スウェーデン・パラドックス の商品レビュー
高福祉と高額な税負担といったイメージのスウェーデン。 その社会保障のイメージが変わる一冊。 個人的は、受益と負担の関係が興味深かった。
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「北欧=桃源郷」論を粉砕し、我が国の社会保障・税制改革を促す記念碑作 http://www.amazon.co.jp/review/R39XXU2T8GGA3T/ref=cm_cr_rdp_perm
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社会保障とIKEAなど企業のことぐらいしか知らなかったスウェーデン。 スウェーデンは、社会保障面では「大きな政府」だが、高水準の福祉や社会保障を維持するためには、常に、産業構造を高度化・転換し、持続的な経済成長を追及していく必要がある。我々は、企業活動を支える産業政策面ではスウェ...
社会保障とIKEAなど企業のことぐらいしか知らなかったスウェーデン。 スウェーデンは、社会保障面では「大きな政府」だが、高水準の福祉や社会保障を維持するためには、常に、産業構造を高度化・転換し、持続的な経済成長を追及していく必要がある。我々は、企業活動を支える産業政策面ではスウェーデンは「小さな政府」であるという事実を銘記すべきだろう、と著者はいっています。 スウェーデンの場合は不況や景気後退に直面すると、為替レートが大幅なクローナ安に振れ、国際競争力の回復に重要な役割を果たしてきた。スウェーデンは、EUには加盟しているがユーロには参加しておらず、変動相場制はスウェーデンの国際競争力維持にとって重要な意味を持っているとのことです。 また社会保障に関して言えば、家族関係支出の対GDP比は3.2%と日本の4倍に達するが、スウエーデン政府はこれを人的投資と位置づけ、将来の税収増など見返りは大きいと認識してされています。 スウェーデンの高い国際競争力の基本的な要因は①強調的な労使関係と円滑な産業構造転換、②高い教育水準、③ITインフラの整備、④研究開発投資とイノベーションを生み出す産官学連携、⑤税制面の優遇措置の5つである。ただし、スウェーデンも歴史的経緯をつぶさに見ると、順風満帆に今日まで来ているわけでは決してない。過去、様々な経済停滞や経済・金融危機などを経て、国民に痛みの伴う産業構造調整や構造改革を実施してきたとしています。 本書を読んでこれからますます人口構造は変わっていく日本の将来に向けてやるべきことのヒントがみえてくるようです。
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現在の日本社会、これからの日本社会を考えたい人に、大変良い本だと思います。経済社会の在り方、税負担の在り方、労働のインセンティブ、社会福祉と最低保障、公共サービスの提供方法などなど、スウェーデンの状況を分かりやすく紹介してくれています。高福祉・高負担と高い経済成長率とが一体のもの...
現在の日本社会、これからの日本社会を考えたい人に、大変良い本だと思います。経済社会の在り方、税負担の在り方、労働のインセンティブ、社会福祉と最低保障、公共サービスの提供方法などなど、スウェーデンの状況を分かりやすく紹介してくれています。高福祉・高負担と高い経済成長率とが一体のものとして実行されている国のあり様をそのまま現在の日本に導入することは困難だし、それと逆の国のあり様を構想することも可能でしょう。あえて、私が選択を迫られるとすれば、スウェーデン型の社会を選ぶ、と思いますが自信を持って断言もできません。いずれにしても、日本国民そろそろ腹を決めるしかない、そのために大いに参考になる本だと思います。
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高い福祉社会のイメージが一変された 最小限の生活保障で働かざる者が豊かにならない、競争主義社会 日本は中国人に社会主義国と揶揄される。国が弱者(かどうか分からないけど)を裕福にし、国民はますます国を頼る。 スウェーデンは、勤勉な労働の上に高福祉の社会が成立し財政規律が保たれている...
高い福祉社会のイメージが一変された 最小限の生活保障で働かざる者が豊かにならない、競争主義社会 日本は中国人に社会主義国と揶揄される。国が弱者(かどうか分からないけど)を裕福にし、国民はますます国を頼る。 スウェーデンは、勤勉な労働の上に高福祉の社会が成立し財政規律が保たれている この本を読んで欲しい人 ストをちらつかせ賃金上昇だけ訴える労働組合 自立できない専業主婦 リストラに怯え会社にしがみつくサラリーマン
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前々から読みたいと思っていて、 1ヶ月くらいかけてちょこちょこと読み進めていました。 スウェーデンは高福祉の国だ、というイメージが先行し どういう仕組みなのか全く知りませんでした。 その「スウェーデンモデル」の7つの特徴が挙げられています。 1.オープンエコノミーと健全なマクロ...
前々から読みたいと思っていて、 1ヶ月くらいかけてちょこちょこと読み進めていました。 スウェーデンは高福祉の国だ、というイメージが先行し どういう仕組みなのか全く知りませんでした。 その「スウェーデンモデル」の7つの特徴が挙げられています。 1.オープンエコノミーと健全なマクロ経済 2.ITインフラ整備と研究開発 3.女性の高い労働参加率、子育て支援 4.環境政策 5.連帯賃金制度(同一労働・同一賃金) 6.実学志向の強い教育制度 7.労働インセンティブに配慮した税・社会保障制度 興味深かったのは1,5,6,7です。 1:産業構造の転換を行なっている。 つまり、現実的に淘汰されるべき産業は、政府は救済しない。 (個別産業の救済しない) 成長産業のみ支援策を出す。 2:国民ひとりひとりに10桁のID番号を配布する (最初の6桁は生年月日) 税・社会保障・医療・教育をID番号で一括管理。 3:夫婦間で育児休業を取得するメリットが大きい (税控除、育児休業手当の受給期間) 子ども関連費用は原則無料。 5:働かざるもの食うべからず。配偶者控除は無し。 年功序列、諸手当、退職金は無し。 6:失業保険が手厚く、異なる産業への転職の際は 再度大学へ入学し、教育を受け、再就職することが比較的容易。 労働訓練や再チャレンジの機会が提供されている。 7:法人税の優遇 一人ひとりが自立して生きるべき。 能力に応じて所得が決まり、甘えや依存は許さない。 機会の平等を保証する。 働かざるもの豊かになるべからず。 その他: ・医療費が高い。軽度の症状(風邪など)であれば自宅で薬で治す。 医療費の膨張を防ぐため。 ・政治に対する信用が高い。 政治が身近である。 (市議会議員の大部分は本業も持つ兼業職員) (地方税は地方に決定権がある) ・ペイアズユーゴー原則 歳出増または歳入減を伴う施策の新たな導入・拡充の際は 恒久的な歳出削減、歳入確保により 安定的な財源を確保する 学ぶべき所が多いです。 特に1990年代のバブル崩壊後に 現在のスウェーデンの基礎が固まった点が 今後の日本を考える上で重要だと思います。 また、読み返してみたいです。 1回じゃ僕の頭では全部入りきりません。。。
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いわゆるスウェーデン・モデルについて。 高福祉・高負担・高競争力の国。 キーワードは、教育分野への注力や女性の社会進出。 デンマークもそうだが、高負担であってもそれに見合う福祉が得られるので、国民はさしてそれを不満とは思っていないようだ。適切な分配がなされていれば負担が大きくても...
いわゆるスウェーデン・モデルについて。 高福祉・高負担・高競争力の国。 キーワードは、教育分野への注力や女性の社会進出。 デンマークもそうだが、高負担であってもそれに見合う福祉が得られるので、国民はさしてそれを不満とは思っていないようだ。適切な分配がなされていれば負担が大きくても文句はないということだ。
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「福祉の充実」と「重い税率」で語られることの多いスウェーデンだが、その制度維持の要は「高い国際競争力」であることを、重点的に指摘している。他国の制度を参考にする話だと、自説に都合のいい部分だけをつまんで紹介する例も多いけど、なかなか多角的に制度を評価していて面白かった。 ただ、タ...
「福祉の充実」と「重い税率」で語られることの多いスウェーデンだが、その制度維持の要は「高い国際競争力」であることを、重点的に指摘している。他国の制度を参考にする話だと、自説に都合のいい部分だけをつまんで紹介する例も多いけど、なかなか多角的に制度を評価していて面白かった。 ただ、タイトルを見たときには、「スウェーデンの制度の負の側面」のようなものが論述されているのかと思っていたので、その辺りは物足りなく感じた。移民問題や高齢者の介護などで、問題も生まれてきていると耳にしていたので、その辺りも知りたいところ。
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高福祉高負担の「大きな政府」 高い競争力と経済力 一見相反する2つが両立するスウェーデン。 そんな奇跡のようなことがなぜ成り立つのか。 政治のリーダーシップ、国民の意識、就労インセンティブが働くような社会保障システム、知れば知るほど、感動の連続です。 日本も見習うべきところがたく...
高福祉高負担の「大きな政府」 高い競争力と経済力 一見相反する2つが両立するスウェーデン。 そんな奇跡のようなことがなぜ成り立つのか。 政治のリーダーシップ、国民の意識、就労インセンティブが働くような社会保障システム、知れば知るほど、感動の連続です。 日本も見習うべきところがたくさんです。
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自分も北欧に対しては、国民の税負担が大きく、典型的な「大きな政府」のイメージしかなかったけど、読んでいくうちに競争をベースとした経済システムであることが分かった。 「国民の税負担は確かに大きいけど、国の福祉に甘えず労働に励み、国内外においても競争力を発揮させ急成長をしている」と...
自分も北欧に対しては、国民の税負担が大きく、典型的な「大きな政府」のイメージしかなかったけど、読んでいくうちに競争をベースとした経済システムであることが分かった。 「国民の税負担は確かに大きいけど、国の福祉に甘えず労働に励み、国内外においても競争力を発揮させ急成長をしている」という、なんとも逆説的な現象がとても面白く感じた。 勿論、「スウェーデンの国のやり方がスゴイから、日本でも丸丸導入しよう!」というのは短絡的すぎるし、スウェーデン自身が抱える問題も沢山ある。 けど、日本の今後を考えていく上でかなり参考になることが書かれているのではないかと、個人的には思った。
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