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カンディード の商品レビュー

3.6

20件のお客様レビュー

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2023/07/23

ジェットコースターストーリー ゲーテやシェイクスピアも好きだが、展開の移り変わりのスピード感がもの凄いうえ、何故か読みやすいのが凄い。 ヴォルテール先輩さすが。 大好きな小説TOP5に入る名著。

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2023/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1700年代の時代の著者が、世界各地で様々な不幸に遭う人々をファンタジー的に描く。 最善説(オプティミズム)に対する批判でもある。 「しかし、ぼくたちの庭を耕さなくてはなりません」(459頁)

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2021/01/31

ミクロメガスが楽しくて好き。 経験論に対する強い肯定と、ライプニッツ哲学に対する強い否定。 ヴォルテール、好き嫌い激しそう。

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2020/07/02

P454「(大地を耕し、飲み、食べ、眠り、そして)沈黙することだ」この()内の言葉を線を引いて削除していることが注釈に書かれているのがいい。最善説というにはあまりに厳しい境遇とエルドラードでの経験を経て労働に至る。平穏は退屈だから失うまでその良さに気づかないのかなぁ。ただカンディ...

P454「(大地を耕し、飲み、食べ、眠り、そして)沈黙することだ」この()内の言葉を線を引いて削除していることが注釈に書かれているのがいい。最善説というにはあまりに厳しい境遇とエルドラードでの経験を経て労働に至る。平穏は退屈だから失うまでその良さに気づかないのかなぁ。ただカンディードだけを読むよりも5編のコントと一緒に読める岩波文庫がいいかも。

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2016/01/05

『カンディード』。18世紀フランスの啓蒙思想家ヴォルテールの代表作が、ついに光文社古典新訳文庫から出版されました。本書は、当時ヨーロッパで有力な思想となっていたライプニッツの「最善説」を背景とした小説です。 主人公カンディードは、「神によって創造されたこの世界ではすべてが最善で...

『カンディード』。18世紀フランスの啓蒙思想家ヴォルテールの代表作が、ついに光文社古典新訳文庫から出版されました。本書は、当時ヨーロッパで有力な思想となっていたライプニッツの「最善説」を背景とした小説です。 主人公カンディードは、「神によって創造されたこの世界ではすべてが最善である」という恩師の教えを素朴に信じている青年。しかし、男爵の娘と恋に落ちてしまったがために故郷を追放され、彼の受難が始まります。戦乱やリスボン大地震、盗賊や裏切りなど数々の不幸がカンディードを襲い、「最善説」への信頼が試されることになるのです。 ここにはもちろん、著者ヴォルテールによる「最善説」への鋭い批判があります。この世界では毎日のように悲惨な出来事が起きているのに(本書は1755年のリスボン大地震をきっかけに執筆されました)、「すべては最善である」と主張することは、苦しんでいる人々の痛みを無視することであり、「生の苦しみに対する侮辱」ではないかとヴォルテールは考えたのです。 一方で、風刺の対象となった「最善説」は、本書においてはかなりアンフェアな仕方で扱われているようにも思えます。ライプニッツ自身の「最善説」は今日でも通用する意義を持った思想と言えますが、こうした点については「解説」においてバランスのとれた説明がされています。 多くの災害や人間の悪事を経験したカンディードが、どのような境地に至るのか。ラストの有名な一言も含めて、ぜひご自分で確かめてみて下さい。古典新訳文庫シリーズの他の訳書同様、訳文は現代的でこなれていて、とても読みやすくなっています。 (ラーニング・アドバイザー/人社 KURIHARA) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら ※レビュー本(光文社古典新訳文庫,2015)は所蔵していないため、ヴォルテール作、植田祐次訳「カンディード : 他五篇」岩波文庫2005年の所蔵情報をご案内します。 http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1223493

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2015/11/27

「カンディード」そのグロさエグさに想像力が悲鳴をあげる。でも大味な心情描写やいかにも翻訳調な語りのおかげか、悲惨な展開にありながらも人物は妙な落ち着きを呈しており、そのアンバランスさについ失笑してしまう。それともこれが最善説の世界か。

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2015/11/08

意外にもコスモポリタンな物語で、結構楽しめた。思想的背景については、Booklogにあるほかの方たちのレビューが巻末の解説よりも参考になる。騙されやすい、もしくは善良な男が災難に遭いながら世界各地を転々とするパターンのストーリーが多いのは、欧州を転々としたヴォルテール自身の人生が...

意外にもコスモポリタンな物語で、結構楽しめた。思想的背景については、Booklogにあるほかの方たちのレビューが巻末の解説よりも参考になる。騙されやすい、もしくは善良な男が災難に遭いながら世界各地を転々とするパターンのストーリーが多いのは、欧州を転々としたヴォルテール自身の人生が影響してもいる気がした。 1.ミクロメガス 2.この世は成り行き任せ 3.ザディーグまたは運命 4.メムノン 5.スカルマンタドの旅物語 6.カンディードまたは最善説

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2013/04/26

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉で有名な(実は本人の言葉ではないが)、理性を信頼し自由を信奉する18世紀の啓蒙主義者による哲学コント。表題作ではユートピアやガリヴァー旅行記といった寓話を参考にし、リスボン大地震や七年戦争とい...

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉で有名な(実は本人の言葉ではないが)、理性を信頼し自由を信奉する18世紀の啓蒙主義者による哲学コント。表題作ではユートピアやガリヴァー旅行記といった寓話を参考にし、リスボン大地震や七年戦争といった同時代の悲劇を踏まえてライプニッツの最善説を悪や不幸から目を逸した滑稽な思想なのだと批判する。禍福は糾える縄の如し。現代でも善意によって広まる流言や安易でお手軽な自己啓発が蔓延している状況を考えると、笑うに笑えない読後感。

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2012/11/10

18世紀の哲学・宗教事情に明るければもっと楽しめたかもしれませんが、物語の形をとっているので知らない私でも問題なく読め、ヴォルテールの「風刺! 皮肉らずにはいられないッ!!」という声が聞こえた気がしました。この人なかなか弾けた御仁らしく、貴族と何度もトラブルを起こしたり、バスティ...

18世紀の哲学・宗教事情に明るければもっと楽しめたかもしれませんが、物語の形をとっているので知らない私でも問題なく読め、ヴォルテールの「風刺! 皮肉らずにはいられないッ!!」という声が聞こえた気がしました。この人なかなか弾けた御仁らしく、貴族と何度もトラブルを起こしたり、バスティーユに投獄されたり、一時は宮廷に身を置きながらも結局は飛び出したりで、周りの人には「やー、あの人スゴいんだけど付き合いづらいんだよね」なんて言われてたかも? と思わせてくれ、そんな彼の思考の立ち位置の変遷も感じられる作品集でした。

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2012/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

風刺小説の形式でライプニッツ哲学の楽天主義を痛烈に批判しています。ここで批判している楽天主義は、パングロス博士の言動に象徴される「あらゆる事物は合目的に作りだされていて、ゆえにこの世はすべて最善である」というものです。時々ハウツー本や雑誌にある"楽観主義"(行動を伴わなずに、できると思うだけで達成できる)に通じるものがあると思いました。 『生き物たちは3/4が好き』で"パングロス的な"との表現があったのをきっかけに手に取りました。哲学や思想の本はほとんど読んだことがないのですが、訳も良く物語としても面白く読めました。他5編では、『この世は成り行き任せ』『ザディーグまたは運命』が良かったです。

Posted byブクログ