村上ソングズ の商品レビュー
音楽の知見が広がる一冊。 村上春樹の棚からレコードを手に取り、解説付きで曲を聴く擬似体験ができる。 著者は書評を嫌うけど、この切り口で書籍も紹介して欲しい。
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村上春樹おすすめの27曲と、和田誠おすすめの2曲を原詩と訳と解説で綴っている。 これだけ楽しそうに説明されると、読者も気分がのってきます。 一種の「最高」になってきますね。
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部屋を片付けてたらたまたま出てきて、久しぶりに読み返した ただ村上春樹が好きな曲の歌詞を意訳してコメントしていくだけの本なので物語とかではないけど私の一番好きな本の一つに確実に入る本。 この本で好きな文章は色々あるけど、 clover being green is someth...
部屋を片付けてたらたまたま出てきて、久しぶりに読み返した ただ村上春樹が好きな曲の歌詞を意訳してコメントしていくだけの本なので物語とかではないけど私の一番好きな本の一つに確実に入る本。 この本で好きな文章は色々あるけど、 clover being green is something I've never seen 'cause I was born to be blue (クローバーの緑なんて、目にしたことはない。だって私はブルーに生まれついたのだから。) の一節が、初めてこれを読んだ小学生の時からずっと頭の片隅にある気がする。 そんなに頻繁には読まないけど、たまに読み返した時に前回これを読んだ時よりも成長した自分が同じ文章から読み取ることとかが変わってるのを感じて嬉しくなる
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村上春樹が英語の歌詞を訳しエッセイを、和田誠が挿絵を書く。 いつもの黄金コンビでながめているだけで楽しい本。 たくさんの曲が選ばれてますが、やはり若いころにジャズバーをやっていただけあってjazzの選曲が多め、ロックも正統派なものが多い。 ●深刻な歌詞で、哀しく厳しい内容でも...
村上春樹が英語の歌詞を訳しエッセイを、和田誠が挿絵を書く。 いつもの黄金コンビでながめているだけで楽しい本。 たくさんの曲が選ばれてますが、やはり若いころにジャズバーをやっていただけあってjazzの選曲が多め、ロックも正統派なものが多い。 ●深刻な歌詞で、哀しく厳しい内容でも、美しいメロディーがつくことでその陰影が深まり、曲の立体感が増す。 音楽、歌の醍醐味がここにあるのだな。 ・「ブルーモンク(修行はつらい)」 アービー・リンカーン ・「パッチズ」クラレンス・カーター ●シニカルな、ブラックユーモア、ちゃらんぽらんな歌詞にご機嫌な音楽。歌詞は行間が音楽が演奏されている時間に含まれるから、ふざけているようでも、その裏にあるマイナスなものに聴衆がここに思い描き、逆に肯定できるのではないか。 ・「自殺をすれば痛みは消える」 M*A*S*Hサウンドトラック ・「羊くん(ミスター・シープ)」 ランディ・ニューマン ・「オキナワに戻るよ」ライ・クーダー それ以外にも、音楽ガイドとしても楽しめます。 ●意外と知らなかった曲ができた背景 ・「イングリットバーグマンの歌」 BillyBragg&Wilco このアルバムは私も持っていて好きなんだけど、ウディ・ガスリーが詩だけ残していたものにビリー・ブラッグが曲をつけたものだったんですね。しかも詩が面白、楽しいバーグマン賛歌。 ・「生きているうちにしたいこと」シェリルクロウ 自費出版の無名の詩人の詩集から、曲がひらめいた。 かっこいいな。また、この詩がすばらしい。 ・「この家はからっぽだ」エルヴィス・コステロ 長らく振るわなかったバートバカラックの作曲に、エルヴィス・コステロが曲を付けた。1998年の曲だけど、確かに名曲感が! ・「1957年のディズニー・ガール」ブルース・ジョンストン ブライアン・ウィルソンが曲が作れなくなっていた時期にサポートに入ったブルース・ジョンストンの曲、なかなか素晴らしい。のちにビーチボーイズに入るが、ソロでも演奏。 なんだか、ローリングストーンズのミックテイラーのような、途中でサポートで曲作る人間として加入する感じが。 ・「よそには行かないで」ジョニ・ミッチェル 黒人男性歌手アーサー・プライソックのカウントベーシー楽団との共演作をジョニ・ミッチェルが歌う ●その他、曲として良いものもたくさん。 音楽ガイドとしても楽しめます。 ・有名だけどあまりきちんと聞いたことなかった人たち。 ナンシーウィルソン、ビングクロスビー、ヘレンメリル、トニーベネット、アニタオデイ
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本書の「酒とバラの日々」の章で『簡単な言葉ほどむずかしいということもある』と村上さんも書いていますが、読んだときの自然さというか、これはすごい!と思ったのも「酒とバラの日々」の訳詞でした。 いわゆる訳詞っぽさを感じさせないほど、訳詞としての凄みを感じるというのは面白いですね。 ...
本書の「酒とバラの日々」の章で『簡単な言葉ほどむずかしいということもある』と村上さんも書いていますが、読んだときの自然さというか、これはすごい!と思ったのも「酒とバラの日々」の訳詞でした。 いわゆる訳詞っぽさを感じさせないほど、訳詞としての凄みを感じるというのは面白いですね。 村上さんにとって「God only knows」は「神のみぞ知る」ではなく「神さましか知らない」であり、さらにこれは「神様」でなく「神さま」であることがきっと大事なところなのでしょう。たぶん。 最後に2曲分ある和田誠さんの訳詞や文章も、村上さんのトーンに不思議と近い感じがあり、そこも面白いところです。
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ファンが編集した企画本か評論みたいなものかと思って読んでいませんでした。ご本人の著書だと今ごろ気づいて読むことに。 もともと、気に入った英語の歌は必ず歌詞も確認する人間なので、こういう本はとても嬉しい。読んで、聴いて、またもう一度読んで、とすごく楽しかった。 続編出してほしい!...
ファンが編集した企画本か評論みたいなものかと思って読んでいませんでした。ご本人の著書だと今ごろ気づいて読むことに。 もともと、気に入った英語の歌は必ず歌詞も確認する人間なので、こういう本はとても嬉しい。読んで、聴いて、またもう一度読んで、とすごく楽しかった。 続編出してほしい! おかわりを所望したいです。 昔から思っていたけど、「歌詞」を書く、って、小説とか詩作とはまた違う、別の、かなり特殊な才能が必要だなぁ、と思う。 音なしで読むと平凡なのに、歌で聴くと急に鮮やかに生き生きしてくる歌詞がある。 例えば、今ぱっと思いつくままに書くと、サブちゃんの「与作」とか。 「与作は木を切る ヘイヘイホー」って歌詞だけ見るとなんてことないけど、これが曲として歌われると、この一節だけで、私の眼前に深い杉の森が鮮やかに広がって、その奥で木こりが木を切っている姿が遠くに見える、みたいな・・・ これは、いったい、どういう才能なんだろう、といつも思う。私にはまったくその手の才能がないことが自分で分かるだけに。 もちろん曲の力もあるんだろうけど。 英語の場合、1音で1単語(というより、1シラブルが1音?)だから、一つの歌に日本語よりはるかに多くの単語が入れられるので、物語としておもしろくてドラマ性のある歌が日本語の歌よりもずっと多い気がします。まるで映画を1本見たみたいな、誰かの人生がまるごと見えてくるような歌まである。 この本の中だと、「Patches」とか、「State Trooper」とか、「Bang Bang」とかが映画的。映像が目に浮かんで、長い時間の経過さえも見える。 村上春樹さんの訳そのものは、いいなぁと思うのと、あまり好みじゃないものと半々くらいでした。でも、解説は全部おもしろかった。 個人的に一番好きだと思ったのは「Miss Otis Regrets」。 おもしろすぎる。歌詞を読むだけでもヘンテコで十分おかしいんだけど、歌として聴くと、村上春樹さんが書かれていたように、「Madame」のバカ丁寧さがやたらおかしくて笑ってしまう。まるでお笑いのコントみたい。 「Imitation Of Life」「Moonlight Drive」も印象的だった。どちらも、歌詞だけ読んだときはそれほどピンとこなかったのに、歌として聴いたら、言葉が急に生き生きとしてビックリ。 それぞれの歌についての解説を読みながら、「村上春樹さんがなんだか若々しい」と思ったけど、初出は2007年で、思ったより古い作品じゃないので、あれ?と思った。最新の「騎士団長」がすごく年取った印象だったからかな? (追記)この感想を書いた直後に月刊「文藝春秋」6月号で、村上春樹さんの新作「猫を棄てるー父親について語るときに僕の語ること」を読んだ。 感動してしまった。 とにかく文章が円熟していて、昔から相変わらずの気持ちよさにさらにプラスして年輪が美しい形でにじみ出ていて、なんというか、読む、ということそのものに幸せを感じながら読んだ。「村上ソングス」を読んで、文章が若いなぁ、と思っていた直後だっただけに(これはこれでいいんだけど)、新作の円熟みにほれぼれした。 村上春樹さんは、いつも「小説」を書くことにプライオリティを置いておられるように感じるけれど、私はやっぱり、こういうノンフィクションとかエッセイとかをもっともっといっぱい、小説をさしおいても書いてほしい!と思ってしまう。
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なんでこんな歌詞なんだろうとつっこみたくなるほど、日本語詞がおもしろいのに、原曲を聞くとかっこいいしジンとくる。
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文庫版再読。 ジャズに詳しく無いので内容はちんぷんかんぷん。まぁ、こういうものかと理解する。 ほぼ唯一分かるシェリルクロウの歌詞の解説は沁みるので、ほかの歌も知ってたら楽しいのだろうけど。
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人生は続くのだ。 音楽というのは我々n人生の中でずいぶん大きな意味を持つものなのですね。 スローボート、それは人の心の中だけにひっそりと存在する、親密な夢の乗り物なのだ。 人生とは学校だから学ぶことはたくさんある。でも学ぶほどに辛くなってくる。自分がいかに愚かであるかがわかるから...
人生は続くのだ。 音楽というのは我々n人生の中でずいぶん大きな意味を持つものなのですね。 スローボート、それは人の心の中だけにひっそりと存在する、親密な夢の乗り物なのだ。 人生とは学校だから学ぶことはたくさんある。でも学ぶほどに辛くなってくる。自分がいかに愚かであるかがわかるからだ。つまずきながら、何かを身に着けていくのさ。この世界に正しい居場所を見つけるのは誰にでもできることはない。 人には常にお伽噺が必要なのだ。リアリティなんて、いつだってつまらないものなのだから。
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『エスクァイヤ』連載当初から楽しんでいたコラムでした。 軽い読み物でありながら、扱っている音楽が慥かな名盤かつ手に入れやすいものばかりなので、所持している音楽と比べ合わせて重厚に楽しめるというか、満喫できるというか、贅沢な時間を過ごせる、そんな本です。 村上春樹のなにが凄いか、...
『エスクァイヤ』連載当初から楽しんでいたコラムでした。 軽い読み物でありながら、扱っている音楽が慥かな名盤かつ手に入れやすいものばかりなので、所持している音楽と比べ合わせて重厚に楽しめるというか、満喫できるというか、贅沢な時間を過ごせる、そんな本です。 村上春樹のなにが凄いか、なかなか言い表せられない日常感情を、日常言語で言い表せられるところかと思います。子どもにも分かる比喩で、うまい例を挙げてくる。 わたしは何度も読み返してますし、書き込みもたくさんしました。(このCDは高校生の頃買ってこんな思い出があって、とか。)そういう本。 しかし村上さんは本当にビーチボーイズが好きですね。オールディーズ。
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