倍音 の商品レビュー
尺八奏者による、日本人の音楽、文化、習慣まで広い範囲から倍音について述べている本。倍音と日本人という関係性から述べられている内容も面白いながらも、尺八奏者としてのアイデンティティの思いが詰まった本である。 私は昔尺八を演奏したことがあり「尺八ってなんかぼんやりとした音だな。もっ...
尺八奏者による、日本人の音楽、文化、習慣まで広い範囲から倍音について述べている本。倍音と日本人という関係性から述べられている内容も面白いながらも、尺八奏者としてのアイデンティティの思いが詰まった本である。 私は昔尺八を演奏したことがあり「尺八ってなんかぼんやりとした音だな。もっとハッキリしないんかな」と思っていたが、敢えて倍音を豊富に出して輪郭を曖昧にして演奏するのが日本の尺八という。更に言えば演歌なんかもそうである。 西洋楽器のオーケストラ1団体の演奏よりも尺八1本の演奏の方が広い範囲で多くの倍音が出ているということから驚きである。そうそう、西洋楽器は音がクリアだよな。基音と整数倍音の組み合わせだという。 他、有名な論文の引用である西洋人と日本人とで音を右脳左脳どちらで捉えるかが違う現象や、非整数倍音を多用するのは湿気の多い気候に関係するとか、興味深い内容が多く書かれている。さらに非常にわかりやすく、読みやすい。 曖昧で複雑な日本の音楽を「非線形」と呼んでいる著者のセンスはなかなかいいと思った。 一番面白かったエピソードは日本人が飲み会の締めでよくやる「イヨー、ポン」を西洋人がやろうと思うと、拍をカウントしなければならないというところ。「イヨー、ポンをやろうとしてカッコよくカウント取ってる外国人」という図を想像してなんだか笑ってしまったが、自分たちが当たり前にできていることは世界中の全員ができると思い込んでることって結構ありそうだなと思った。
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倍音という言葉は、楽器をやっている人には馴染み深いものです。 たとえばある楽器でド、という基音を出したとすると、そこにはソ、ド、ミ、ソ、シ♭…など高次の音も微妙に含まれていて、その多寡や強さによって音色が形作られている…というアレですね。 でも話はそれどころでは終わらない、と...
倍音という言葉は、楽器をやっている人には馴染み深いものです。 たとえばある楽器でド、という基音を出したとすると、そこにはソ、ド、ミ、ソ、シ♭…など高次の音も微妙に含まれていて、その多寡や強さによって音色が形作られている…というアレですね。 でも話はそれどころでは終わらない、というのがこの本の出発点。 人間の可聴音域は、だいたい20~20,000Hzと言われています。CDなどのデジタル機器や西洋音楽は、それ以外の周波数や雑音に分類される倍音成分をスポイルすることで合理化され発展したとも言えますが、人間は本来、耳だけでなく皮膚感覚などによってもっと広い領域を感じる能力も持っています。 森林の中の何者かの気配。雑踏や喧噪の中でも耳に入ってくる特定の音や言葉。暗やみの中での自分の位置。家族がふと漏らした吐息の意味。そうした意識下・無意識下で感じる何かが実は、音ならぬ音、すなわち倍音をかぎわけるチカラによってもたらされている。そしてコミュニケーションにとって重要なのは、むしろ明確化された音声よりもそっちなのではないか。本書は、その辺を強く示唆して行きます。 特に日本人においては、家屋が木や紙でできているせいもあり(音が反響しにくいので倍音がよく耳に届く)、また虫の声や草イキレなど自然の音が周囲に満ちているせいもあり、倍音に対する感受性が非常に研ぎ澄まされているといいます。 デジタル機器が全盛のいま、世の中には無機質な電子音ばかりが溢れている。それらは、日本人の鋭敏な感受性をスポイルしてはいないか。 西洋の純化された平明な音楽ばかりではなく、心の陰影を多く含んだ日本古来の盆踊りや民謡や歌謡曲のたぐいをもっと大事にしないとダメなんじゃないか。 そんな「日本人力の危機」みたいなことを漠然と考えていたんだけど、この危機意識に、これまで思ってもいなかった方向から鮮やかに切り込んでくれる良書でありました。
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倍音は意識と深く繋がっている。 無意識に声のトーンを使い分けたり、生活様式によって発声法が変化したり。
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作者は工学部卒の尺八奏者。読み始めは倍音ピンポイントな本が珍しくて、どんなにマニアックな話なんだろうと思ったら、ハーモニクスから芸能人の声まで裾野がどんどん広がる。最終的に尺八の話。尺八吹きの友人に勧めました。
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日本人と西洋人の音のとらえ方が違うのにも 驚いたけれど、音自体も こんなに奥深い物で 与える影響が様々なんだと驚かされた。 どうしても西洋音楽がメインになってきている昨今、こんなすごい物を持ってる 日本やアジアの音楽をもっと聴いてみたいと思いました。 音のことを文字で理解しようと...
日本人と西洋人の音のとらえ方が違うのにも 驚いたけれど、音自体も こんなに奥深い物で 与える影響が様々なんだと驚かされた。 どうしても西洋音楽がメインになってきている昨今、こんなすごい物を持ってる 日本やアジアの音楽をもっと聴いてみたいと思いました。 音のことを文字で理解しようとすると結構難解なのでCDとかがついていると良かったなぁ・・
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数年前に「徹子の部屋」でタモさんが紹介していた本。 直後に近くの紀伊國屋で探したが見つからず、新宿本店からの取り寄せになった。 積読で3年くらい寝かせた。 ハードカバーは荷物が多い時は持ち歩かないので読み終わるまで1ヶ月くらいかかってしまった。 この手は電子書籍向きかも。 ま...
数年前に「徹子の部屋」でタモさんが紹介していた本。 直後に近くの紀伊國屋で探したが見つからず、新宿本店からの取り寄せになった。 積読で3年くらい寝かせた。 ハードカバーは荷物が多い時は持ち歩かないので読み終わるまで1ヶ月くらいかかってしまった。 この手は電子書籍向きかも。 まずは簡潔に。 倍音(整数次倍音、非整数次倍音とも)のサンプルCDでも付けてほしかった。 理工系の端くれとしては数学的アプローチは何となくわかる気はするのだが、音楽的説明はちょっとサンプルでも聞かないと理解しがたい。 一体、小中(高)の音楽の授業の知識って役に立っているのだろうか。 この手の本はいまなら電子書籍にサンプル音組み込んで出してくれた方が素人にはわかりやすいはず。 マルチメディア(死語)向き内容。 前述のハードカバー書籍電子化と相まってサンプル音源付いたら買い替えるな。
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整数次、非整数次倍音は面白い視点、芸能人の声を分類するまでは良いが解釈はやや牽強付会。「クリアー」「ノイジー」を言い換えたもので、個々の人物の好感度とは関係無いような気がする。 日本の音楽は、コンプレックスが故、捨ててきたものがだ実は最も優れているものだった。 デジタルからアナロ...
整数次、非整数次倍音は面白い視点、芸能人の声を分類するまでは良いが解釈はやや牽強付会。「クリアー」「ノイジー」を言い換えたもので、個々の人物の好感度とは関係無いような気がする。 日本の音楽は、コンプレックスが故、捨ててきたものがだ実は最も優れているものだった。 デジタルからアナログへの回帰、生演奏でなければ本当の音がわからない音楽。 倍音を考慮した音色、音階を排除した音響による音楽は無限。 今まで現代音楽、雅楽で感動したことが無いのは、生で聞いていないからなのだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全ての音に含まれている「倍音」について、全く知らなかったことが書かれている。著者は高名な尺八奏者だが、音楽への関心はジミ・ヘンドリックスから始まり、バークリーでジャズ理論と作曲を学んだというボーダレスな音楽家である。美空ひばりやタモリ、たけしなどを引き合いに出して、決して飽きさせることなく倍音という事象を魅力的に解説している。そしてそれは音楽理論にとどまらず、日本文化論にまで及ぶ非常に「腕の長い」人類文化論として成立している。これは良書。
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ずいぶん昔に購入後、読みたいとは思いつつ積ん読になっていた。 フォトリーディング。なんだかやっぱりすごい本。よく研究しているし、その探究心の根本に自分の体験による疑問があるのでその思いが伝わるような感じを受けた。 読了。音に関する話はかなり高度で素人の私には難しかった。しかしなが...
ずいぶん昔に購入後、読みたいとは思いつつ積ん読になっていた。 フォトリーディング。なんだかやっぱりすごい本。よく研究しているし、その探究心の根本に自分の体験による疑問があるのでその思いが伝わるような感じを受けた。 読了。音に関する話はかなり高度で素人の私には難しかった。しかしながら日本人が倍音を大切にするコミュニケーションの脳を持っていることは興味深い。そして非言語コミュニケーションの同期型コミュニケーションというものは、瞬時に大量に情報を伝達することにおいて言語的コミュニケーションよりも優れているということに、日本人の変化の速さと同期性の謎を見た思いがした。日本の福音化やリバイバルもこのような非言語的同期によってなされるのかもしれないと思った。 筆者はこの日本人の得意とする倍音による非言語コミュニケーションが明治後&戦後失われつつあるので取り戻せと訴えている。しかしながらどのようにというポイントは強く主張されずに具体的な提案にかけていた。故に星三つ。
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澄んだ響く音とかすれや割れがある音、そんな音の違いを研究して、日本の音楽と西洋音楽の違いや、日本語と西欧言語の違いを分析しています。とんでもな部分もありましたが、なかなか説得力がありました。
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