タソガレ の商品レビュー
ネタバレになっちゃうので感想書きにくいです。過去に同じ題材を扱ったミステリがありましたが、本作の方がはるかに上です。4文字シリーズの中ではベストかも。
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「相貌失認症(フェイス・ブラインドネス)」の若い女性をめぐる連作短編集。この著者らしい、何か隠し事があるかのようなちょっと癖のある文体で、読み手に緊張感を与えながら、バリエーション豊かなストーリーが展開されていく。 人が人を認識しにくいということが、いかに社会生活に不都合を引き起...
「相貌失認症(フェイス・ブラインドネス)」の若い女性をめぐる連作短編集。この著者らしい、何か隠し事があるかのようなちょっと癖のある文体で、読み手に緊張感を与えながら、バリエーション豊かなストーリーが展開されていく。 人が人を認識しにくいということが、いかに社会生活に不都合を引き起こすものかということが、これでもかというパターンで繰り出されてくる。このユニークな題材をテーマに、頑張って展開されるストーリーの数々に頭を下げたくなる。ただ、主人公・裕児のキャラクター設定がちょっと疑り深く理詰め過ぎて、さっぱりしないところが好きになれないな。(もちろん、このキャラクターがなければ物語が成立しないことも承知の上だけれど、、、) 最終章の最後の言葉は、このテーマでこれだけ書き進めてきたのだからこそ、こうしてカッコ良く決めたかったんだなと納得。
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