加害者家族 の商品レビュー
前半の半分近くが加害者家族が苦悩した事例で、目新しい情報が少ないのが残念に感じたが、主に後半は海外との国民性の違いや加害者支援の仕組みについて解説されており、参考になった。犯罪率が高いアメリカなどの方が、加害者家族に対して励ましの手紙が送られてきたり、マスコミに対して顔出しで自ら...
前半の半分近くが加害者家族が苦悩した事例で、目新しい情報が少ないのが残念に感じたが、主に後半は海外との国民性の違いや加害者支援の仕組みについて解説されており、参考になった。犯罪率が高いアメリカなどの方が、加害者家族に対して励ましの手紙が送られてきたり、マスコミに対して顔出しで自らの意見をはっきり述べたりするというのは面白い指摘だと思った。 ある日突然自分が加害者家族になるというのは、交通事故のように誰に起きてもおかしくない。ワールドオープンハートのような団体の存在や活動を知っておくことは、加害者支援だけでなく自分が社会で孤立しないための自衛策にもなると思う。
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P21)口を閉ざす加害者家族「被害者を思うと、加害者側の人間は苦しいとか悲しいとか、そんかことを訴える立場では無い」 P41)夫が殺人事件を起こし、パパラッチたちに自宅を包囲され、夜中に自宅に帰ると落書きされていることを知り愕然。 学校を転校することになり、息子がお別れをしに校...
P21)口を閉ざす加害者家族「被害者を思うと、加害者側の人間は苦しいとか悲しいとか、そんかことを訴える立場では無い」 P41)夫が殺人事件を起こし、パパラッチたちに自宅を包囲され、夜中に自宅に帰ると落書きされていることを知り愕然。 学校を転校することになり、息子がお別れをしに校庭へ行った時、無邪気に遊ぶ彼を見た母親の心境。「事件に直接関係のない子供に、なんでこんな(辛い)思いをさせなければならないのか。」 P46)夫の件を友人に相談したことで、友人は主人と仲が悪くなり離婚、本人もうつ病になってしまった。 「誰かに相談することにより、その人をかえって追い込むことになる。」 P67)加害者の家族は、本人以上に苦しむことがあるのだと 加害者にも家族がいる。本人が犯した犯罪なのに家族も同じかそれ以上に世間から責められるのは非常に心苦しい。 今ではインターネットも普及しており、何か事件が起こるとすぐネットに晒され、実名や写真が出回り個人情報が特定されてしまう。 犯罪者に人権がないかとばかりな、あまりになにもかも筒抜けな現状。 中でも、夫が殺人事件を犯したことにより家に帰れなくなり、息子を2度も転校させる結末になった家族の話には胸が痛くなった。 妻も子供も何悪くないのに、家族だというだけで責めされてしまう。 逮捕され刑務所の中にいる夫は彼女らの逃げるような生活を知らず、「ムショから出たら家族みんなで暮らしたい!」と呑気な発言。私たちがどんな苦しい思いをしているか、、何も知らない呑気な人間。 と、妻の怒りはおさまらない。 今も昔も殺人事件などの犯罪は無くならないが、もし自分が犯罪を犯してしまった、残された家族がどんな虐げを受けるか思いめぐらす想像力を持ちたい。
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今月18冊目 ★★★ いやー厳しいよな、犯罪者の家族、親族。 宮崎勤の父親は自殺したし兄弟は結婚もできず従兄弟たちもめちゃくちゃ。 一方アメリカは親元にダンボールで頑張れと支援が来る。どちらが良いかはわからないが日本は人の目をとにかく気にする人種。 うちも小僧まともに育つようなん...
今月18冊目 ★★★ いやー厳しいよな、犯罪者の家族、親族。 宮崎勤の父親は自殺したし兄弟は結婚もできず従兄弟たちもめちゃくちゃ。 一方アメリカは親元にダンボールで頑張れと支援が来る。どちらが良いかはわからないが日本は人の目をとにかく気にする人種。 うちも小僧まともに育つようなんとかします
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「もし自分の家族が犯罪者になってしまったら。」 こんな想像を真剣にしてみたことのある人はそれほど多くないかもしれない。SNS時代にあっては、加害者家族のプライバシーはあってないようなそんなご時世で、人権とは何かを考えさせられる本。一度は皆に手に取って読んでほしい。道徳や倫理観も大...
「もし自分の家族が犯罪者になってしまったら。」 こんな想像を真剣にしてみたことのある人はそれほど多くないかもしれない。SNS時代にあっては、加害者家族のプライバシーはあってないようなそんなご時世で、人権とは何かを考えさせられる本。一度は皆に手に取って読んでほしい。道徳や倫理観も大切だけれど、大切なのは想像力なのかなと感じさせられる。
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加害者とどう向き合うべきか。向き合う必要はあるのか。 様々な地域の事例や海外との比較も。 やや、加害者家族に寄り添いすぎた文章(なぜ加害者が事件を起こしたのかが省かれた文章)などがあり注意が必要。
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幼児期に親から十分な愛情を与えてもらえず、怒られてばかりいると、思春期に犯罪者になる。 しかもこのタイプの子供は、逃げる被害者を必要に追いかけて殺害する。 親に怒られる恐怖心からそうするらしい。 いい子で大人しくて、と皆がいうような子がこのタイプ。 一方、小学低学年の頃から数...
幼児期に親から十分な愛情を与えてもらえず、怒られてばかりいると、思春期に犯罪者になる。 しかもこのタイプの子供は、逃げる被害者を必要に追いかけて殺害する。 親に怒られる恐怖心からそうするらしい。 いい子で大人しくて、と皆がいうような子がこのタイプ。 一方、小学低学年の頃から数々の悪事を働いており、リンチグループのリーダー格になるような子は、イキっているため残虐になる。そのリーダーの取り巻きは、グループに属する事で自分が強くなったような感覚を持つ。 こういったグループは、最終は軽い暴力から始まるが集団心理が働くためエスカレートし 最終的には残念な方法で被害者殺害にまで及んでしまう。
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西欧では「個人」が集まって「市民社会」を作ってるのに対して、日本は個々人があいまいな「世間」によって成り立っている。 「世間」においては人権や権利はない。あるのは「お互い様」という関わりだけ。 たしかに、「世間」て日本特有の意味を持った世界観かもしれない。 こんな世界だと、加害...
西欧では「個人」が集まって「市民社会」を作ってるのに対して、日本は個々人があいまいな「世間」によって成り立っている。 「世間」においては人権や権利はない。あるのは「お互い様」という関わりだけ。 たしかに、「世間」て日本特有の意味を持った世界観かもしれない。 こんな世界だと、加害者個人だけではなくその家族が叩かれ生きづらい思いをする。自分が今まで通り生活してはいけないんだと思ってしまう。 少年犯罪の親とか加害者が犯罪を起こすにあたって責任がある立場の家族もいるとは思う。でも、関係ない家族まで生きづらくなるのはつらいな。 被害者家族とか、別の事件で被害にあった方の関係者であれば加害者家族に対して憎らしい気持ちを持つのはわかる。でも、まったく関係ない第三者が、野次馬根性だったり行きすぎた正義感で、加害者家族を攻撃するのは間違ってる。その感情を煽るようやことをするメディアも間違ってる。 私は加害者家族でも被害者家族でもない。だからどちらの気持ちも本当はわからない。だからわかったようなフリして、単に興味関心を煽るような報道の仕方をするメディアの言うことを鵜呑みにして、あーだこーだ論じることはしないように気をつけよう。 アメリカでは少年犯罪を犯した親が実名でテレビにでたところ、激励の手紙がたくさん届いたという。 出所して再犯しないようにするには、家族のサポートって本当重要だ。サポートするためには家族は普通に生活できてなきゃいけない。だから、加害者家族を支援することは犯罪の再犯防止に役立つんだってことも考えなきゃいけない。
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アメリカ社会は加害者家族に優しく激励する手紙が多く届いた、というのは驚いた。 が、本当だろうか。日本人の自分の価値観からすると少し信じがたい。 本書に掲載されていた。自分の子が殺された被害者家族が民事訴訟を起こし○千万円の賠償金という判決がでた、というニュースをたたく人。そのよう...
アメリカ社会は加害者家族に優しく激励する手紙が多く届いた、というのは驚いた。 が、本当だろうか。日本人の自分の価値観からすると少し信じがたい。 本書に掲載されていた。自分の子が殺された被害者家族が民事訴訟を起こし○千万円の賠償金という判決がでた、というニュースをたたく人。そのようなコメントは自分も見たことがある。しかも一人二人ではなく、むしろそのニュースのコメント欄では多数派といってもいいくらいだった。とてもではないがその感覚が理解できなかった。 この本では、被害者、加害者という枠ではなく、「社会」を乱す者に対して爪弾きにすることがある、と分析されており、なるほどと思った。 少年犯罪の親という加害者家族などは難しい立場だが、すくなくとも、加害者の子供や兄弟は責任は一切ない。むしろ被害者だと思う。加害者にかかわった人に正義の混紡を振りかざす第三者こそ加害者になりかねない。 最近、そのような考えも広まってきているように感じる(少なくとも自分の目に入るネット世界では)。
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そうなんか。宮崎勤元死刑囚って父親が自殺してるんやな。そうかと思えば、リンチ殺人の少年を庇う親もおるんやな。どっちも人間の側面なんかな。 トラヴィス ハーシの社会的絆論 1 愛着 2コミットメント 3 規範意識 4関与 以上が人に犯罪を思いとどまらせる。
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本書の著者はNHKで「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」などのドキュメンタリーを手掛ける報道番組ディレクター。強盗や殺人、あるいは交通事故などによる被害者家族はマスコミの取材に晒されるなどの二次被害で心の傷が癒える間もないが、その一方で「加害者家族」はそれ以上に凄惨な暮ら...
本書の著者はNHKで「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」などのドキュメンタリーを手掛ける報道番組ディレクター。強盗や殺人、あるいは交通事故などによる被害者家族はマスコミの取材に晒されるなどの二次被害で心の傷が癒える間もないが、その一方で「加害者家族」はそれ以上に凄惨な暮らしが強いられている。夫や息子が犯罪を犯したという大ショックに加え、嫌がらせの電話や落書き・さらにはネットによる罵詈雑言などで追い込まれた家族が自殺を選ぶケースも少なくない。自分の家族がいつ犯罪者になるかも知れないという実社会の中で、まさに他人事ではない実態を明らかにする。
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