郷愁という名の密室 の商品レビュー
ミステリのようなSF。SFのようなミステリ。いい感じで中途半端に融合しながら、不思議な骨格を形成している。 凝った展開ではあるが、そこまでのプロセスが若干強引。ぱらぱらと伏線も撒きつつ、奇怪な世界でしっかり本格してるのは大御所の余裕かな。新人作家ならこの設定だけでテンぱりそうだ...
ミステリのようなSF。SFのようなミステリ。いい感じで中途半端に融合しながら、不思議な骨格を形成している。 凝った展開ではあるが、そこまでのプロセスが若干強引。ぱらぱらと伏線も撒きつつ、奇怪な世界でしっかり本格してるのは大御所の余裕かな。新人作家ならこの設定だけでテンぱりそうだが、この作者にそんな青臭さは見受けられない。そういうどっしり感があるから、通常ならドン引きしそうな展開でもさくさく読み進められたのだろう。 密室の解釈と着地には納得しかねるが、この変形ストーリーを問題なく操れた手腕には感服する。『完全恋愛』同様、ノスタルジックな雰囲気が事件とマッチしており、懐かしさと新鮮さに包容される感覚は悪くない。泡坂妻夫の読後感と似ているなあと思ったりした。
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牧 薩次名義での二作目。今回はSFとミステリを融合させてた作品でした。本来はSFとミステリって水と油、まったく混じり合わないといってもいい。だってなんでもありのSFならどんな犯罪だって捜査だって可能だし、そうなるとミステリとして成り立たなくなるもんね。でも今回、その辺のことはちゃ...
牧 薩次名義での二作目。今回はSFとミステリを融合させてた作品でした。本来はSFとミステリって水と油、まったく混じり合わないといってもいい。だってなんでもありのSFならどんな犯罪だって捜査だって可能だし、そうなるとミステリとして成り立たなくなるもんね。でも今回、その辺のことはちゃんとミステリとして成り立つように縛りが設けてあって、SF的な設定を十分に活かした上でのミステリ的展開を見せて行きます。面白かったです。後味もグッドです。
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主人公がタイムスリップ(?)する話。SFっぽいミステリと言ったらいいか。 初めて読んだ辻真先さん、というか牧薩次さん。 わかったことは、あまり好きな作風じゃないということ。 ストーリーを展開させていくことばかりに腐心して、肝心の人物像が定まっていない感じ。登場人物それぞれの描き...
主人公がタイムスリップ(?)する話。SFっぽいミステリと言ったらいいか。 初めて読んだ辻真先さん、というか牧薩次さん。 わかったことは、あまり好きな作風じゃないということ。 ストーリーを展開させていくことばかりに腐心して、肝心の人物像が定まっていない感じ。登場人物それぞれの描き分けもあいまいで、全く感情移入できなかった。 イメージも全然湧いてこなくて、全体的に独りよがりで唐突な印象。読んでいても文字面だけが進んでいって話に置いていかれてる気がした。 「完全恋愛」もずっと積読状態なのだが…。 でも評判はそっちの方がよさそうなので、気が向いたら読んでみるか。
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時空を越えて主人公が巻き込まれていく謎の数々。http://sgk.me/ey19vs 予測もつかない展開の連続で、物語の世界に引き込まれてしまうこと必至です。
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某大御所作家の別名義による2作目。本格のようで その実はSFとミステリの融合したようなメタのような 不思議な作品。作中で起る事件は全くもって整合性が 取れないのですが、起ってる事件の舞台そのものが 反則のようなものなので、もはや...何でもアリな状態w。 こういったSFが絡んでく...
某大御所作家の別名義による2作目。本格のようで その実はSFとミステリの融合したようなメタのような 不思議な作品。作中で起る事件は全くもって整合性が 取れないのですが、起ってる事件の舞台そのものが 反則のようなものなので、もはや...何でもアリな状態w。 こういったSFが絡んでくるとどうにも...個人的には 苦手で...珍しく足掛け4日もかかってしまった。 とは言え自分でも名前を知ってる大御所の書いた 作品なのに自由で、無理のない若々しさを感じるのは 大きな魅力です。 牧薩次名義での最初の作品の評判は凄く良い ようなのでそちらを是非読んでみたいですね。
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読了、75点。 牧薩次名義の2冊目、前作『完全恋愛』(http://booklog.jp/asin/4838717679)が非常に面白かったので読む前から結構期待大でした。 粗筋は、30代中盤に差し掛かりつつも、介護職を腰掛に漫画家を目指しながら生活する主人公、矢住鼎が、物語...
読了、75点。 牧薩次名義の2冊目、前作『完全恋愛』(http://booklog.jp/asin/4838717679)が非常に面白かったので読む前から結構期待大でした。 粗筋は、30代中盤に差し掛かりつつも、介護職を腰掛に漫画家を目指しながら生活する主人公、矢住鼎が、物語冒頭からショックな出来事4連発に見舞われ、生きる希望を無くし自殺を試みようとする。 雪山へ逃避する中事故を起こしこのまま眠れば死ねるだろう、と思いつつも次に目が覚めると一昔前を思い起こさせる旅館とかつて恋心を抱いていた高校時代の後輩がその当時の姿のまま目の前に。 そして旅館内で殺人事件が発生し… どうやらタイムトラベルで過去に来たというSF設定の中で、本格テイストの殺人事件が発生するという入れ子構造。 SFは無知ながら、タイムトラベル、ロリコン、ネコ、と並べるとやっぱりロバート・A・ハインライン『夏への扉』(http://booklog.jp/asin/415011742X)の一種のアレンジなのかな?ラベンダーに関する記述も気になりましたが、 『夏への~』はだいぶ前に読んだだけなので細部もうろ覚えになってきたし、これを機会に読みたいなと。 作中作にあたる事件は、本格ミステリーとしては若干物足りないものがありましたが、旅館の見取り図や部屋の様子などが図入りで入っていて、押さえて貰いたいツボはしっかり突いている。 またSF設定の使い方も非常にベーシックながら楽しめました。 風呂敷の折りたたみ方からラストの結末に関しては、好みで言えば好きだと思うんですがミステリー的にはどうかなと思ったり。 文章も良い意味で読み易く、テンポ良く進む辺りも良かったです。 P163 てきぱき話を進めてゆく。推理の相棒として絶好であった。俺がホームズなら雫はワトスンだな。鼎はひとりで悦に入った。 から P164 これでは雫がホームズで、俺がワトスンになってしまう。反論しようとしたが、推理脳がいまいちスムーズに回転してくれない。 という下りもなかなか好ましいでした。
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矢住鼎(やずみかなえ)は漫画家志望の35歳。今は北関東の小都市でヘルパーをしている。誤って介護先の老女を死なせ、絶望した鼎は雪山で自殺を図る。ところが‥‥。目覚めたのは無量温泉の旅館の一室。そこで彼は〈少女のままの〉高校時代の後輩・雫に再開する。その旅館で事件が起きる。まず、宿泊...
矢住鼎(やずみかなえ)は漫画家志望の35歳。今は北関東の小都市でヘルパーをしている。誤って介護先の老女を死なせ、絶望した鼎は雪山で自殺を図る。ところが‥‥。目覚めたのは無量温泉の旅館の一室。そこで彼は〈少女のままの〉高校時代の後輩・雫に再開する。その旅館で事件が起きる。まず、宿泊客の男女が刃物で殺害され、次いで隣の旅館の女将が密室状態の客室で刺殺される。犯人は内部の人間か。鼎と雫(ホームズとワトソン)の前に殺人者の影が迫る。そして深夜0:54、あらゆる知覚が暗転して――。 多くの謎を孕んだまま、物語は〈郷愁〉の名のもとに収斂していく。 09年度『完全恋愛』で〈本格ミステリ大賞〉受賞後、待望の第一作! 何と言うか・・・ 全く面白さを感じられぬまま読了。 《2010年12月14日 読了》
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ヘルパーの青年が、誤って介護先の老人を殺してしまい、絶望して自殺したはずだったのに・・・ これって、なんだったんだろうって感じ。読み終わって、ぽかーんとしてしまった。
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昨年の「完全恋愛」に引き続きの『牧薩次』先生の登場。私的には今回も引き込まれてページを繰る手が止まりませんでした。
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