牧夫の誕生 の商品レビュー
紀元前7000年頃から始まったという家畜。 それはいかにして始まり、管理が行われ、展開していったのか? 20数年にわたって世界各地の羊・山羊牧民のもとを訪れ、 研究してきた著者による、家畜化の過程。 植物考古学や動物考古学により、発掘された痕跡から、 例えば種子から麦農耕が、或い...
紀元前7000年頃から始まったという家畜。 それはいかにして始まり、管理が行われ、展開していったのか? 20数年にわたって世界各地の羊・山羊牧民のもとを訪れ、 研究してきた著者による、家畜化の過程。 植物考古学や動物考古学により、発掘された痕跡から、 例えば種子から麦農耕が、或いは骨から家畜化された牧畜は 推定できます。しかし、如何にして野生動物が家畜化されたのか、 また、如何なる経過で牧畜が展開されていったかは不明です。 著者は、経験と研究から、羊や山羊が家畜化し、搾乳等の人為的 行為を受け入れるようになっていったか、そして、牧夫が登場して いったかを、仮説し、推測し、考察して論じています。 それは、たかが家畜といえど、歴史の推移、社会の確立、倫理観、 経済、獣医学その他、幅広い範囲にわたって検証されています。 専門用語多めで難しい内容ですが、牧夫の役割と家畜の関係を 想像しながら読むと、なかなか興味深いものでした。
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