加害者家族 の商品レビュー
どちらも望んでなりたくはないが、加害者家族になるよりは被害者家族になるほうがまだ良いと思ってきたが、本書によりその思いをより強くした。 殺人などの凶悪犯罪は特にだが、加害者を擁護するつもりは全くない。ただ、その家族が受ける代償があまりにも大きすぎることに愕然とした。 確かに少年犯...
どちらも望んでなりたくはないが、加害者家族になるよりは被害者家族になるほうがまだ良いと思ってきたが、本書によりその思いをより強くした。 殺人などの凶悪犯罪は特にだが、加害者を擁護するつもりは全くない。ただ、その家族が受ける代償があまりにも大きすぎることに愕然とした。 確かに少年犯罪などでは保護者に絶対責任はあると思う。しかし、兄弟、親戚にまで強烈なバッシングがおよぶとは、日本で加害者家族が置かれる状況にぞっとした。 このようなことは交通事故でも起こり得るというのが恐ろしい。誰もが突然被害者家族に、加害者家族になり得るのだ。 本書でも書かれている通り、被害者家族支援の一層の充実とともに、加害者家族についても支援体制が整備されることを望む。
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メモ 『世間』においては人権や権利はない。あるのは『贈与.互酬の関係』、つまり『お互い様』ていう関わりだけだ。 西欧的な意味での『個人』は『世間』には存在していない。西欧的な社会の概念では、一人ひとりの確立した『個人』が集まって『市民社会』を作り上げているのに対して、日本は個々...
メモ 『世間』においては人権や権利はない。あるのは『贈与.互酬の関係』、つまり『お互い様』ていう関わりだけだ。 西欧的な意味での『個人』は『世間』には存在していない。西欧的な社会の概念では、一人ひとりの確立した『個人』が集まって『市民社会』を作り上げているのに対して、日本は個々人があいまいな『世間』によって成り立っている
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真面目に注意深く生きていても、こうなるかもしれない。そう思うと家族が嫌になる瞬間もあったりして。でもみんながみんなこんな風に責める人間ではないだろうし、でも自分の周りに加害者家族がいたら、やっぱりこんな風になるのかもしれない。あるいは守ってあげられないかもしれない。考えれば考える...
真面目に注意深く生きていても、こうなるかもしれない。そう思うと家族が嫌になる瞬間もあったりして。でもみんながみんなこんな風に責める人間ではないだろうし、でも自分の周りに加害者家族がいたら、やっぱりこんな風になるのかもしれない。あるいは守ってあげられないかもしれない。考えれば考える程「しれない」だらけで自分がわからなくなり、読むのがしんどくなったところもあった。アメリカ人の加害者家族への心情は日本人のそれと真逆でそれに何より驚いた。宗教によるものかしら? 海外にある様な加害者の華族をサポートする組織が日本にもあればいいと思う。そしてたくさんの人が、それをちゃんと受け入れられる日本人になるといいと思う。
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罪を犯した加害者本人ではなく加害者の家族や周りの環境に焦点を当てている。 当事者にでもならないと、気持ちは理解できるはずもないが、加害者の家族の悲痛な思いの一端は認識できた。 世間という剥き出しの刀で、暗闇から関係者を切り裂いていく様相は不気味であり恐怖を感じざるを得ない。
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自分自身は犯罪をしていない。でもしかし、もし仮に自分の"身内"が犯罪行為に関わっていたとしたら…。 今までその立場上、焦点を当ててこられなかった加害者家族。彼らがある日突然直面することになる「加害者家族」としての現実に迫りながら、海外や日本での加害者家族への支援策などについても紹...
自分自身は犯罪をしていない。でもしかし、もし仮に自分の"身内"が犯罪行為に関わっていたとしたら…。 今までその立場上、焦点を当ててこられなかった加害者家族。彼らがある日突然直面することになる「加害者家族」としての現実に迫りながら、海外や日本での加害者家族への支援策などについても紹介されている。特に実際の事件の加害者家族を追った部分は読むだけで息苦しい。 「加害者家族」というタイトルながら、単に「加害者家族」を追ったルポという枠にとどまらず、日本社会の特質、つまり顔の見えない「世間」というものが持つ力をもあぶり出している。関係なき者が振りかざす正義。ある事件と直接的な関係を持たない第三者が正義を唱え、加害者自身だけでなく、加害者「家族」も徹底的に糾弾される。確かに、加害者家族が被害者とはまったく無関係に、何の償いもなく生きることは許されるべきではないのかもしれない。でも彼らを糾弾し、窮地に追い込むのは往々にして顔の見えない第三者なのである。償いは犯罪者とその直接的・間接的な関係者、犯罪被害者とその遺族、そして「世間」を代表した国家権力の三方間で行われるべきものではないのだろうか?そこに入り込んでくる「見えない第三者」とは一体何者なのだろうか? 本書の中にこんな記述がある。 ◼️p158 西欧的な意味での「個人」は、「世間」には存在していない。西欧的な社会の概念では、一人ひとりの確立した「個人」が集まって「市民社会」を作り上げているのに対して、日本は個々人があいまいな「世間」によって成り立っているというのが、その概念の簡単な説明になる。 あいまいな「世間」、顔の見える相手に対し、顔の分からない状態で非難するのはやはり理不尽だ。彼らは第三者は、直接的な関係を持たない事件の中に自分自身を投影し、そして彼らの中で生じた怒りを現実の加害者や加害者家族にぶつける。 たとえ家族の一員が罪を犯しても、やはり他の家族は生きていかなくてはならないのである。その生き方について、正しい唯一の答えはないのかもしれないが、この本は考えるきっかけを与えてくれる。自分には本書の中の引用部分が一番納得できた。 ◼️p191 「でもいまの自分は被害者でも加害者でもない。第三者だからこそ社会の中でやれること、やるべきことがあるのだと思う」 第三者として、どういう態度であるべきだろう?
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読んでいる途中ですが、怖くてページがめくれなくなる…(涙 「累犯障害者」(http://booklog.jp/item/1/4101338728)を読んだ後に読むと、感情的になってしまう…。 レビュは冷静になった頃に追って…(何
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最近でこそ、被害者対策基本法ができて、まだまだ不十分とはいえ被害者にも様々な支援が支援がなされるようになってきたけど、意外と加害者の家族に対する家族への視点は欠けていた(敢えてそうしていた?)という視点で書かれた本。 事件の「その後」について取材が難しいと思われる中、とても勉強...
最近でこそ、被害者対策基本法ができて、まだまだ不十分とはいえ被害者にも様々な支援が支援がなされるようになってきたけど、意外と加害者の家族に対する家族への視点は欠けていた(敢えてそうしていた?)という視点で書かれた本。 事件の「その後」について取材が難しいと思われる中、とても勉強になった1冊。 裁判員裁判徐々に根付きつつある昨今、そうした立場になったときに読むといいかもしれないなと。
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『加害者家族とどう向き合っていくかについては、ごく普通の生活をしている人にとっては、縁遠い問いかけかもしれない。しかし、犯罪をゼロにするのは簡単なことではない。むしろ私たちは、犯罪に巻き込まれて被害者になったり、加害者出なくとも加害者の家族になったりする可能性があることを心得てお...
『加害者家族とどう向き合っていくかについては、ごく普通の生活をしている人にとっては、縁遠い問いかけかもしれない。しかし、犯罪をゼロにするのは簡単なことではない。むしろ私たちは、犯罪に巻き込まれて被害者になったり、加害者出なくとも加害者の家族になったりする可能性があることを心得ておくべきだろう。』(194頁) これに尽きる気がします。
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著者には、ほかに「新聞消滅大国アメリカ」などの著書がある。 多くの事例が書かれており、衝撃を受けた。 たとえば、和歌山のカレー毒物事件の犯人宅が放火されたとか、幼児殺害事件の犯人の父親が自殺したとか。 加害者の家族へのいやがらせが日本では多いが、米国では逆に励ましという形で他者が...
著者には、ほかに「新聞消滅大国アメリカ」などの著書がある。 多くの事例が書かれており、衝撃を受けた。 たとえば、和歌山のカレー毒物事件の犯人宅が放火されたとか、幼児殺害事件の犯人の父親が自殺したとか。 加害者の家族へのいやがらせが日本では多いが、米国では逆に励ましという形で他者が係ることが多いとの記述があったが、この辺も衝撃を受けた。
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心が凍るとはこういうことか。けして自分が犯した罪ではないにも関わらず、本人より精神的に追い込まれる加害者家族の心境がいくばくか理解できた。 被害者やその家族、自分の家族や自分の周辺と言った以前の取り巻きに加えて、匿名のネット住民が参加してきたことで、苦悩がますます増えることとなっ...
心が凍るとはこういうことか。けして自分が犯した罪ではないにも関わらず、本人より精神的に追い込まれる加害者家族の心境がいくばくか理解できた。 被害者やその家族、自分の家族や自分の周辺と言った以前の取り巻きに加えて、匿名のネット住民が参加してきたことで、苦悩がますます増えることとなってきているんだね。 自分が犯罪犯した顛末として、妻やムスメは父や兄弟、親戚まで地獄に突き落とすとは何とも業が深い。 昔の人が、呪いをかける時には『人を呪わば穴二つ』と言ったものだが、今では『罪を犯せば穴二十個』なんだ。
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