みずうみ の商品レビュー
”みず”とか”砂”とか”時間”とか、、境界線があいまいなものにとてもひかれます。 こちらは名前のとおり水のものがたり。3部構成になっていてそれぞれまったく違う舞台のお話となっています。でもそれぞれがみずうみの水でつながっています。 コポリコポリと音をたててあふれだす水が幻想的...
”みず”とか”砂”とか”時間”とか、、境界線があいまいなものにとてもひかれます。 こちらは名前のとおり水のものがたり。3部構成になっていてそれぞれまったく違う舞台のお話となっています。でもそれぞれがみずうみの水でつながっています。 コポリコポリと音をたててあふれだす水が幻想的で閉鎖的な村にひろがっていく、ときどきながれだす美しい言葉たちは、それ自体が音楽のようです。 記憶やさまざまな想いが少しずつ広がって、そしてじわじわと侵蝕されていく得体のしれない恐怖も感じます。読み進めるうちにそういった恐怖心とつながっていく幸福感とがまざりあって、恍惚とした気分になってくる。。 広くて深い水の物語です。
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凄く良い変態的で素晴らしい!読んでも何もわからんかったのでレビューできない笑 最終的にみずうみに還るのだ…
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不思議な世界観で ぐんぐんひきこまれていく。 途中で読む手をを止めると 本の中の世界から自分がこぼれ落ちてしまいそうで 家でゆっくりじっくり読みたい作品でした。
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響いてくるのは「?」だけ。 他には何もない。 慎重に読み進んだが、分からなかった。 ただ耳の中に、水の音が「コポリ コポリ」残った。
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3編からなるおはなし。 別々の話と思いきや、解説を読んで、あら、同調。 いしいさんの文章、好きです。
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3章全くつながってないようなつながってるような。 解説で、おお、そうか!と納得したくはないけれど、 すごくすとんって納得した。シンクロニシティ。
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読み手の湖面はさざ波? 鏡面? それとも荒波? 第一部、第二部、第三部でまったくちがう顔を見せる。それぞれ単独で読めばいい物語だけど、三部合わせて一つの「みずうみ」を構成しているようには思えず、満足感よりは違和感が残る。私の場合はさざ波でした。 第一部は森の中の不思議な湖と村人 ...
読み手の湖面はさざ波? 鏡面? それとも荒波? 第一部、第二部、第三部でまったくちがう顔を見せる。それぞれ単独で読めばいい物語だけど、三部合わせて一つの「みずうみ」を構成しているようには思えず、満足感よりは違和感が残る。私の場合はさざ波でした。 第一部は森の中の不思議な湖と村人 の話し。第二部は、その村の出身と思わしきタクシー運転手の話し。第三部はいしい夫妻と米国人の友人の話し。 著者のインタビュー http://book.asahi.com/clip/TKY200704040218.html を読むと、ボンヤリしていたテーマ(の一つ)がハッキリ見えてくる。モノゴトが、ある出来事から別の出来事へと連鎖していくありようには、原因と結果や偶然だけではないつながりもある、ということ。 確かにその通りなんだけど、あまりに個人の思いや努力の入る余地が少ないように読めた。
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わあ。なるほどこれはたいへんだ。 ひとことで言うと悲しい小説。 3編からなるのだけれども、 3つがひとつの流れを作っているわけではなく、 基本的には別々の話で、帰結もしない。 勝手な解釈をさせてもらうと、 なんというか今回は、いしいしんじさんお得意の与太話をやめて、 いつもの...
わあ。なるほどこれはたいへんだ。 ひとことで言うと悲しい小説。 3編からなるのだけれども、 3つがひとつの流れを作っているわけではなく、 基本的には別々の話で、帰結もしない。 勝手な解釈をさせてもらうと、 なんというか今回は、いしいしんじさんお得意の与太話をやめて、 いつもの道具を使って「本当の事」を表現しようとしたんじゃないだろうか。 だけどそれはとても苦痛を伴う作業だったので、 話が3つに分かれてしまった。 描いている事は本質的には3つとも同じで、 それぞれ別の外堀から内側に向かって書かれている。 そしてそれは完璧にはうまくいかなかったのかもしれない。 彼自身が抱える痛みに直接触れるに至らなかった。 最終章では禁じ手まで使ったけど、どうだったか。 それは彼の持っている道具の性質によるところも大きい気がして、 それがかえって作家自身ののたうつような悲しみを生々しく感じさせるような。 もちろん意図してそうしているのかもしれませんが。 とにかくそれは価値のある事のように思えましたよ僕には。 ひとには薦めにくいけど、読んだ人には感想を聞きたい作品。
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どう受け取るべきか悩む作品。今までの物語とはかなり違う印象です。 3章仕立てで構成されていますが、それぞれがそれぞれに影響し合っているというか、同じことを全く違うアプローチで表したというか。また作者のエッセイを読めば3章は実体験を元にしていることは読み取れ、より一層どう受け取るべ...
どう受け取るべきか悩む作品。今までの物語とはかなり違う印象です。 3章仕立てで構成されていますが、それぞれがそれぞれに影響し合っているというか、同じことを全く違うアプローチで表したというか。また作者のエッセイを読めば3章は実体験を元にしていることは読み取れ、より一層どう受け取るべきか悩みます。 正直、途中で一度読み続けるのを挫けそうになりました。しかし少し中断してまた読み直してみると、判らないままに染み込んでくるんです。そう、まるで水のように。コポコポと。
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アルプスと猫を読んでからだと余計に三章が苦しかった 作者はのたうつような悲しみの中でこれを書いたんだろうなと思ったから 好きかと言われれば素直に頷けないけれど では嫌いかと言われたら そんなことはない と言いたい それにしても最近のいしいしんじは粘性というか生々しさを感...
アルプスと猫を読んでからだと余計に三章が苦しかった 作者はのたうつような悲しみの中でこれを書いたんだろうなと思ったから 好きかと言われれば素直に頷けないけれど では嫌いかと言われたら そんなことはない と言いたい それにしても最近のいしいしんじは粘性というか生々しさを感じるようになった ポーのあたりから特に
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