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埋み火 の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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2011/07/21

消防士雄大が活躍する「鎮火報」続編。 老人世帯で続く不審火と焼死。 その原因究明に、消防士の仕事としてではなく、矜恃として雄大が臨む。 前作同様の600P級の大作ながら、一気に読み進める展開はさすが。 前作と異なり消防仲間との人間関係の描写は少なめであるが、 あらゆる登場人物達...

消防士雄大が活躍する「鎮火報」続編。 老人世帯で続く不審火と焼死。 その原因究明に、消防士の仕事としてではなく、矜恃として雄大が臨む。 前作同様の600P級の大作ながら、一気に読み進める展開はさすが。 前作と異なり消防仲間との人間関係の描写は少なめであるが、 あらゆる登場人物達の親子関係に焦点を当て、 それぞれが成長を果たしていく姿を見ていくのは実に気持ちが良い。 放火・焼死ととかく暗くなりがちなテーマを取り上げつつも、 全く暗い内容になっていない点も良い。 前作で大活躍した守の出番が少ないのはやや残念であるが、 雄大の消防士として、そして人間としての成長を、 まるで親のように見守ることのできる本シリーズ。 次回作も楽しみにしたい。

Posted byブクログ

2011/08/12

前作の「鎮火報」に引き続いて9時5時の内勤勤務を目指すやる気のない消防士、雄大の一人称で語られる物語で普段はなじみの薄い消防士という仕事を垣間見れる作品となっている。ただ、今回は雄大のプライベート部分でのエピソードが多く、前作に比べると消防士の業務や消防隊の面々に関する描写が少な...

前作の「鎮火報」に引き続いて9時5時の内勤勤務を目指すやる気のない消防士、雄大の一人称で語られる物語で普段はなじみの薄い消防士という仕事を垣間見れる作品となっている。ただ、今回は雄大のプライベート部分でのエピソードが多く、前作に比べると消防士の業務や消防隊の面々に関する描写が少なくなってしまっていたのが少々残念。一方、親友である裕二の登場の度に行われるくどい表現は前作同様で、ここまで徹底されると本シリーズの"特色"と納得して諦めるしかなくなってきた。。 ストーリーの主軸は老人宅での連続失火に疑問を抱いた雄大がその裏に隠された真実を暴くコトではあるのだが、祐二の職場である工事現場での連続放火事件などのサイドストーリーが多かったり、真相自体にはギミックと言うかひねりがなかったりで消防ミステリとしての深みはあまり感じられなかった。その分、失火を手引きしていた中学生の裕孝も絡めて「家族」「親子」「絆」そして「個人の存在」といったテーマを描いたヒューマンドラマとして仕上がっている。当然、主人公である雄大と母の民子との親子にも一つの区切りが訪れ、それまでのテーマと相成って雄大の成長への布石となっているあたりは良い展開ではなかったのかと思う。 それにしても、前作から比べると雄大も成長したもんだと。。。 なんとなく正義感も強くなったし、やっと飲酒運転もやめたしで。。。 まぁ、読む前からの期待値が大きすぎた分、若干物足りなさも覚えた部分があったのは事実だが、それでも読みどころ満載で楽しめた作品だった。 ただ、このシリーズの存在を知りつつ、長らく敬遠していたのに気まぐれに今のタイミングで読んだコトには若干後悔が… まさか、最後の最後に急な変化球で謎を残されても続きってまだないじゃんって感じで。 どーせならシリーズが出揃うまで待ってればよかった。。。

Posted byブクログ

2011/05/07

鎮火報2作目。 ミステリーかと思いきや、謎解きは中盤で終わってしまう。 ただ、本番はここから。日明恩の一番いいところは人間ドラマ。 女性だからこそか、ここまでクサい友情をかけるのは作者ならではだと思う。

Posted byブクログ

2011/04/16

4月-11。3.5点。 鎮火報続編。忘れていたけど、思い出した。 老人宅で続く火災死。主人公は疑問を感じ、調査する。 ため口が気になるけど、いいやつ。 事件が解決してから、次作につながるようなストーリー。

Posted byブクログ

2011/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「Fire's Out」シリーズ 前作「鎮火報」の続きだけど、読んでなくても楽しめる 長身でガタイの良い若手消防士・雄大が主人公の物語 ≪あらすじ≫ 相次いで一戸建ての失火事故が発生する 共通点は 家が全焼 住人の老人が焼死 ただし周りへの被害はゼロ 出火原因は不運な偶然が重なったこと 不可解と感じた雄大が事故を調査すると 中学2年生の少年・裕孝が裏で手を引いていたことがわかる 彼は放火自殺をする老人達に、失火に見せかける方法を教えていたのだ。。。 ≪感想≫ 前半は事件のあらましと、火事や消防士の知識 中盤で少年・裕孝を見つけ 後半は「家族」と「人生」の話。 前作のようなミステリー要素は一切なく、完全にヒューマンドラマだった。 雄大とその友人・裕二、そして裕孝の三者三様の掛け合いは楽しく、名言もチラホレ出て良かったけど、所々説明が長く感じてしまった。 ※巻末の「解説」より---------------------------- 彼女の作品世界は地続きである。雄大の所属する赤羽台派出所のメンバーは「ロード&ゴー」にもちらっと出て来るし、本シリーズで裕二が働いている武本工務店の息子は、「それでも、警官は微笑う」「そして、警官は奔る」の主役なのだから。 ------------------------------------------

Posted byブクログ

2011/01/18

1. 「誰かの『じゃなきゃいけない』は、俺にとってそいつの『だと良いな』でしかない」 …確かに。 「不幸と不健康は自慢じゃない」 そのとおり!!ただどうしてもしちゃうけど…。 裕二っていいこと言う。 なんだかんだ自分に言い訳しながらも仕事真面目な雄大と その(職場)仲間たち...

1. 「誰かの『じゃなきゃいけない』は、俺にとってそいつの『だと良いな』でしかない」 …確かに。 「不幸と不健康は自慢じゃない」 そのとおり!!ただどうしてもしちゃうけど…。 裕二っていいこと言う。 なんだかんだ自分に言い訳しながらも仕事真面目な雄大と その(職場)仲間たち。 自分は仕事に対して全力投球できているかなと自問自答してしまいました。 張り合いのある仕事があって、お給料貰えて休みもそこそこあって…恵まれていることはわかってるけど、その上に胡坐をかいているつもりはないんだけど、でもそうなのかな…とか。

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2019/01/16

失火が原因と思われる老人宅での火災の連続。 そして、親友の工務店が建築中の家ばかりを狙った放火。 新人香川とのうまくいかない関係。 ただ、ミステリではなくヒューマンドラマ。 なかなか面白いんだけど、残念な点が。 後ろ向きな動機で消防士になったことの説明や 親友とのやりとりのい...

失火が原因と思われる老人宅での火災の連続。 そして、親友の工務店が建築中の家ばかりを狙った放火。 新人香川とのうまくいかない関係。 ただ、ミステリではなくヒューマンドラマ。 なかなか面白いんだけど、残念な点が。 後ろ向きな動機で消防士になったことの説明や 親友とのやりとりのいちいちを解説する部分が あまりにも多く繰り返されてるんだよなー はっきり言ってスピード感を消してしまっている。 それだけが残念。 省いたら、こんな分厚さにはならなかっただろうね。 引用して残しておきたい部分が多いだけに、 もったいないとしか言えない。 本筋は面白いですよ。

Posted byブクログ