい。せっかく良質の作品が揃っているのだから。  巻頭を飾るのはとり・みき。シリーズ初のマンガ作品だ。「SFの定義とは何か」というSFファンなら誰でも過敏に反応しそうなテーマを凝縮したギャグで描く。あるあるネタと、ある種の郷愁に浸れるかも。もともとは『SF本の雑誌』(本の雑誌社)に掲載されたものに加筆したもの。  小川一水作品はなんとバイクを主人公にした友情(?)物語。バイクに搭載された統合制御ユニットとメーカーのフィードバックシステムの対話のみで進行し、しかもめっちゃ人間くさくてめっちゃ胸を熱くするというのが驚異的。  森岡浩之作品は「セカイカメラ」の世界の延長を描く拡張現実もの。老人が家に焼きつけた想い出とは。現在の技術でもある程度実現可能な気がする。オチはカンのいい人なら予測できるかも知れないが、これを美しいとみるかダークと見るかは読み手次第。  長谷敏司作品は解説にも書かれている通り、映画『サマーウォーズ』で肯定的に描写されていた未来社会において強固に残る家制度を、皮肉をまじえて逆から描きだす作品。家というミームに支配された人々の姿はある種グロテスクでもある。  円城塔作品は相変わらず「何書いてんのかよくわからないけど妙に魅かれる」タイプの作品。喫茶店に集う人々とそこに張り出された星図の物語だが、毎日通う喫茶店なんてのを持っている人にはたまらない感傷を呼び起こさせる。かも。  浅暮三文作品は、きっとギリシア小文字を眺めながらいろいろ想像したんだろうなあと思わせるエロバカ話。男子同士のバカトークでこういう話題が出たら問答無用で盛り上がると思う。もうギリシア小文字が直視できん。  東浩紀作品は、『NOVA2』に掲載された「クリュセの魚」の続編。というか、この後も続いて全体で1つの長編として纏められる予定だとか。火星に暮らす人類と地球に暮らす人類の間で起こった出来事は、かつて地球に存在した小さな島国の末裔が大きく関わっていた。いかにも思想家が書いたって感じのSF。これ単独でも読めなくはないが、できれば前作読了後に。  谷甲州作品は直球ストレートな土木SF。往年の谷ファンなら涙するかも。木星の大気圏に浮かぶ巨大構造物に発見された異変を調査するため、堂嶋主任は現地へ飛ぶ。現場主義の技術者のストーリーには谷スピリットが溢れている。  ラストを飾る瀬名秀明作品は、シンプルな「希望」というタイトルに幾重もの意味を読み取れる重層的な作品。重力と質量に改めて感性を研ぎ澄ませ、美しい宇宙を破壊する。新しい時代のSFを切り開く、でもまさにこの小説こそが「危険なヴィジョン」かも知れない。  いずれも野心的で先鋭的な作品ばかりだ。昔から相変わらず同じ事をやっている人もいれば、誰も見たこともない場所へ到達しようともがく人もいる。  だが着実に先へすすむ日本SFの、その現場がここにあるのだ。

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2011/08/21

アンソロジーは収録作に当たり外れがあるのが当然だけれど、今作は力作良作揃い。一気に読めた。もうNOVA5が出るっていうのにまだ3だ! 簡単に感想を。9編もある・・・ とり・みき『万物理論[完全版]』 ☆☆☆ 不毛だと毎回言ってるのに毎回盛り上がる「SFとは何か」。“SF万物理...

アンソロジーは収録作に当たり外れがあるのが当然だけれど、今作は力作良作揃い。一気に読めた。もうNOVA5が出るっていうのにまだ3だ! 簡単に感想を。9編もある・・・ とり・みき『万物理論[完全版]』 ☆☆☆ 不毛だと毎回言ってるのに毎回盛り上がる「SFとは何か」。“SF万物理論”をいま解き放て・・・いやどうかな・・・ 小川一水『ろーどそうるず』 ☆☆☆☆ 上手だなーー。バイクAI同士の友情にぐっとくる。乗りたくなるね。乗れないけど。乗せて 森岡浩之『想い出の家』 ☆☆☆ ARが発達した近未来に起こるヴァーチャル○○。あり得べき未来。少し厭な気分が残るが多分作者の狙い通り 長谷敏司『東山屋敷の人々』 ☆☆☆ アンチ・サマーウォーズねー。人が不老を獲得し、自己の遺伝子を子孫へ伝達することが不要となったとき、家族は、ミームはどうふるまうのか。感想がまとまらない。そのうち。 円城塔『犀が通る』 ☆☆☆☆ 喫茶店に集うさまざまな存在-星図や犀を含む-の語り。言葉の選び方、文章のつなげ方が秀逸。難解とシュールと洒脱の微妙なブレンド、さすがの円城節 浅暮三文『ギリシア小文字の誕生』 ☆☆☆☆ ギリシアえろ神話!うけるうける。 東浩紀『火星のプリンセス』 ☆☆ SFの設定を使った持論展開な感じが強いよなあ。ヒロインは黒髪前髪ぱっつんの強気ょぅι゙ょねーーー NOVAで連載とのことだけれど、今のところにがてです。 谷甲州『メデューサ複合体』 ☆☆☆☆ 宇宙土木SF、緻密な土木設定に、ちょっぴりミステリな仕込みもおもしろい。是非続きを。無理に終わらせた感じがどうにももったいない。 瀬名秀明『希望』 ☆☆☆☆ 力作。難しい。質量を持たない「希望」が起こす化学反応?痛みを共有する世界初のロボット、そしてそのコピー元となった少女。心が感じる痛みを何年にもわたって記録される。こうして完成した自分の分身が世界中で傷を刻まれ、さらに痛みを感じ続ける。その上で最後に残る希望とは?再読必要

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2011/06/01

ろーどそうるず、ご多聞に漏れず号泣。 火星のプリンセス、めっちゃ続いてて椅子から転げた。4買わざるを得ない! 『希望』力作。今回一番。久しぶりにページを捲る手が逸った。何回も読みなおしたい。瀬名氏、ホラーは苦手だから避けてきたけど、これは他作も読んでみたい。けど、今後の作品がより...

ろーどそうるず、ご多聞に漏れず号泣。 火星のプリンセス、めっちゃ続いてて椅子から転げた。4買わざるを得ない! 『希望』力作。今回一番。久しぶりにページを捲る手が逸った。何回も読みなおしたい。瀬名氏、ホラーは苦手だから避けてきたけど、これは他作も読んでみたい。けど、今後の作品がより一層気になる。 あとは、全体的にちょっと”設定の説明文”みたいなので困った。。。地の文が設定の羅列だとそりゃあつまらないというか我に返ってしまうよー。というのを改めて感じました。 アンソロジーなのでちょこちょこ読めて面白い。冗長さもないし。短編は力量が出るなーとも痛感。無駄が無く洗練されるしかないというか…いや火星のプリンセスは続いちゃってるけども。面白かったです、1~2よりも格段に!

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2011/05/07

どの作品も平均水準を上回る良作揃いなのだが、過去の飛浩隆、田中哲弥、津原泰水、宮部みゆき作品のような、突き抜けて魅了されるような傑作が見当たらなかった印象。瀬名秀明「希望」も力作なのは分かるが、難解と言われるのも分かる。傑作と言われるには、今一つ書き込みが足らない感じ。それでも円...

どの作品も平均水準を上回る良作揃いなのだが、過去の飛浩隆、田中哲弥、津原泰水、宮部みゆき作品のような、突き抜けて魅了されるような傑作が見当たらなかった印象。瀬名秀明「希望」も力作なのは分かるが、難解と言われるのも分かる。傑作と言われるには、今一つ書き込みが足らない感じ。それでも円城塔の相変わらずのブレなさは好き。総評★4

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2011/04/18

今回も良作ばかりのアンソロジーでした。特にお気に入りは二作。小川一水「ろーどそうるず」、バイクの心意気が格好いいと思ったのは初めてです。東浩紀「火星のプリンセス」、続きが凄く気になっていたのでNOVAでの連載は嬉しい誤算。栖花ちゃんが可愛らしいが、ほんとうに物語は一体どこに行き着...

今回も良作ばかりのアンソロジーでした。特にお気に入りは二作。小川一水「ろーどそうるず」、バイクの心意気が格好いいと思ったのは初めてです。東浩紀「火星のプリンセス」、続きが凄く気になっていたのでNOVAでの連載は嬉しい誤算。栖花ちゃんが可愛らしいが、ほんとうに物語は一体どこに行き着くのやら。他には円城塔「犀が通る」はSFと納得するのに時間がかかりましたが、いつものよくわからない面白さで、左利きとしての懐かしくも反発した記憶を思い出しました。小さい子に右手はどっちと聞かれたら後ろを向いてこっちと手を上げたい。

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2011/02/10

「ろーどそうるず」がお気に入り。ちょっぴり切なくて、こういうの好きだなあ。 1、2巻と比べると、全体的にSFっぽいSFが多いかもしれない。安心して読めるSFというか。すこし懐かしい気持ちになるというか。懐かしいと言っても、古臭いんじゃなくて、わくわく感が小中学生の頃にSF読んだ時...

「ろーどそうるず」がお気に入り。ちょっぴり切なくて、こういうの好きだなあ。 1、2巻と比べると、全体的にSFっぽいSFが多いかもしれない。安心して読めるSFというか。すこし懐かしい気持ちになるというか。懐かしいと言っても、古臭いんじゃなくて、わくわく感が小中学生の頃にSF読んだ時みたいだったからかな。 あと、「火星のプリンセス」も続き早く読みたいな。

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2011/01/10

少女の共感をベースにした共通規格を持つアンドロイドによって痛みの数値化が実現するという「希望」がベスト。何回か読み直したい。他にも「ろーどそうるず」「ギリシア小文字の誕生」などの軽さも好き。

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2011/01/08

1、2巻と比べると、かなり読み応えありな内容。 全体的に作品のテイストというかテーマ性が似ている感があるのは、今の日本SFの流れなのか、大森望の意向なのか。 好きだったのは円城塔『犀が通る』、浅暮三文『ギリシア小文字の誕生』、長谷敏司『東山屋敷の人々』。

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2011/06/26

ろーどそうるずっていうのに涙した よくわからないけど、物に感情を感じるところとか結構好きです 今は乗っていないけど、バイクが好きだったんだなと思う またバイクに乗りたくなって来た

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