テティスの逆鱗 の商品レビュー
人間の欲というのは底がないんだなと思った。 自分も美しくありたいと思うし、人から褒めてもらいたい。太ってしまった時は元の体重に戻ろう、と思っていただけなのに元の体重に戻ると、もっと痩せたいと思う。痩せても痩せても鏡に映る自分はここに肉がついている。ここの形がおかしい。 満足できな...
人間の欲というのは底がないんだなと思った。 自分も美しくありたいと思うし、人から褒めてもらいたい。太ってしまった時は元の体重に戻ろう、と思っていただけなのに元の体重に戻ると、もっと痩せたいと思う。痩せても痩せても鏡に映る自分はここに肉がついている。ここの形がおかしい。 満足できない。人に褒められて一時は満足してもやっぱり気になる。 そんな自分の性格からも、登場人物たちの気持ちが少し共感できた。 でも、私は女優でもなければ、キャバ嬢でもない。整形も今のところしてない。1番なるだろうなと思ったのは出産後、昔の自分に戻りたくなることかな。 綺麗事だけど、皺もシミも、生きてきた証だと思って受け入れたい、受け入れられる心を持ちたいと思った。
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腕が良く、女性達の望みを多く叶えてきた美容外科医の多田村晶世。彼女のクリニックには女優、キャバ嬢、OL、資産家の令嬢などが通い詰めていたが、彼女達の「綺麗になりたい」という思いはどこまでも貪欲で、いつからか晶世の手にも負えなくなってきていた。 こういうのは一度やりはじめると...
腕が良く、女性達の望みを多く叶えてきた美容外科医の多田村晶世。彼女のクリニックには女優、キャバ嬢、OL、資産家の令嬢などが通い詰めていたが、彼女達の「綺麗になりたい」という思いはどこまでも貪欲で、いつからか晶世の手にも負えなくなってきていた。 こういうのは一度やりはじめると歯止めが効かなくなるのではないかという心配がそのまま物語になっている。4人の女達はどの人物も真剣なのだが、傍から見ると、なぜそこまでいっていて気付かないのかとあきれたり、そこに恐怖に感じたり。自分も女ではあるので、全部が理解できないわけではないけれど。しかし誰もが皆、最後には、何にも手を入れていない受付嬢の自然な鎖骨だったり膝だったりを羨ましく思っているのが皮肉。
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美容整形は一度やりだすと歯止めが効かなくなる人がいるというが、それを示す4人。美を手に入れても心を失っては何にもならない。私は両親からもらった顔を大事に手入れして、生きていこうと思う。
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読み物として面白かった!怖いもの見たさでどんどん読み進めてしまう感じ。 小説は知らない世界を垣間見せてくれるエンターテイメントだなとしみじみ
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読み物として楽しく読めた。容姿のことを他人に言われると必要以上に気にしてしまう。整形を題材にした小説でありがちであるが、整形した人ははじめは見た目でちやほやされるのに最終的には不幸になっていく。小説の中だけなのか、現実もそうなることが多いのか…。
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美容整形沼にハマるとほんとやばそう。 ここまでなるのは一部だろうけど。 でもキレイな方が得するのは確か。 心の病で整形するのは絶対に幸せになれない。 満たされない心を埋める方法ではない。 欲が深い。 テティスは先生なのか患者なのか。
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美容整形のキリがない怖さ、美への執着が常軌を逸していく様にゾクゾク。その根本に愛されたい願望がある限り、老いも若きも独身も既婚も経産婦も関係ないんだな。 美容整形を試みる彼女たちの動機は「綺麗になりたい」その一点で皆同じと思っていたけれど、他人の視線からの美だったり、自分独自の基準の美だったり、三者三様それぞれなのが興味深かった。 お互いわかり合えない美を追求する4人が最後はそこで一致するのか…。 ラストのその後は…狂気が満ちた修羅場しか浮かばない。
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読んでいる最中に、何度もふわっと手の力が抜けていく感覚がした。 ただただ、恐ろしくて仕方なかったです。
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おそらく、全ての女性が気にせずにはいられない容姿の美醜。 プチ整形という言葉が指すように整形にかつてほどの抵抗感や罪悪感が薄れてきた現代において、美容整形は手軽に自分をグレードアップできる手段となった… 貪欲に美を求めるあまり、 誰もに平等に訪れる老いを拒絶する女優、 出産前...
おそらく、全ての女性が気にせずにはいられない容姿の美醜。 プチ整形という言葉が指すように整形にかつてほどの抵抗感や罪悪感が薄れてきた現代において、美容整形は手軽に自分をグレードアップできる手段となった… 貪欲に美を求めるあまり、 誰もに平等に訪れる老いを拒絶する女優、 出産前の自分を取り戻して恋をしようとする主婦、 かつて自分を苛めた相手を憎み、美しくなり、玉の輿を狙うキャバクラ嬢、 母と似た部分を切り捨て、独自の美を追い求めて異形となり果てる資産家令嬢、 彼女らをはじめ、あらゆる患者の欲求を飲み続けることに憂んだ美容整形外科の女医。 最後は怖い…
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2015.8.10-45 美容整形にのめり込む恐ろしさは目新しいテーマではないものの、嵌る4人の女達 女優・主婦・ギャバ嬢・資産家の娘としての人生や、施す女医とその姪の立場からも描かれ、またそれぞれの絡みもあって面白い。
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