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むこうがわのあのこ の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2023/02/16

〝その夏、町を仕切る柵が、いつもより大きく見えた。私たちは、柵のこっち側に住んでいた。柵の向こう側には、白い人たちが住んでいた。「向こう側に行ってはだめよ。危険ですからね」ママは、そう言っていた〟・・・その夏、女の子がひとり、柵の処にやってきた。 やがて、二人の少女は言葉を交わす...

〝その夏、町を仕切る柵が、いつもより大きく見えた。私たちは、柵のこっち側に住んでいた。柵の向こう側には、白い人たちが住んでいた。「向こう側に行ってはだめよ。危険ですからね」ママは、そう言っていた〟・・・その夏、女の子がひとり、柵の処にやってきた。 やがて、二人の少女は言葉を交わすようになり…。人種の壁を乗り越えて友情が芽生える、アメリカの児童文学作家ジャクリ-ン・ウッドソンの心打つ和みの絵本の再読。

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2023/01/23

ひまわりの眩しい、夏の牧歌的風景において、ごく自然に佇んでいるかに見える、その柵は、人種が異なることにより、安全を確保する目的で、仕切られているという。 しかし、本当に危険だと思うならば、いっそのこと、向こう側が何も見えないくらいの、厳重な厚い壁でも張り巡らせればいいとも思うが...

ひまわりの眩しい、夏の牧歌的風景において、ごく自然に佇んでいるかに見える、その柵は、人種が異なることにより、安全を確保する目的で、仕切られているという。 しかし、本当に危険だと思うならば、いっそのこと、向こう側が何も見えないくらいの、厳重な厚い壁でも張り巡らせればいいとも思うが、そうしないのは、おそらく、どこかでそうしたくない願いというものもあるのだと、私は感じております。 『この うえに のぼると いい きぶんなの。 ずっと とおくまで みえるよ』 『こういう さくは、こしかけるために あるのよ』 本書の原題である、「THE OTHER SIDE」には、『向こう側』という意味の他に、『逆の見方』という意味もあり、柵に登ってずっと遠くまで見えるというのは、もっと世界を広い視点で見ようよといった、メッセージにも感じられて、それを子供たちに考えさせるような展開も、大人とはまた違った柔軟な思考法を教えてくれて良いと思います。 そして、その柵がお互いの世界を狭めさせたのなら、そこに登って更なる広い世界を見ればいいといった、正に逆転の発想には、私自身の人生に於ける、新たな物の見方を教えられた気がしましたし、日本人にとって馴染みの薄い、多様な人種が隣り合わせで生活する社会を、絵本で知ることのできる、手軽ながらも意義深い、こうした機会をこれからも大切にしていこうと思いました。

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2022/06/27

「こんな ふるい さく、  そのうち だれかが きて とりこわすよね アニーが いった 肌の色の違いで人を分けることって、できっこない。そんな切なる思いが伝わってくる。(6分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #ジャクリーンウッッドソン #EBルイス #さくまゆみこ #光村...

「こんな ふるい さく、  そのうち だれかが きて とりこわすよね アニーが いった 肌の色の違いで人を分けることって、できっこない。そんな切なる思いが伝わってくる。(6分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #ジャクリーンウッッドソン #EBルイス #さくまゆみこ #光村教育図書

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2021/01/25

ジャクリーン ウッドソン (著), E.B. ルイス (イラスト), Jacqueline Woodson (原著), E.B. Lewis (原著), さくま ゆみこ (翻訳)

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2020/11/24

人種の違いから柵で隔たれた家に住み、お互いむこうがわに行ってはいけないと親に言われている子どもたちの交流

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2022/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【読み語り6分】◆柵があっても 子どもの心は超えていく。柵という境界を無効にする二人の発想に感動する。◆小学生に向けての読み語りを聴く。遊ぶ子どもの絵が生き生きとして実によいので、軽くはないメッセージの対象年齢よりも小さい子どもたちも惹きつけられていたようだった。

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2014/09/18

あの子と私の住んでる間にはなぜ柵があるの?乗り越えられないと思いこんでいる大人の前で子どもたちは「腰かけるためにある」と解釈した。何の束縛も偏見もない子どもたちが未来を変えてゆく。

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2012/06/03

ストーリーは簡潔で、わかり易いですが、とても意味深い1冊。 他国人種の住むアメリカならではの話です。「さく」を隔てて住む黒人と白人の女の子。その「さく」は昔からある境界線。しかし子供にはそんなもの関係ありません。 水彩タッチのリアルなイラストが、臨場感をが伝わってきます。 ...

ストーリーは簡潔で、わかり易いですが、とても意味深い1冊。 他国人種の住むアメリカならではの話です。「さく」を隔てて住む黒人と白人の女の子。その「さく」は昔からある境界線。しかし子供にはそんなもの関係ありません。 水彩タッチのリアルなイラストが、臨場感をが伝わってきます。 文章は、ひらがな、カタカナ(漢字なし)なので、低学年から読めると主ます。ただアメリカの背景などを理解して読むには高学年向きかな? 娘(小3)には、まだ理解できない部分があったかもしれませんが、少しでも、頭の隅に、この絵本のイラストと内容が、記憶に残っていてくれれば、それで良しです。

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2011/10/01

町をしきるさくがある。 むこうがわには、白いひとたちがすんでいた。 「むこうがわに入ってはいけません。きけんですからね。」 と、大人はいう。 でもいつもひとりの女の子が、さくに登ってこっちを見てる。 しろい女の子はなわとびにいれてもらえない。 わたしだったら、なんて言うかな...

町をしきるさくがある。 むこうがわには、白いひとたちがすんでいた。 「むこうがわに入ってはいけません。きけんですからね。」 と、大人はいう。 でもいつもひとりの女の子が、さくに登ってこっちを見てる。 しろい女の子はなわとびにいれてもらえない。 わたしだったら、なんて言うかな。 長い間人種差別に苦しんできたアメリカという国。 ひろい世界に憧れるこども達を遠くから見守る母の思いが素敵だ。

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2011/02/04

昨年、同作者の児童書「わたしは、わたし」を読んだ。人としてのアイデンティティーについて、様々に考えさせられるお話だった。 この絵本は、絵本のスゴイところを感じさせてくれる。このページ数、この文字数で、こんなにも多くのことを語っている。 同じ人種問題で苦しんだ過去も持っているであろ...

昨年、同作者の児童書「わたしは、わたし」を読んだ。人としてのアイデンティティーについて、様々に考えさせられるお話だった。 この絵本は、絵本のスゴイところを感じさせてくれる。このページ数、この文字数で、こんなにも多くのことを語っている。 同じ人種問題で苦しんだ過去も持っているであろう母親の一言が、とても素敵だ。

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